一方、2016年となり、春が近づいた頃には、

同じ3年前に出店した隣の「ジャミン」の新見 一太さんと、

「更新の時には大家さんに家賃を下げてもらうように交渉をしましょうね!」

「一人だけ抜けがけはナシですよ!!」

と、更新について一緒に作戦を立て始めていた…

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一太さんに、「鎌倉店やめるなんて言ったりしないでくださいよ!!」なんて、普段は冗談ぽく言っていたけれど、

一太さんが心の奥でほんの少し考えている事にも気づいていた…

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そんな4月中旬、あの夢を見て起きた日…

店に出勤して店長に話したのは…

「突然だけど、自分はまだ全く決めていないけど、ひょっとしたら隣のジャミンの一太さんは、鎌倉店を更新しないという選択肢を考えているかもしれないよ…」と話したのだ。

そして、それを話していたその時、恐ろしいタイミングでうちの店に一太さんが現れたんだ…

少し言いにくそうに一太さんは、

「松永君、突然だけどジャミン鎌倉店は更新しないかも…」

突然の発表ではあったけど、たった今話していた事だっただけに、

「驚き」よりは、

「ほらね!!」と同席していた店長に言ってしまったのを覚えている…

夢を見たあの日…

一太さんが来たあの日…

あの日がターニングポイントになった…

当たり前のように更新するつもりでいたけれど、

自分は、どんな事があっても更新するつもりでいたけれど、

「ジャミン」みたいな人気の店でも更新しないという選択肢があるんだな…

たまたま隣同士になったジャミンの一太さんは、

たまたま兄の高校の同級生で、

遅くに結婚した兄貴夫婦を引き合わせたのも、たまたま一太さんで…

たまたまを通り越して深いご縁を感じて…

ジャミンが、一太さんが、「テラスハウス」に出て活躍したりしているのも、とても近くで見ていて楽しくて…

でも、飲食業界はどこも料理人不足らしく、  

料理人がいなければ営業時間もまちまちになってしまうし…

というのが直接の原因のようだった…

ジャミンみたいに茅ケ崎にも藤沢にも店があって、

あんなに人気の店でも店舗の更新をしないという決断もあるんだな…

会社全体の成功を考えるなら、勇気ある撤退という決断もあるんだな…

もしも、自分もこの店舗を手放したとしたら…

そんな事を初めて考えてみたんだ…

Part4へつづく…