1月五日は、暦の上で「小寒」です。
これから、いよいよ冬本番と言ったところでしょうか。
今回のテーマは、エコノミークラス症候群についてです。
エコノミークラス症候群って何?
最近、「エコノミークラス症候群」という言葉をよく耳にしますね。
じつは、飛行機に乗らなくても身近な事で起きる病気です。
エコノミークラス症候群は、飛行機のエコノミークラスに乗っていた人が、到着後に急に具合が悪くなり死亡するという事故が相次いだことや、ワールドカップの前に、サッカー選手がこの病気を起こしたことなどで
トピックスとして広く知られるようになりました。この病気は長時間、同じ姿勢で座ったままでいると、脚の静脈の血が流れにくくなり
膝の裏あたりの静脈に「血栓」(血の塊)ができる事があり、それによって
起こります。
立ち上がって歩き始めた瞬間に血栓が血流に乗って流れ始め、肺まで流れると、血管が詰って、「胸の痛み」や「息苦しさ」などを感じます。
多くは、到着間際の機内や到着した空港で発症しますが、フライト後2週間以内に、旅行先や、帰宅後に自宅で起こることもあり最悪の場合呼吸困難に陥って死亡する事もあります。
今回はこのエコノミークラス症候群の原因と予防法について説明して行きましょう。
昨年の、熊本地震の時に車で避難生活中の方がエコノミークラス症候群によるとみら
れる肺塞栓(そくせん)で死亡されたのは記憶に新しいところですね。
エコノミークラス症候群は、飛行機のエコノミークラスだけで発症するのではなく、今回のように自動車の中で長時間同じ姿勢をとっていたりしても発症します。
原因
血栓ができるのは「長時間の足の運動不足」と「乾燥」が原因と考えられます。
①「長時間の足の運動不足」・・血液は、筋肉の収縮運動で足から心臓に戻ります。
長時間、足を動かさないままでいると、血液の流れが滞って、血液の塊ができやすくなります。
②「乾燥」・・・機内の湿度は5~15%とたいへん低く、砂漠より乾燥した状態です。この湿度では普通、1時間に80ccの水分が体から失われます。このような状態で水分を補給しないと、血液が濃くなってドロドロになり血栓ができやすくなります。
症状
軽い場合は、片側の足のむくみや痛みがあります。
この症状はすぐに分かることもあれば、時間が経って分かる場合もあります。
重症例では足にできた血の固まりが肺に詰まり、息が苦しくなり、胸の痛みを訴えて失神することがあります。
足のむくみはわかりにくいのですが、片足の膝の裏あたりが腫れて痛いというのが他の痛みとの違いです。
細かい数値は、省きますが大阪大学大学院の調査で、テレビを1日に2.5~4.5時間見ている人よりも4.9時間以上見ている人の方が2.5倍、2.5時間~4.9時間見ている人の1.7倍発症しやすいと言う分析もあるようです。
予防法
①水分補給
●1時間ごとにコップ半分ほどの水やイオン飲料、ジュースを補給する。
●アルコールやコーヒーは、利尿作用があり脱水の原因となるので飲み過ぎないように注意する。
②足の運動
●1~2時間毎に席を立って少し離れたトイレへ行く。
●スペースを見つけ、軽く足の屈伸運動をする。
●座席では、かかとの上下運動を1時間に3~5分程度行う。
●時々足を伸ばし、血行が悪くなるので足は組まないようにする。
③その他
●ゆったりとした伸縮性のある衣服を着る。(ウエストなどを締め付けない。)
今年も、不定期ではありますが健康情報を、更新して行きたいと思っています。
皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。