正義の味方考〜ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー | Love Guide Blog

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石田陽子のブログ

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「スター・ウォーズ」最新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を公開初日に観てきました。シリーズ第1作目にあたる『エピソード4/新たなる希望』の直前までが描かれる“アナザー・ストーリー”なので、壮大な物語の入口として予備知識がなくても、すんなりと世界に入っていけます。このクリスマス三連休にも、多くの人が劇場に足を運んでいるようです。

 

 

(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 

 

物語の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前。レイア姫がR2-D2に託した帝国軍の最終兵器「デス・スター」の設計図は、いかにして反乱軍の手にもたらされたのかが明らかになるストーリーです。無法者たちによる反乱軍の極秘チーム<ロ―グ・ワン>に加わった女戦士ジン・アーソは、様々な葛藤を抱えながら不可能なミッションに立ち向かうのですが……。

 

そもそも『スター・ウォーズ』は『七人の侍』など黒澤監督作品の影響を受けていたり、伊達政宗の兜がダース・ベイダーのマスク(?)というかコスチュームのベースになっていたりして、混沌としたなかに日本的なものを感じられるというのも不思議な魅力。

 

本作も<ローグ・ワン>の一員として活躍する盲目の強い僧侶チアルート・イムウェが闘う姿は「座頭市」のようでした。そして、究極兵器デス・スターの設計図を奪うという97.6%生還不可能なミッションに挑む反乱軍の寄せ集めチームの戦いっぷりは今年話題になった大河ドラマ『真田丸』を思わせるものもありました。(チアルートの相棒、ベイズ・マルバスの赤い甲冑とかもあって)

 

 

↑これこれ。存在感あるダース・ベイダー。(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 

 

スター・ウォーズというと親と子と葛藤と愛がテーマにあって、今回 揺さぶられたのは希望を繋ぐため、自己犠牲もいとわず戦った“侍”のような<ローグ・ワン>メンバーの戦いのドラマです。寄せ集めの、はみだし者の集まりだとしても、それぞれに信念があるから味方を信じることができるということ。宇宙全体を脅かす戦闘の中でも描かれるのは犠牲を払ってでも手に入れたい「希望」だったり「自由を求める気持ち」なのです。

 

また改めて強く感じたのは、正義の味方の側に、つねにあるのは葛藤だということ。自分の思い通りにならない、自分と違う考え方をしたからといって迷いなく相手を消せるヒーローは、その時点でヒーローでなくなります。本当の意味で正義の味方というのは、「自分と違う考え」=迷いなく「敵」にしない人。

 

戦いになると善も悪もなく、どちらの側だって綺麗事など言えなくなるけど、正義の味方に対しての「悪」の側、たとえばスター・ウォーズだと帝国軍において裏切り者、都合が悪い存在はあっさり処分されてしまいます。暗黙のルール(掟)を作って、そこからはみ出す存在は絶対に許さないというのが悪の法則。

 

仲間を信じない「悪」に対して、ヒーローは、信念があるからこそ悩んだり、葛藤に苦しむのです。自分を信じるというのは、うぬぼれることでもないし、自分の考えを正当化して他人に押し付けることでもありません。他者を仲間と見なして、自分を他者を信じることができれば自分の居場所がここにあると実感できるし、自分のことも他者のことも勇気づけることができる。

 

自分のことも、目の前にいる人のことも信じて、勇気づけていけたら希望を失うことなく生きていけるはず……そう思うのでした。

 

 

(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 

 

 

 

作品情報:『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

12月16日(金) 全国ロードショー

公式サイト:http://starwars.disney.co.jp/home.html

 

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