人づきあい | 教育のチカラ

人づきあい

コミュニケーションは得意でも
人づきあいが苦手な人がいる。


僕もそんな一人だ。


そもそも、
賑やかな場所が苦手。
人がいっぱいいると息苦しい。

だから、人がいっぱいいる側じゃない、
壇上に立てる仕事を選んだのだと思う。

セミナーを「受ける」のも苦手。
上手に仕切れない、のせてくれない講師だともう最悪(笑)


じゃあ、1対1が得意かと言えば、そうでもなかったりする。


なぜかといえば、
僕が強かったり、相手が強かったり
バランスを欠いてしまうこと
どうも苦手なんだと思う。


自分が強すぎれば、相手を窮屈な思いにさせていないかと心配になるし

相手が強すぎれば、自分の身を守ろうと心を閉ざしてしまう。


その上、人間には「好み」という厄介な感情もあり、

同じことをされても、ある人は許せたり
ある人は許せなかったり。



そんな僕が一度だけ
この人の優しさはすごい
と思ったことがある。

実際には、もっとたくさんの優しさに触れているのだろうけど
今も一番に思い出すのは、ひとりだけ。



若かりし頃の僕は、衝撃を受けたし
最終的には、何があっても僕はその人の優しさを守ってやろうと思うに至った。

自分でも変な使命感、感情だったと思う。



理不尽なことを求められても
結局はその優しさで受け入れてしまう。

当時の僕には、
「なぜそこまで?」
と思うことまでも
全部引き受けてしまう。

そんなことがあってはならない。
僕が、何とかしないといけない。
守ってあげないといけない。




近距離にいる人のために、
そこまで思ったのは
それが初めてであり、
それが最後だったのかもしれない。


あれから20年。
いろいろコミュニケーションのテクニックも覚え
今やそれを教えるまでになったけど、

本当に人を思う心は
テクニックで表現できるものではない。


どうすれば上手くやれるか
相手に伝えるためにはどうすればいいか

その模範解答のようなモノは
あるのかもしれない。

でも、
本当に大切なモノは
もっと奥深くにある。


僕は、当時、
自分が見たこともない、考えたこともない
優しさに出会った。


僕の「奥深く」は
その優しさに触れて、大きく反応してしまった。


それは少なからず、僕の人生に影響を与え、
生き方、すら変えてしまった。


もし、あれがなかったら、
僕の人生は全然違うものになっていたはずだ。



僕は、優しさに、反応する。




また、あの優しさに、触れてみたい。