鹿児島大学病院は、子宮頸がんワクチンの患者さんを多数診察している病院の一つ。厚労省の指定病院になっています。
その鹿児島大学で、患者さんたちを診察し、治療した先生、髙畑克徳先生と髙嶋博先生の論文。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/33/1/33_9/_pdf
少し抜粋させて頂くと、その問題点が見えてくることだろう。
自己免疫性脳症の診断が難しい理由として考えられるのは,その症状が身体表現性障害(somatoform disorders)のそれと大変類似しており,神経学において一般に心因性で起こりやすいと言われる症状を呈していることが多いからである.本来,器質的疾患を除外しておこなわれるべき心因性疾患の診断が,解剖学的機序から考えうる神経所見と比べて不合理と考える神経所見があると,主治医がそれを根拠に積極的に心因性と診断をつけてしまっている.
中略
そのような中で,我々は,徹底的に自己免疫脳症を診断し,免疫抑制療法で治療することにより,一般的に心因性を示唆すると言われる患者の中に数多くの自己免疫性脳症が存在し,治療可能であることがわかってきた.さらにその神経所見を分析すると教科書的に心因といわれる症状に数多くの自己免疫性脳症の特徴が入り込んでいることが明らかとなった.
中略
当院では,子宮頸癌ワクチン接種後に出現した脳症患者も30例を超え,それぞれの特徴も明らかになってきた.一般的には,当院受診前は,出現している症状を心因性のものと判断され,抗不安薬等で加療され,それで改善しないものはストレスを減らすなどで対応するように言われ,それ以上の加療は行われないまま放置される.途方に暮れた患者は色々な病院を遍歴することになり,最終的に我々のところにたどり着くといったケースがほとんどである.
抜粋は以上。
PDFで全文読めるので、ぜひ読んで欲しい。
厚労省の方々はもちろん、製薬会社のGSK社とMSD社の各関係者にも是非。