なぜおまえは四六時中、
俺のことを考えているんだ?



もふもふです~!!
カッコいい異世界の戦士にケモミミと尻尾があります~ラブラブ
しかも絵師さんが円陣闇丸さんなので、
そのカッコ良さも倍増ー!

異世界からきた狼族の設定はとても良かったですねー!
カッコ良さと可愛さが同居している感じだし、
結構食い意地張っているしww
なので狼族のキャラはとても魅力的でした。
お話も単なるもふもふの話ではなくて、
受けである聖明の影に潜む陰惨な事件が絡み、
シリアスとほっこり和みのマッチした話となっていますよ。

重すぎず、軽すぎずってやつですかね。


成瀬 かの著「獣の理」
獣の理 (ショコラ文庫)/心交社
¥689 Amazon.co.jp
満月の夜、古い一軒家で一人暮らす粟野聖明の前に、獣の耳と尻尾を付けた偉丈夫が現れた。聖明は異世界から魔法で跳ばされてきたその男・グレンが美しい狼に変身できると知り、「好きな時に好きなだけ撫でさせろ」を条件に、家に置いてやる事にする。誇り高く獰猛なグレンは全く懐いてくれないが、彼を餌付けしモフモフする日々は聖明の孤独を癒していく。だがそんな時、聖明の身辺で奇妙な事件が起こるようになり―。


聖明は住宅販売業者に勤務するサラリーマン。
ある晩、自宅の庭で一人酒を飲んでいるところに見慣れぬ姿の男性が立っていた。
まるでゲームの物語の中から抜け出してきたような出で立ち。
しかもその男性、獣の耳と尻尾までつけている!
コスプレか何かかと最初は思っていた聖明だったが、それが本物で、
しかもその男性ーーグレンが異世界からやって来た戦士だということを知る。
怪我をしたグレンが人型を保てなくなり、朝になったら狼姿で聖明の横にいたのだから
信じないわけにはいかない。

グレンは狼族の王様付きの戦士だったが、王とともに移動の最中、敵に教われてしまい、
異世界であるこの世界にやってきてしまった。
グレンの世界では魔術を使えるのだが、この世界では勝手が違う。
しかも怪我をしているグレンは力がいつもよりも出ないのだ。
そこで聖明はグレンの傷が癒えて元の世界へ戻れる術を見つけるまで
全ての衣食住を面倒みるので、聖明が望んだらいつでも狼姿になってもふもふさせろーーー
という交換条件を出す。
狼族にとって獣の姿をさらすのは恥をさらしているのと同じなので渋るグレンだったが、
聖明しか頼る相手がいない今ではこの条件をのむしかない。
かくして、聖明と異世界から来た戦士グレンの共同生活が始まった。

ところが、グレンがやって来たのと時を同じくして、聖明の回りで次々と不可解なことが起きる。
最初はゴミが家の回りにまき散らされていただけだったのが、
徐々にエスカレートしてきてしまい、部屋に不法侵入してきたり、
とうとう聖明自身も襲われたり・・・・。
襲われたときは間一髪で狼姿になったグレンが助けてくれたので犯人も捕まえることが出来た。
これで一安心と思ったもの、グレンが不法侵入してきた犯人はまた別にいる・・・と言い出してーーー。



突然現れたケモミミ尻尾つき男性に驚きつつも、
結構すぐにその状況を受け入れちゃう聖明。
最初は酔っぱらっていたってこともあるんだけど、
それにしても次の日だって、割と冷静に?対応していたような気がするのよね~。
以前可愛がっていた大型犬がいたせいか、
その大型犬よりも大きいグレンの狼姿にも臆することはないの。
もちろん変身していくところを目の当たりにして驚いてはいたけれど、
普通ならばもっともっとこの異常な状況に驚いたり焦ったりしてもいいはず・・・。
そこは物語だからなのかなー?なんて思っていたりもしたんだけど、
話が進んでいくと徐々に聖明の身に起こったある事件が浮かび上がってくる。
(グレンが最初に聖明の家に来た時に「血の匂いがする」と言うんだけど、
それと関係しているのだ)

そうすると、聖明がちょっと厭世的なのがわかってくるんだよね。


聖明って見た目はいいんだけどさ、
なんかちょっと若者くさくないというか・・・
淡々としているっていうか・・。
そのせいで、何か重いものを背負っているのは感じるんですよ。
グレンに狼の姿になれ、といっては嫌がるグレンにもふもふしては癒されているのだ。

グレンは自分の世界では誇り高き戦士。
本当はすぐにでも元の世界へ戻りたいけれど、
月が満ちなければどうやら帰ることができないらしい。
なので、この世界にいる間は、聖明の世話になるしかないので、
聖明のリクエストに応えなければならない。
聖明のちょっと不穏な過去と対比して、
こういうグレンと聖明のやりとりはとても微笑ましてく
ところどころほっこりさせられます。

グレンは狼族といっても、本当は人前では人型を保っているもので
獣の姿になるのは自分が弱っている時だけ・・・。
そして、獣の姿のままでいる時は、補食の対象となってしまうという
結構シビアな世界なのだ。
だからこそ狼の姿でいるってのはグレンにとってとっても不本意であることがわかる。

でも聖明に頼まれると断れない。
だっていつも美味しい料理を作ってくれるし。
そうなのよ~。
グレンってば、食いしん坊さんです。
聖明が可愛がっている野良猫のシロ・・・これが丸まると太っていて、
食べちゃダメなのかー?なんて聞いていたくらいだものww

聖明の回りで起こる事件もあってグレンは聖明を守ってくれるんですよね。
なので二人の間には信頼関係というか愛情関係というか
そういうのが芽生えてくるんだけど、
そんな時にグレンを探して仲間のリュドヴィックが異世界からやってくるのだ。
そうなると、聖明はちょっと疎外感。
二人が話している内容は異世界の闘いの話だし・・・。
リュドヴィックもかなりの美形さんで、もしかして当て馬かしら?
なんて思っていたら全然違ったww

リュドヴィックはイケメンなのにポジションは三枚目なので
かなりいいキャラで私は気に入ってます。
まー、この話に必ずしも必要なキャラだったか?と問われると疑問符がつくけれど、
それでも彼のおかげでグレンのいた異世界がどんな世界なのか
もっとわかりやすくなったというか。

彼もやっぱり狼族なだけに、ネコのシロにロックオンしていたのが笑えましたね。

ラストはグレンがこの世界にとどまるのか、それとも異世界へと帰るのか・・
そこに焦点が当たるわけだけど、
御都合主義であってもやっぱりこのラストが良かったかなって。
でも異世界もやっぱり気になるのよね。

聖明の過去の事件と
異世界から来たもふもふ戦士のことが上手く絡み合ったストーリー展開だったと思います。

できれば今度はあちらの世界がどんな世界なのか、
そっちに焦点をあてて書いてもらいたいなー、なんて思いました。


H度ドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月やや欠け月
もふもふ度銀狼銀狼銀狼銀狼銀狼



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