2012.4 山梨・山高神代桜とわに塚の桜 その2 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

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カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

山梨のはるのうたげ、その2です。

*その1~山高神代桜~はこちら


実相寺で樹齢二千年の桜の木を見上げ、

木から発せられる生きる力を全身で感じたあと、

向かいの果樹園に寄り道しました。


桜のピンクとはまた違い、こちらは真っ白です。


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雪ふり。









山麓に降り積もる雪のように満開です。

何の花だろうと思い、あとで調べたところ、

梨の花みたいです。

なるほど、さすがフルーツ王国やまなし。

食べるだけでなく、四季を通してこういう楽しみもあるんですね。


梨の花はあまり意識して見たことなかったので、新鮮でした。

雪の結晶みたいです。


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シューティング・スター。








流星のように過ぎ去る飛行機雲。

やっぱり山梨は通り道なんでしょうかね、よく見る。

梨の木は樹氷のように真っ白です。


きっともう少ししたらみずみずしい梨の実が

たくさん成るんでしょう。



さて、バスに乗り込んで、韮崎駅方面を目指します。

途中下車したところに、次の桜の木があります。


それが、「わに塚のさくら」です。


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独り。








まだ芽吹きをじっと待っている一面の畑の中に、小高い丘があって

そこに一本だけじっと立ちつくしている、絵のような桜です。

まだ色のない景色の中に、そこだけパッと淡い紅色を差す

その姿に、目を奪われます。


神代桜が力強さなら、こちらは一瞬の儚さや美しさ。


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球面。







枝ぶりがとてもよく、まあるくこんもりと花を咲かせるエドヒガンザクラ。

丘にのぼると、盆地を取り囲む山々が青く空に溶け込む姿が見えます。

それも、この桜が一緒に、優しく温かく見守っているような。


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はるのいろ。







桜のふもとには、その咲きぶりに応えるように、祝福するように、

スミレやタンポポなどの春の花が咲いていました。

桜を透かして、遠くの山が墨を流したように薄く広がります。

里に春がやってきた、その景色を目の当たりにしているようです。


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花と鉄塔。






この桜に寄り添うように立つのは鋼の塔だけです。

どちらも空に向かって何かを祈るような、訴えるような、

そんな雰囲気があります。


それにしても空が広い。


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六線譜。


















そしてどこまでも青いです。

桜も青く染まりそう。


午後は日の光の向きが山のうしろ側に来るので、桜は影になります。

午前中は花に光が当たってとても綺麗に撮れるそうですよ。


さて、「わに塚」とはまたかわいらしい名前ですが、

ヤマトタケルノミコトの子供である、王子武田王のお墓であると言われ

漢字では「王仁塚」と書くそうです。

昔、この土地を治めた人が眠る場所だったんですね。

(諸説あるようですが)


その上に、何百年と咲き続ける一本の桜の木。

そう考えると、彼の魂が桜に姿を変えて

今でもこの地を見守っているかのようにも見えます。


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悠久の時を。







たったこの一本、これだけの場所です。

でも、その一本が孤独に、ただひたすら地面と垂直に立つ姿には

美しさそのものが体現されているように感じました。


うまく言葉にできませんが、この桜の木を見上げていると

強さと儚さ、春の喜びと独りの寂しさ、いろいろな感情が押し寄せます。

ただひとことでいえば、そういう体感もひっくるめて

とても素晴らしいです。


これからも、何年も何十年も何百年も、また時を重ねてつないで、

この土地の山や人とともに、在り続けてほしいなぁと思う木です。