栗東のもんぺおばさんこと中井さんのお祖母サマ雪子サンは
遺影の中からさぞびっくりされたことでせう。
ある日、生前お住まいだった築280年の静かなお屋敷のお座敷をガババッと開け放ち
見ず知らずの誰かがガシガシ掃除しまくり、
長く弾く人の居なかったピアノをガッチャンガッチャンならし(残念ながらその場にまともに演奏できる人は居なかったんで)
蔵の中から皿やコップを引っぱり出してそれを包んでた大正9年の新聞にケタケタ大受けしたと思いきや
数日後に久しぶりにお座敷にずらずらとお膳が並んだのでした。
そのお料理は明治のハイカラさんだった雪子サンが愛読していた
「常磐 西洋料理」約100年前の西洋料理の指南書。
二〇一一年 五月 四日 (水 祝)
そのレシピを再現するイベントをしました。
おまけに雪子さんの仕事の後輩だったヤマモトさんがいらして、
「本当にすごい人やった」と。
生前のお仕事ぶりを語って下さったのでした。
最後に大正琴の進化形「ビオリラ」のコンサートで締め
中井さんご夫婦とそのお仲間のいつもの素晴らしき役割分担で
お日柄もよく楽しき一日でした。
<メニュー>
・ミートパイ(今で言うポットパイ)
・キャロット(生人参)サンドウィッチ(簡単で意外にオイシい!)
・ポークソーセージ(ついつい「ハンバーグ」と言ってしまう。ハンバーグです)
・キューカンバー イン クリーム(ゆでたキュウリにホワイトクリーム。斬新)
・クッキー(ソフトクッキー)
・ジンジャーエード(ショウガに夏みかんは絶品)
「もんぺおばさんの明治時代の西洋料理指南」イベント開催までの道のり
数日前…
メニューを決めて、本の通りのレシピで再現してみました。
当時はもちろんオーブンなんてなくて、本には「金物屋でこういう箱形を作ってもらえ」と。
今回、マキゾーさんは不要になったオーブンの底を切り抜き、下から七輪で温めるというスゴいリサイクルアイデアのオーブンが完成!
ソソるきつね色!!
間違えて作るはずのメニュー外のレシピのソースを作ってしまいました。
ノンオイルのマヨネーズ。
皆がオイシい!!と絶賛。ヘルシーだし、「これ、売ったら!?」というほど。
京都新聞と毎日新聞の取材。
毎日新聞の記者さんは以前、「ノコギリ演奏」の取材でお会いした方で、
あの時の記事も読んでてプッと笑っちゃったのですが、今回もユーモア溢れる記事で面白かったです。
メニューは西洋料理と言うには私たちにもなじみのないレシピだったりしたのですが、意外に思った以上に美味しかったです。分量やコツなど詳しく載ってないポイントなど調整し、当日の手順を決定。
前々日。お屋敷の掃除。
ガシガシみんなで拭いて拭いて拭きまくって、休憩。
掃除しながら中井さんのおじいさんやおばあさんの本を開いたり、写真を見たり。
蔵の中の食器を包んであった新聞。
なぜか岩手新報。「神前結婚を奨励」てか。
乙女チックに香水の広告。良き時代だったよう。
はかなき満州国の時代。。。なんてこの時代の人は思いもしてなかったろう。
また100年経ったら今の私たちのやってる事や作った物が伝わってたらいいですね。