2014.8 三陸海岸北上 いまをみる 5日目 その3 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

空を飛ぶという夢は、どこまでも果てしなく。

それはまさしく、大空のごとし。

三沢航空科学館には、そんな夢の跡がたくさん詰まっている。

*その2~航空遺産~はこちら


奥の格納庫で行われていたもうひとつの特別展示は、

『風立ちぬ』『永遠の0』でも有名になった、“零戦”です。




ゼロ。







三沢にあるのはレプリカですが、その鋼の機体の美しさには目を見張ります。

銀色の身体は、機動性に優れ、長距離航続も可能な、まさに当時世界最高と謳われた名機。

その有能さゆえ、戦闘機として悲しい歴史を秘めている機体でもある。

日本で生産されたのはなんと1万機以上、これだけ多く生産されている飛行機は

今も昔も零戦以外はありません。




赤い日。







『風立ちぬ』では、この飛行機が生み出されていく、その設計の過程を垣間見ることができますが、

決して誰かを傷つけたいという望みの下ではなく、

純粋な技術者としての魂、好奇心、向上心から生まれた機体であると分かる。

一方で、この機体に乗り込んで、空の上で散っていった人たちも多くいる。

そういう歴史をすべて含めて、いまこの格納庫から、空を見つめる機体のレプリカ。

先には、何が見えるのだろう。

とても複雑で、言葉で言い表せない胸の引っ掛かりがあって。

それでも、実際に目に映すことができたのは、良かったと思う。


再び、通常展示エリアへと戻って、2階に上がってみます。

飛行機展示、地上だけではなく空中にもたくさん飾ってあるので

少しだけそれらに、空に近づくことができる。




飛行。







上から見下ろすとこんな感じ、とても広い!

建物の中なのに、空に来たみたい。

青い飛行機や、色とりどりの熱気球など、ワクワクさせます。


この赤い飛行機がおもちゃみたいでかわいい。






レッドテイル。











ブリキでできたミニチュアが欲しい、と思ってしまう。

紅白のしっぽが鮮やかで、蒼穹に映えそう。

エビみたいですね…!笑


航空科学館の楽しいところは、これだけではない。

どうして飛べるの?科学のエネルギーとは?プラズマとは?

といった、科学の基本を一緒に学べるコーナーが充実しています。

理論だけではなく、実際に目で見て体感できるのが素晴らしい。


大きな透明ケースの中に、巨大遊園地のようなギミックが組み込まれていて

ボールの行方を目で追っかけていく装置があります。

これが楽しい。




機械仕掛け。







これはエネルギーの変化を可視化した装置で、

ボールの持つ位置エネルギーが運動エネルギーに変わって動き出すとか、

エネルギーには様々な種類がありますよ、ということを教えてくれる。

でもそんな小難しいことはよくて、ボールがするすると滑っていくのを見るのが面白い。


航空科学館ならでは、こんなものもあります。




空の旅へ。







フライトシミュレーターです!

実際に操縦経験ができます。

ちっちゃい子が楽しそうに、ずっとパイロット席に座っていました。

こういうところから、将来のパイロットが生まれるのかもしれないですね。


さらに、夢は空の先の、宇宙へと。




惑星探査。







小惑星探査機「はやぶさ」の1/4スケール模型。

これで1/4ということは、実物もそんなに大きくないんだなぁと、しみじみ。

この小さな機械に、科学者たちの夢をどっさりと載せて、2003年に地球を発つ。

そして2010年、小惑星「イトカワ」のサンプルを地球に届け、本体は大気圏で消滅。

大役を果たした、名誉ある人工衛星です。


彼は宇宙にいる間、どんな地球を見ていたのだろう。

それが少しだけ分かる気がする、球体スクリーン。




蒼い星。







ちょうど日本のいる辺りをカメラに収めたのですが、

雲がかかっていて見えませんね;

地球は青く、大陸はつながって、今日も自転を繰り返す。

たったそれだけ。

この星は美しい。美しくいられる。


人々の夢を両翼に乗せて羽ばたく、それを追いかけて。

この科学館が真に見せてくれるものは、あくなき科学の追究と

空を求める純粋な心。

それは未来にもきっと絶えることのないものだと思う。


バスの時間まで、図書室でブルーインパルスの本を読みながら。

いつか本物に会いたいなぁ。


さて、八戸駅へと戻り、新幹線の時間を待ちます。

イクラが本当にルビーみたいに見える、三陸海宝漬けを買ったあと、

お腹が空いたので夕飯に。

青森県に来たからには、青森名物を。




北のごはん。







まず左のは、いかめしです。

小学校のときに給食で何回か出て、このもちもちして

イカの味がしみ込んだお米が好きだったことを思い出す。

イカの風味ってとてもまろやかで優しい感じがする。


右のお椀は、せんべい汁です。

南部せんべいが醤油ベースのお出汁のなかに入っています。

柔らかくなったせんべい、汁をたくさん吸っていて噛みごたえもあり、美味しい。

素朴な味付けも温まる…。ネギとか白菜がいい感じ。

青森にはこの日しかいられませんでしたが、最後の最後に堪能できて良かった!


岩手県・宮古市から入り三陸海岸を北上していく旅。

震災の生々しい跡、その当地に生きている優しい人々の笑顔、

そしてたくさんのブルー。

天気は生憎でしたが、そんなことを忘れてしまうくらいの多くの経験や想いを

いただきました。ありがとう。

それが助けになるか、なんて正直分からないのだけど、

また訪れて自分の脚で歩きたいなと思います。