十戒の石版

魔術師パラケルスス
時計2016/10/24 20:55

 1500年前にモーセの十戒を刻んだとみられる石板が来月、競売にかけられることになった。購入者は公の場で展示することが条件という。

競売を主催するダラスのヘリテージ・オークションズによると、石板は61センチ四方の正方形、重さ90キロの白い大理石製で、十戒を記した現存のものとしては最古とみられている。ただ現在の所有者は、原本ではないと強調している。入札価格は25万ドル(約2600万円)から。

十戒はサマリア語で刻まれている。ヘリテージによると、ローマまたはビザンチン時代後期に当たる紀元300─500年の時期に製作され、古代のシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)の入り口に設置されていたが、シナゴーグがローマ人の手で破壊された公算が大きいという。

2005年に石板を入手したニューヨークの「リビング・トーラー博物館」によると、石板は1913年、イスラエルで鉄道工事を行った際に発見された。
(Reuters より) 

確か十戒は旧約聖書によれば『神の意思が記されたもの』であり、モーセ、その他の所謂人間が考えたものではないという。
(石版は二度神から渡されているとされ、最初にモーセが受け取ったものはモーセ自身が叩き割っているという)

その意味でキリスト教の各宗派が宗教資産として引き取りをせず(購入者に条件が課せられているが)条件を守ればあとは金次第のオークションで取引されるというのは神の意思である十の戒律より石版(しかも原本じゃないっぽい)の方が価値(重み)があるんかいと思えてしまう。

つまり、教えそのものより教えを伝える手段に過ぎない『文字』を記した媒体(ぶっちゃけ石ころ)を大事にしているようでとっても滑稽だ。

或いはレア品、歴史的価値という視点で購入したい人もいるだろうが、なるべくなら敬虔なクリスチャンの手に渡るべきかなーと思ったり。

・・・と、クリスチャンでもないオレがこれ以上皮肉るのも何なので私見はここまでにするが、十戒の内容は何ぞやと思ったので話の種として以下に紹介するとする。

■正教会・プロテスタント(ルーテル教会以外)の場合

1.主が唯一の神であること

2.偶像を作ってはならないこと

3.神の名をみだりに唱えてはならないこと

4.安息日を守ること

5.父母を敬うこと

6.殺人をしてはいけないこと

7.姦淫をしてはいけないこと

8.盗んではいけないこと

9.偽証してはいけないこと

10.隣人の家をむさぼってはいけないこと


■カトリック教会・ルーテル教会の場合

1.わたしのほかに神があってはならない。

2.あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。

3.主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。

4.あなたの父母を敬え。

5.殺してはならない。

6.姦淫してはならない。

7.盗んではならない。

8.隣人に関して偽証してはならない。

9.隣人の妻を欲してはならない。

10.隣人の財産を欲してはならない。


蛇足

今回、(キリスト教の)神の話題になったので一度は書いておきたかったことをこの場を借りて以下に書くとする。

仮に全知全能の神というものが存在し、その神が人間を作ったとしたなら何で神は人間という不完全な存在を地球という箱庭に作ったのか、そして神は人間に何をさせたいのか疑問に思った人は他宗教信徒、無宗教派、更にクリスチャンの中でも多数いるだろう。

オレは44年生きてきて意外にもその疑問に対し明確な意見を見かけたことがないのだが、もし『神の行いの真意は計り知れるものではなく、人間がそれを追求してはならない』として考えるのを止めたらそれはただの思考停止である。

その考えから、神が用意した地球という名の舞台で運命という名の神の操る糸に翻弄され操り人形のように考えることも許されず壊れるまで踊らされるのだけは真っ平御免だわ。

オレは別に神がいようがいなかろうが自分が生きていくのに全然支障がないのですぐこういうこと考えてしまうが・・・まぁ考えるだけならバチも当たるまい。(笑)