2012.3 新宿御苑・花さんぽ その1 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

風が温み、春の便りが届くころ。

休日だったのに午前中だけ仕事で、せっかく外に出たのだから

寄り道していこう!ということで近くにあった新宿御苑へ。


都会の街路で見かける桜はソメイヨシノがほとんどですが、

まだ少し彼らが花を咲かせ始めるには早い時期。

ですが、新宿御苑のなかは、自分が想像するよりも

遥かに「春」が満開でした。

そんな花だより。


大木戸門から園内へ入ると、まずあの良い香りが。

桜より一足お先につぼみをつける、梅たちです。


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薫る。









可憐ですね。

桜とまた違い、少し小さくて丸みを帯びている梅の花の形は

好きです。

あと、細くて硬い、真っ直ぐな枝も美しい。

そして何より、ふくよかでほのかに甘い香り。

紅梅も華やかで良いですが、白梅も雪のようで良いです。


この辺りは江戸時代に作られた庭園だそうで、

玉藻池という池が静かに水を湛えています。


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春の気配。









池には鴨たちがお昼寝をしたり、

まだ冷たいだろう水面の上をすいーっと通りすぎていったり。

枝の上でひなたぼっこをしているものもいました。

のどかな春です。


こんな和風の庭園があるかと思えば、少し進むと

フランス式の庭園が顔を出します。

プラタナスの並木はまさに異国、という感じです。


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立ち並ぶ。














葉の落ちたプラタナスの立ち姿は

おどろおどろしいですね。おもしろい。

それこそ西洋の絵本に出てくる、魔の森みたいなイメージ。

木々の合間にベンチが等間隔で整列しており、

そこに腰かけてひとり本を読んだり、会話しながら空を見上げたり

している人たちの様子を見るのもまた楽しいです。


フランス式庭園を通り過ぎると、再び和風な景色になります。

この辺りから、なかなか日常の道端では見ることのできない

様々な種類の桜に出会うことができます。


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光る緋色。









まずは寒緋桜

寒い中で咲く、一重の濃い緋色が特徴の桜です。

写真は、もう少ししたら花が開くかな?というところ。

こうした温かな色を目にすると、あぁ春が来たなぁと実感。


こちらはまた別の、ハッとする桜。

毎年目にするのに、やはりこの姿形を見ると、

胸がいっぱいになって、春が隣にいることを

感じずにはいらせません。


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希望のきざし。








修善寺寒桜という名前だそうです。

寒桜ということで、早春に花を咲かせますが、

見た目はほとんど、ソメイヨシノにそっくり。

5枚の薄い花弁、少し色濃いような、淡いような桃色。

あぁ、春だなぁ。


こんな花も見つけました。


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一輪の純白。









見上げるだけではなく、下を向いて歩くことも時には必要。

足もとで健気に咲いている花の真っ白さに心惹かれました。

白は光を浴びると一段と輝きますね。


池を渡る橋のあいだには、黄色いトンネルが。


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春黄金。









サンシュユの花です。

別名、「春黄金花(はるこがねばな)」。可愛らしい名前。

"木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝く"というのが由来だそう。

なるほど、確かに青空によく映える黄色です。


サンシュユは漢方とかにも使われる植物で、

身体に効能がある花でもあります。


さて、池の橋を渡り切ると、視界が開けて

芝生広場に出ます。

太陽がさんさんと降り注ぐその場所では、たくさんの人たちが

日光浴を楽しんだり、子供は駆け回って遊んでいました。

それを優しく見守る大樹に、特に人だかりが。


見上げれば、青空はいつの間にか無数の桃色に覆われて。


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満つる宴。







小彼岸桜が満開でした。

まさか、ソメイヨシノの開花を見る前に

こんなに大きな桜の木が咲き誇って、春を謳歌している姿を

見られるとは思わず…驚きとともに、自分の胸の中にまで

桜の花びらがぶわっと広がって、一気に気温が上がるような

そんな感動を覚えてしまいました。


冬を耐えたからこそ、春が恋しい。

恋しかったからこそ、出会えたときの喜びはひとしお。


とても見事な桜でした。



春のきざしはまだまだ新宿御苑にたくさんあります。

その2に続く。