ECBのマイナス金利はもろ刃の剣③ | マクロ経済のブログ

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株式市場で注目されそうな経済のニュースを取り上げています。個人的な独断が多少入っていますが(^^)

たまにはオリジナル記事も書かないと手抜きと思われてしまいそうですね(笑)

 ECBがマイナス金利導入に追い込まれた背景には、リーマン危機以降、FRBなどが景気の底割れを食い止めるために、積極的な金融緩和を行い、世界中にドルをばらまいたことが影響していると考えています。

 QE1とQE2で2兆3250億ドルもの資金がばらまかれ、米国のマネタリーベースが3倍くらいに膨張したと記憶しています。

 当初、大量のドルは金融緩和に消極的な日本の円を標的にして大幅な円高をもたらし、2011年10月31日には75.52円という戦後最高値をつけました。

 覚えている方もいると思いますが、当時の安住淳財務大臣はこのタイミングで大量の市場介入に踏み切り、瞬時に79円台まで円が下落したことがありました。

 それにしても安住さんはトレードが上手ですね。国会議員辞めてトレーダーに転職したらもっと稼げるかもしれませんね(笑)

 冗談はこれくらいにして、大規模介入の後、他国からブーイングがありまして、これ以後は介入は行われなくなりました。

 しかし2012年暮れの総選挙で、自民党総裁の安倍晋三は、大胆な金融緩和を選挙公約として、日銀執行部を金融緩和に積極的なメンバーに交代、結果として円への超過流入は収まりました。

 日銀の立ち位置が変わり、円買いを仕掛けにくくなった投機マネーは、金融緩和に消極的なユーロを標的にするようになり、ユーロ高を招くことになり、今回のマイナス金利導入となった。

 スイスフランやスウェーデンクローネなども買い進まれていたが、経済規模が小さく出回っているお金も少ないため、まとまった資金で売買するヘッジファンドは大きく仕掛けることができないこともあります。

 米国の金融緩和に続いて日本の量的緩和も加わることで、今日の日経ヴェリタスにあるリスク資産の買い漁りを招いている一面はありそうですね。