今回発表の日銀金融政策決定会合は、今後の景気の予測をするうえで、重要な指標となります。
前回 -0.10%
前回 80兆円
日銀は本日の会合で、金融緩和強化のための新しい枠組み 「 長短金利操作付き量的・質的緩和 」 の導入を決定しました。
以下内容を書きますが、少し経済学の授業みたいな内容になりますので、心して読んでください(笑)。
最後に誰でもわかるようにまとめます。
【1】 長短金利操作 ( イールドカーブ・コントロール )
○ 金融市場調節方針
・日銀当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用。
ここは少し銀行に気を使った感じがします。
・10年物国債金利 ( 長期金利 ) が概ね現状程度 ( ゼロ%程度 ) で推移するよう長期国債の買入れを行う。
概ね現状程度の買入れペース ( 年間80兆円増 ) をめどとする。
○ 長短金利操作のための新型オペーレーションの導入
・利回り指定による国債買い入れ(指値オペ)。
・固定金利の供給オペを行うことができる期間を、現在の1年から10年に延長。
【2】 資産買入れ方針
○ ETFおよびJ−REITについて、保有残高がそれぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。
○ CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。
【3】 オーバーシュート型コミットメント
日銀は、2%の 「 物価安定目標 」 の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで 「 長短金利操作付き量的・質的緩和 」 を継続する。
「 総括的な検証 」 では、「 物価の持続的な下落という意味でのデフレではなくなった 」 との認識も示されています。
デフレではなくなったと、ここ20年弱ではじめて明確にコメントしましたから、これはポジティブに作用します。
今回新たに 「 長短金利操作付き量的・質的緩和 」 と命名された金融政策の肝は、「 イールドカーブ・コントロール 」 と「 オーバーシュート型コミットメント 」 です。
経済用語のオンパレードで、ややこしいですね(笑)。
今までの金融政策では、物価目標の実現に向けた具体的な方策の第1項目としてマネタリーベースの増加を目指してきましたが、今回からは長短金利のコントロールを主眼に置き、「量」から質というか 「 金利 」 に軸足を移しました。
また、オーバーシュート型コミットメントで、物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続するとし、緩和解除の条件をより明確に示すことによって時間軸政策の強化を図っています。
要は、やれるまで永久にやってやるぜ!と言っているのです。
日銀は今回、ETFの買入れについて下記のような見直しも行っています。
※見直し前
銘柄別の買入限度は、3指数(TOPIX、日経225、JPX日経400)に連動するETFを対象に、銘柄毎の時価総額に概ね比例するように設定。
※見直し後
銘柄別の買入限度は、日本銀行による買入れが以下のとおり行われるように設定。
年間買入額5.7兆円のうち、3兆円については、従来どおり、3指数に連動するETFを対象に、銘柄毎の時価総額に概ね比例するように買入れる。
残りの2.7兆円については、TOPIXに連動するETFを対象に、銘柄毎の時価総額に概ね比例するように買入れる。
要は、225型からトピックス型にチェンジするということ。
(まとめ)
上記内容は読み飛ばして、ここだけ読んでくださって結構です(笑)。
短期金利へのマイナス金利の導入は、長期金利や超長期の金利をも押し下げ、運用環境の悪化による金融機関の収益悪化が顕著でした。
また、イールドカーブ・コントロールも金融機関の収益悪化に一定の歯止めとなることが期待できます。
日銀はTOPIX型ETFの買入額にも言及しており、時価総額が大きな金融株は需給面でも恩恵を受けます。
以上のことから、本日はマイナス金利を触らず、これによって銀行株が爆上げしましたよね。
マイナス金利をさらに事態によってはマイナスを大きくする、と黒田さんが事前に言っていましたので、これがまさにサプライズ部分となりました。
黒田さんの発言パターンは、もう見えてきました。
彼は発言にわざとギャップをつくるのです。
今回はマイナス金利増大と言っておいて、やらずに逆に金融株に有利な新政策を打ってきました。
完全に天邪鬼です^^
ギャップをつくって心理を煽るのは、彼の帝王学なのでしょう!
(さらにまとめます
今日のメインセクターは、銀行を中心とした金融株です。
ここがサプライズでした。
あっ、先月末の名古屋投資家交流会で、個別株をやってる人に 「 やるんだったら、銀行株を買っとけばいいよ!」 とお伝えしたのを思い出しました。
黒田さんのその後の記者会見でも、ここ10年いや3年弱の日銀の金融政策は間違っていたと総括せずに、強気でしたね。
物価2%も断固として今後も否定しないし、やれなかったお詫びもないし。
そうせざるを得ないというか、もう引くに引けないんでしょうね。
量的緩和で通じなくなった経済。
質的緩和でこねくりまわす感じがしました。
経済って、昔と違って国策も通じなくなってきて、ますます誰も先のことは分からない時代に突入してきた感じがします。
経済学は本当に難しくもあり、だからこそとても探求するにはやりがいのある仕事です。
高校時代から好きになり、大学で探求し、今に至るまで研究し続けても答えがないから本当に楽しいです。
今後の先行きは個人的にはこうなるだろうなぁ・・・というのはありますけどね。
ここでは言いません。
会員さんにだけお伝えします。
日経225先物 無限攻略の225 えびすでした。