毎年8月には、市の指定病院に健康診断を受けに行っています。
会社勤めの頃は、会社の健康診断を受けていましたが、離職してからは市の健康診断です。

一般的な身長体重血圧、血液検査尿検査の他に、オプションで肺がんや大腸がんの検診も受けられます。
私は3年前のこの検査で、大腸がんの疑いがあると言われ、翌年2月に内視鏡検査を受け、ポリープを切除してもらったところ、がんが見つかりました。
幸い、極く初期だったので、切り取っただけで済みました。
今は経過観察中の身の上です。

この病院は、夫もずっと昔から行っている病院です。
そういうわけで、健康診断は、夫と二人で毎年ここに行っていました。

去年、健康診断を受けるに当たって、もう無理なんじゃないかと思い、先生に相談しました。
先生が、とにかく連れてきなさいと言ってくれたので、去年も連れて行きました。
身長体重を測る時、サンダルを脱がせるのに苦労しました。
まっすぐ立たないので、ちゃんと測れませんでした。
尿検査で、お小水をとることができませんでした。

採血の時、針を刺されて一瞬驚いて不穏になりかけましたが、看護婦さんがとっても上手だったせいか、すぐ針を刺すことができ、その後はおとなしく採血を受けていました。
でもその様子を見て、来年はどうなのかなぁと危ぶんでいました。


さて、今年も健康診断の季節になりました。
ほんとに今年は悩みました。
ほとんど言葉を理解しないので、検査を受けられるとは思えませんでした。
また先生に相談しました。
今年もまた、とにかく連れてきなさいとのことでした。
やれる検査だけやりましょうとのことでした。

ケアマネさんにも相談しました。
このケアマネさんは、二人目のケアマネさんで、一昨年の6月からお願いしています。
ちょっとぶっきらぼうで、お世辞のない人ですが、親身になって相手のことを考えてくれる人です。
今回もこの話をしたら、当日朝、うちに来て手伝ってくれるとのことでした。

連れて行こうとしていた日は、先生の都合もあり、誰も来ない予定の日でした。
もしまたベッドから落ちていたりしたら、お手上げになる私は、ありがたくお願いすることにしました。

それが昨日のことでした。
約束通りケアマネさんが来てくれました。
起こして、昨日は紅茶ではなく麦茶を飲ませ、シャワーをかけ、いつもの手順で進めていきました。
身支度ができたので、ケアマネさんの車で病院へ行きました。
ケアマネさんは、ずっと付き添っていてくれました。
問診票に書き込みをしている間や、私の検査の時もずっと夫を見ていてくれたので、ほんとに助かりました。

今年も身長体重を測るところで難儀しました。
その後の採血が...。
今年は、暴れてしまって、どうしても腕に針を刺すことができませんでした。
看護婦さんが、4人がかりで押さえて、やっと手の甲に針を刺すことができ、そこから血をとりました。
全く聞き分けがなくなってしまった夫...。
見ているのが辛かったです。

その後は、胸のレントゲンでした。
技師の方が防護エプロンをして、夫に付き添ってくれました。
すぐ出てきたので、無事レントゲンは撮れたようでした。

尿検査は今年もできませんでした。
大腸がんの検査は、浣腸をした便では、腸壁を傷つけている可能性があり、正しい検査ができないとのことで、自然排便があったときの便をとらないといけないとのことでした。
難しいなぁと思っていると、先生がこう言ってくれました。

 知らない方がいいこともあるよ

仮に大腸がんの疑いがあると言われたところで、夫に内視鏡検査を受けさせるのは無理そうです。
私自身その検査を受けているのでわかるのですが、大量の下剤(ムーベン2リットル)を飲まないといけません。
これが夫には到底無理だろうと思われるのです。
疑いがあるけども、何もできない、まして治療もできないとなると、確かに知らないままの方がよさそうです..。
大腸がんの検査もあきらめることにしました。

認知症患者にとって、健康診断とは何なのでしょうか。
意味があるのかな..。
それとも、沢山の人達に余計な手間をかけさせるだけの、介護者の自己満足なのでしょうか..。

採血が終わった後、私は看護婦さんに言いました。
もう来年は無理そうですね..と。
看護婦さんは、いや大丈夫だから来年も連れていらっしゃい、やっぱり一年に一度は、血液の検査をして、どんな状態か知るのは大切なことだからと、言ってくれました。

迷惑かけて申し訳ないと思っていたので、その言葉に救われましたが、来年はどうしたらいいんでしょう..。
何か病気に罹って、それがひどくなって症状に現れる頃になってから、できる範囲での治療をする..その方がいいのでしょうか..。

悩みがまた一つ増えました..。


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