米Appleが10月25日(現地時間)に発表した第4四半期(7~9月)決算は、売上高は前年同期比9%減の468億5200万ドル、純利益は19%減の90億1400万ドル(1株当たり1.67ドル)と3期連続の減収減益でした。
前期に続き、iPhoneの売上高の減少となりました。
売上高はアナリスト予測の468億9000万ドルを下回りましたが、1株当たり純利益は予測(1.65ドル)を上回りました。
粗利益率は38%で前年同期の39.9%を下回りました。
ティム・クックCEOは発表文で 「 iPhone 7およびiPhone 7 Plus、Apple Watch Series 2、そしてサービス部門への顧客の反応に興奮している。サービス部門の売上高は24%増加し、過去最高を記録した 」 と語りましたが言い方を変えれば何とでもいえます。
iPhoneの同四半期の販売台数は5%減の4551万3000台で、売上高は13%減の281億6000万ドル。
新モデルのiPhone 7/7 Plusが北米や日本などで発売されたのは9月16日。
iPadの販売台数は6%減の926万7000台でした。
iPadの販売台数は10期連続の減少。
売上高は横ばいの42億5500万ドル。
Macの販売台数は14%減の488万6000台で売上高は17%減の57億3900万ドルでした。
Appleは10月27日のイベントでMacBook Proなどの新モデルを発表する予定。
クックが主張したiTunes StoreやApple Music、その他のサービスなどの売り上げは24%増の63億2500万ドルで過去最高でした。
Apple Watch、iPod、Apple TV、Beats Electronicsなどのその他のハードウェア製品の売り上げは22%減の23億7300万ドルでした。
AppleはApple Watchなどの販売台数を公表していませんが、米調査会社IDCによると、同四半期のApple Watchの出荷台数は71.6%減の110万台。
地域別では、中国での売り上げが30%減でした。
日本では10%増の43億2400万ドルでまずまずです。
2016年通年では、売上高は8%減の2156億3900万ドル、純利益は14%減の533億9400万ドル(1株当たり9.22ドル)でした。
10~12月期の見通しについては、売上高を760億~780億ドル、粗利益率を38~38.5%程度と予測しています。
業績発表後の電話会見の冒頭でクックCEOは日本でのApple Pay開始について触れ、「 日本は以前からモバイル決済に馴染んでおり、Apple Payは急速に普及すると確信している 」 と語っています。
同氏はまた、Appleは長年にわたって機械学習 ( 人工知能技術の1つ ) をサービスや製品に採用しており、iOS 10やSiri、Apple Watchのフィットネス機能に生かされていると語りました。
人工知能 ( AI ) とプライバシーのバランスについての質問に対しては 「 ユーザーのためにAIを活用するには、ユーザーのプライバシーを犠牲にせざるを得ないと考える企業もあるかもしれないが、Appleはそうは考えない。時間はかかるかもしれないが、われわれはプライバシーをあきらめない。これは、プライバシーとセキュリティのバランスについての議論と同じだ。われわれは両方を確保する必要がある 」 と語りました。
米Piper Jaffrayのジーン・ムンスター氏が自動運転車について質問すると、クック氏は 「 うわさについては語れないが、ご存じのようにわれわれはあらゆる種類の製品で顧客体験を向上させる道を模索している。一般に自動車分野はテクノロジーで改革できる市場だ。だが、もちろん今日発表できることはない 」 と語りましたが、グーグルと同じ道を歩んでいることに間違いはなさそうですね。