旬のサクラエビ求め6万人 由比漁港で恒例のまつり
サクラエビの春漁で沸く静岡市清水区由比今宿の由比漁港で3日、恒例の由比桜えびまつり(由比産業振興会主催、静岡市後援)が開かれ、駿河湾の幸を求める県内外の約6万人の行楽客でにぎわった。
中でも活気づいたのは、由比港漁協女性部らが調理したサクラエビのかき揚げの販売コーナー。大漁旗が掲げられた売り場は朝から長蛇の列ができるほどの盛況ぶりで、やっとの思いで購入した家族連れは満足げな表情で熱々のかき揚げをほおばっていた。
同漁協青年部による「活(い)きサクラエビ」の紹介をはじめ、由比地区の倉沢沖の定置網漁でとれた鮮魚のチャリティー販売、駿河湾を遊覧する体験乗船も行われた。かんきつ類や練り製品、生シラスなど由比名物を並べた出店が軒を連ね、来客の人気を集めた。
サクラエビより人出のほうが多いんじゃないかと・・・
【おまけ】
サクラエビについて調べてみたら、意外な事実が。
サクラエビは、日本一深い湾である駿河湾においてのみ漁獲の対象とされます。食品としては馴染み深いサクラエビですが、その生態に関しては不明な点が多く残されています。
飼育することにより生態の一端を解明しようと試みても、通常の表層海水ではサクラエビの飼育は困難でした。
表層海水を利用した試験では成体で30日、ふ化からは59日という飼育記録が最長でした。
そこで、水産技術研究所では、低水温性、清浄性等を特徴に持つ駿河湾深層水を飼育水に利用することにより、サクラエビの飼育を試みました。
その結果、採取日の平成16年5月12日から11月13日まで185日間という成体エビの長期飼育に成功しました。
サクラエビの寿命は約15ヶ月ですので、一生の1/3以上を飼育したことになります。
更に、卵からふ化した幼生を飼育したところ、平成20年9月9日から12月1日までの84日間生残し、飼育記録を更新しました。
今後は、今まで謎に満ちていたサクラエビの生態解明や、水族館における展示用、活魚・鮮魚のストックとしての利用等、駿河湾深層水の利用方法に期待が持てます。