日本がOECD諸国を代表する「小さすぎる政府」になっているのは、どの指標をとっても明らかです。
公務員数が異常に少ないことも、明らかです。
人口千人あたりの公務員は、日本32.0人(08年)に対して、アメリカ78.2人(07年)です。
ちなみに、フランス88.8人(06年)、イギリス77,8人(07年)、ドイツ54,6人(07年)です。
学習の友社が出している『2010年国民春闘白書』で、OECDが発表している国際標準産業分類における「公及び国防、強制社会保障事業(Public administration and defense; compulsory social security)」から、人件費対GDP比の国際比較をしていました。
最新のデータは2007年で、数字が発表されているのは23カ国です。
(1)デンマーク16.9%、(2)スウェーデン15.1%、(3)フィンランド13.0%、(4)ポルトガル12.9%、(5)フランス12.8%、(6)ノルウェー12.3%、(7)ベルギー11.7%、(8)ハンガリー11.5%、(9)ギリシャ11.1%、(10)イギリス10.9%、(11)イタリア10.7%、(12)スペイン10.2%、(13)アメリカ9.9%、(14)ポーランド9.6%、(15)アイルランド9.3%、(16)オランダ9.1%、(17)オーストリア9.1%、(18)チェコ7.6%、(19)韓国7.3%、(20)ルクセンブルグ7.1%、(21)ドイツ6.9%、(22)スロバキア6.8%、(23)日本6.2%
日本は、23国中最下位です。
公務員をこれ以上減らせば、国民生活への影響は、避けられない。
削るべきは、平成22年度でも総額319億4100万円に及ぶ政党交付金です。
議席で居眠りしてても、議席を持っていれば多額のお金がもらえるなど、虫が良すぎ。
そんな議員を、議会に送った有権者も責任とって欲しい。
総額319億4100万円に及ぶ政党交付金削って、福祉財源などにまわすべきでしょう。
福祉の現場などは、慢性的人手不足です。
仕事に見合った待遇がないので、結婚して子どもだって欲しいという人は、二の足を踏んでしまう。
この人たちの待遇改善費に回すほうが、よっぽど国のためです。
総務省の政治資金収支報告書で、1995年から始まった政党助成金の総額が2004年までの10年間で3125億9600万円に達することが明らかになっています。
この一部だけでも回していたら、どれだけ事態は改善できたことか。
冷静に国際比較のデータを見比べ、自分たちの国の状況を客観視することから始めるべきです。
根拠なきバッシングは、無意味な熱狂を煽るだけ。
選挙公約は「無駄を減らせ」の大合唱だったが、「無駄のない社会」などそもそも存在するでしょうか。
無駄と有益の客観的な境界線なんて、存在しない。
何が無駄で、何が有用かは、個々人の好みや価値観の問題です。
その境界線をどこに引くかが「政治闘争」であって、政治には終わりなどないです。
私たちの生活から無駄をなくしたら、ものすごく味気ないものになるでしょう。
食べられたら良い、着られたら良い、住めたら良い、これでは野生生物段階の生活とかわらないでしょ。
適度な無駄は、生活に豊かさと潤いをもたらします。
おいしく食べ、着こなしを楽しみ、気持ちよく住む、これこそ、人間らしい生活の最低限でしょ。
行き過ぎた無駄は、家計を圧迫するだけかもしれないけど。
行政でも、決め細やかな対応は、効率や能率だけ追いかけたら真っ先に切り捨てられてしまうでしょう。
多少のゆとりをもってこそ、速やかで細やかな対応も可能になります。
このゆとりは、効率や能率だけ追いかけたら無駄としかみえないでしょう。
よって「無駄が全くなくなったら増税」という論理は、成り立たないです。
「無駄がなくなるとき」は、政治がなくなるときです。
そんな時は永遠にやってこないし、やってくるべきでもないです。
効率や能率ばかり言い立てる人が見たら、神の国は無駄だらけ。
すべての人はきめ細かく社会によって支えられるのが、神の国。
増税のタイミングは、最終的に指導者の決断次第ですね。
しかし、国民が納得できるには為政者が信頼できないと、絶対無理ですけど。