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2011-12-24 22:25:22

'11回顧 ①-③

テーマ:ブログ
保守派からも

これまで脱原発運動を〝左派〟が担っていたことから、保守派は〝反・反原発〟の傾向が強かった。3・11後も推進・容認論が大勢だったが、保守こそ原発に反対すべきだとの意見もあった。


評論家西尾幹二は 「WiLL」 8月号の論文で、原発は 「国民の安全を考慮せず、国土の汚染を無視」 すると、脱原発を主張し保守派を動揺させた。北海道大准教授(政治学)の中島岳志は雑誌やネットで 「保守主義は人間の知性の限界に向き合う。人間が不完全である以上、安全な原発などない」 と論陣を張った。




農業や医療、社会保障などに影響を及ぼす可能性があるTPP問題で国論は分かれた。財界や全国紙の多くが交渉参加表明を歓迎する一方、国会は保革を超えて反対派が結集、東北や沖縄などの地方紙は慎重さを求める社説を掲げた。TPPが日本の国益に反するとした京都大准教授(経済学)の中野剛志 「TPPと亡国論」 (集英社新書)はベストセラーとなった。



原発もTPPも国難と言うべき状況を生んだ。言論の責任はかつてなく重くなっている。


保守論客の谷沢永一、米国史研究の猿谷 要(さるや かなめ)が鬼籍に入った。
(敬称略)






岩手日報・日刊
2011年12月24日付

文化 13面
2011-12-24 21:48:10

'11回顧 ①-②

テーマ:ブログ
科学への懐疑

東京電力福島第1原発の事故は近代社会の存立基盤を問うこととなった。復興構想会議の特別顧問を務めた哲学者梅原 猛はいち早く事故を 「文明災」 と呼び、会議では 「原発で生活が豊かになったが、その文明が裁かれている」 と位置付けた。


様々な文明論が提出された。東京外国語大教授(思想文化論)の西谷 修は 「世界」 5月号で、原発は地球資源や環境の 「限界を突破する」 ための産業文明の欺瞞であり、日本人は 「『文明の実験』のモルモットになっている」 と警告した。


人類学者中沢新一は 「日本の大転換」 (集英社新書)で、原子力は地球の生態圏にはない 「外部の自然現象」 だと指摘。火、石炭、石油と経たエネルギー革命で唯一異質で、原子力と人類の共存の不可能性を強調した。


原発事故は科学への懐疑にもつながった。在野の物理学者の 山本義隆 「福島の原発事故をめぐって」 (みすず書房)は近代の科学万能幻想を批判的に検証、官僚と電力会社による独占体制を 「原発ファシズム」 と言い切った。



また放射線の危険性を訴え、〝原子力村〟から排除されてきた京都大原子炉実験所助教の小出裕章の 発言は 「原発のウソ」 (扶桑社新書)をはじめ、注目を集めた。



作家大江健三郎らが 脱原発デモを組織するなど、行動に立ち上がった知識人も多かった。






岩手日報・日刊
2011年12月24日付

文化 13面
2011-12-24 21:36:17

'11回顧 ①-①

テーマ:ブログ
「3・11」 が文明に警告

TPP問題は国論二分


東日本大震災は巨大な自然災害だったとともに、文化や精神をも襲った激震だったと言えるかもしれない。「3・11」 は議論を百出させ、言論は覚悟を問われた。

また、環太平洋連携協定(TPP)問題も日本を揺さぶり、議論が沸騰した。






岩手日報・日刊
2011年12月24日付

文化 13面

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