恋の軌跡は時間と共に


薄まっていく



普段の生活の中では思い起こすこともない


それでもこんな曲を聴くと



「嫌いと普通と大好き」



普通と大好きの間にもなにか感情があるはず


なにか別の感情が






その人とは仕事で時々会うことがあった


会うと言っても月に一回位かな


会うたびに世間話をして


年上が良くて西島秀俊が好きと言っていた


同い年に告られても興味がわかないと




帰ろうとするとまだ話し足りないからもう少し居てと


凄い雷があった日は 怖いからしばらく居てと言われたり




ある冬の寒い日に


明日休みだからアパートの家賃払いに行きたいけど


道路が凍ってて運転が怖いから


車に乗せて欲しいとお願いされた事があった


少しくらいならと


その日は彼女を車に乗せて


銀行に向かった


その後は服屋さんに行きたい


ドライヤーがみたいから電器屋さんにも


小物もみたい


結局一緒にたくさんお店をまわった


その日は夕ご飯を食べてサヨナラをした



それから何回か仕事で会ったある時



彼女から


仕事を辞めて実家に帰ると言われた


お父さんがいつも心配してるし


早く実家に戻って来いと毎回も言われて





彼女とは仕事で会った間柄


若いという印象しかなかった


けれど一緒にいると会話も弾むし楽しかった


あの時自分に好きと言う感情があったかは実際の所分からない




地元に帰って仕事見つけるね


引っ越しする前日に彼女からメールがあった




彼女とプライベートで会ったのはあの日だけ




冬の寒い日に彼女がお店の掃除をしていたとき


ちょっと~ 手が冷たいんだから


と言って自分の手を握ってきた


彼女の手は本当に冷たかった


冷たくて小さな手だった






【SWEET MELLOW R&B】
Marc Nelson - I Want You (1991)