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そんな韓流映画のようなタイトルの今日の記事。
YAMAHA SBV-550
シリアルナンバー:HZ27104
大学3年の春、古本屋でたまたま買ったベースマガジン(愛読しています。インタビュー受けたいです)のバックナンバーにこのシリーズの特集が載っていた。「安くてもモノがいい」との事で岡野ハジメ氏がこのベースの魅力について語り倒していたり、開発者や愛用しているベーシストのインタビューが載っていたりファンからすれば涎モノの記事だった。
その時は何の感慨もなく、特に欲しいとも思わなかったこのベース。僕の人生を変えた出会いは翌日だった。何の気なしにバイト先の上司に「あのシリーズいいらしいですね」と話した所、何と数本入荷するとの事。買ってしまえと薦められはしたものの、ムスタングベースを愛用していた僕は気乗りしないままSBVの入荷を待つ事となった。
数日後、閉店後にヤマハから届いた段ボール箱。蓋を開けてみるとそれは目にも鮮やかなサーフグリーンのSBV-550。その色はポップさを醸し出し、いざ現物を目にしても僕は果たしてこの色が僕に似合うのだろうか、等とおよそ前向きでない感想を抱いた程であった。
とりあえずアンプにつないで音を出してみる。ふむ、悪くない。
数日後、サークルで新入生の顔見せライブのために組んだCoccoのコピーバンド、そこで初めて他の楽器と音を重ねた。
「音が太いなあ」「喉の辺りに低音がズンズンくるんですけど」
バンドメンバーだった先輩や後輩のリアクションがいつもと違う。自分のベースの音に対して周りがこんなリアクションをとるのは初めてだ。
何かが違う、と思った瞬間だった。
結局、それまで使っていたムスタングでは出せない音がこのベースでは出ると気づいた僕はこのベースに夢中になり、その時から今に至るまでほとんどの演奏をこのベースでこなしている。
ピックアップは同社製の海外産、フルカワミキモデルに搭載されているものに載せ換えられ、配線からペグ、ブリッジに至るまで全てが交換されたこのベースは非常に思い入れの強い一本だ。
やる気にさせられる音であり、癖になる音である。攻撃的で、有無を言わさぬ音。これとサンズアンプがあればとりあえず満足。
試行錯誤を繰り返しながらも僕を育ててくれたこのベース、まだまだ性能を引き出せていない。ずっと大切に使っていきたい一本である