合法マリファナ | スライダーズおやじ

合法マリファナ

合法 3日ほど前だったかな。

早朝、リビングでCNN(米ニュース版)をつけながらPC作業。「次は完全な合法マリファナのニュースです」という同時通訳のねえちゃんの声が。

反射的に画面に顔を向けてしまいそうになるおいら。でも、細君もいたので、何気ないふりを装い、心持ちゆっくり顔を動かす。
(マリファナに興味があるなんてバレたら心配かけるかなって)

・・・CMになってしまった。


説明するまでもないと思うけど、マリファナというのは麻のことです。
涼しげな夏用バッグとか、夏服、サマースーツなんかによくある、目の粗いゴワゴワした生地の材料になる、一年草の植物。

ロープ(麻縄)になったり、袋(麻袋)になったり、食材(七味とうがらしに入ってる一番大きなタネ)になったり、日本のくらしとも馴染みが深い。
また、麻布十番、川崎の麻生区など地名のほか、苗字(麻上、麻田・・・)にも見かけるし、「強く、まっすぐな子に育って欲しいという願いを込めて」とかってことで、名前にもよく使われていますね。(麻子、麻美とか)

でも、一方で麻薬なんていう物騒なモノの総称にも使われていたりする。
そこらのホームセンターで売ってる麻の種(鳥のえさとか)を栽培したりすれば、それは立派な犯罪行為。逮捕されてしまいます。



僕は麻にすごく思い入れがあります。小学生のときに、どうしても麻を自分の家の庭で育ててみたくて、自転車で近所の花屋さんなどを探しまわったものでした。理由は忍者の修行がしたかったから(笑)

当時の僕の愛読書は、『忍者入門』とかいう図解本。忍者の武器や装備、忍術、武術、修行法などがイラストで示されていて、当時の僕にとっては秘密の巻物のようなものでした。

高く飛ぶための修行法
成長の早い麻の上を毎日飛び越えます。

 
子どもが「麻の種くださーい」などと言ってまわれば驚かれそうなものだけど、そうでもなかったです。
「ごめんなさいねー、うちには置いてないわ~」って普通に言われた覚えがある。(そのせいで何軒も探し回るはめになったんだけど)
今から考えれば、当時だって違法だったはずだよね? なんでかな?

まあ、少し前まで、麻はそのへんに自生する雑草だったっていうし、花屋さんは「子どもがたんぽぽ買いに来た」っていうような感覚だったのかもしれないですね。



それからしばらく、麻のことなんて忘れて過ごしました。

イギリスに留学していた夏休暇。
僕はサーファーの友達に誘われ、二人でサウスウェールズというちんけな海水浴リゾート地のトレーラーハウス(動かないキャンピングカー)をレンタルして、数日間をのんびり過ごしました。

ロンドンの閉塞感から久々に解放された僕は、真夏の太陽の下ではだかのまま熟睡。起きたときにはもう手遅れ。全身が真っ赤に腫れあがり、ヒザやわきの下など皮膚の擦れる部分からは、透明な汁まで出る始末。
Tシャツが少し触れただけでも、熱したおろし金で擦ったような痛みに襲われる。体温計がなかったのでわかんないけど、高熱も出ていたと思う。

そんな夜に友達が二人で訊ねてきた。
しばしの談笑の後、彼らはチョークと呼ばれる物体を取り出してにやついている。なんか、画材屋に売ってるコンテみたいなやつ。
赤と黒があって、これは高価な黒だとか言いつつ、そいつはそのチョークをナイフで削りはじめた。次にタバコを取り出し、タバコの中身の葉を丁寧に抜き出し、刻んだチョークとタバコを指で混ぜあわせてから、またタバコに詰め込んだ。

彼はその手のかかった特製タバコに火をつけ、たっぷり吸い込んで息を止めて、となりの友人に渡した。そして、また隣り。そして、最後に僕に差し出された。でも、僕は断った。

当時の僕は17歳10ヶ月。
生涯で一番キックボクシングに打ち込んでいた時期で、倒さなければならない男もいた。
僕の仲間うちは、中学の時には吸ってあたりまえって感じだったけど、自分は吸わないし、煙を吸い込むことさえ避けていたくらい。

そのときも本当はトレーラーハウスから出たかったんだけど、全身火傷&熱もあり、ガマンするしかなかった。
特製タバコ何本目くらいからだったかな。3人がえらく陽気になってきた。
つまんないことでゲラゲラ笑いあっている。

なんなんだこいつら???
横になって眺めていた僕は、ちょっとだけ不安になる。突然3人がかりで襲いかかってきたりしないだろうな?

いつでも反撃できるように上半身を起こし、背中から壁にもたれかかった。
あれ? 思ったほど痛くないじゃん。ちょうど熱も下がったみたいだ。

元気出てきたし、せっかく訊ねてきてくれたんだしってことで、彼らのバカ話に加わってあげることに。
連中と話してたら、なんかこっちも可笑しくなってきた。

これって、大阪弁の人たちといるときに、いつの間にやら感化されるみたいな感じかな? なんてアタマの隅では考えてるのに、顔がゆるんで、笑いが止まらない。

あれっ、あれっ!??
アハハハハハハげらげらげら アハハハハハハげらげらげら
アハハハハハハげらげらげら アハハハハハハげらげらげら
アハハハハハハげらげらげら アハハハハハハげらげらげら
アハハハハハハげらげらげら アハハハハハハげらげらげら

煙慣れしていないおいら。密室に充満する副流煙で、ほかの3人が心配してくれるほどいっちゃったらしい・・・。

これが17歳の僕の体験したマリファナでした。

翌日は痛みもおさまり、食欲もばっちし回復。
二日酔いみたいな症状もなく、ゲストの二人も普通に車で帰っていきました。

この、大笑いしてるときに撮られた写真が、たしかどこかにあったはずです。探せば出てくるかな(笑)




・・・えらく脱線しました(汗)


えーと、そうそう。合法マリファナ。

THC(吸うと気持ちのよくなる成分)を含まない麻の研究開発が進められているということを、かなり前に本で読みました。

麻は人間の暮らしにとって有用な植物だけど、THCがあるために厳しい免許制になっているし、国内の麻を生産する農場での盗難被害も発生する。THCのない麻なら、麻の有用な面だけを役立てることができるとのこと。強い生命力を持ち、数ヶ月で高さ2mにまで育つ麻は、地球温暖化を食い止め、樹木(パルプ)に変わる紙の原料としても注目されています。

これなら忍者の修行もOKじゃん!! 早く開発されないかな~って思ってた。あれがついに完成したのかな?


SONY VAIOの長~~いCMが終わり、ニュースの続きが始まった。麻のニュースは二つ目。

「次は合法なマリファナのニュースです」

嬉々としてテレビ画面を覗き込むおいら。

えっ? 英語のテロップに『FAKE MARIJUANA』って書いてあるよ?
ぜんぜん合法マリファナじゃないじゃーん!! 同時通訳のねえちゃんめ。



[ 後半へつづく ]
 

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麻について興味のある方は [ 麻と人類文化 ] というサイトへどうぞ。
※リンク先とこのブログとは一切関係ありません。僕は彼らの思想や主張に同意しているわけではありません。

このエントリーで使用した [ 偽マリファナ ] の写真は、YAHOO! NEWSからお借りしました。
http://news.yahoo.com/photo/060724/480/ceafe1(以下略)