ずっとあんたの猫でいたい。



初読作家さんの夏乃穂足さんです!
ケモミミスキーな私としては、あらすじだけで購入を決めたのですが、
思った以上に面白かったしところどころ涙もにじむ。。。

何より人間と心が入れ替わってしまったクロネコのクロの
御主人である獣医の克己に対する一途さがとっても健気で
そのピュアな思いにやられてしまいました!

ところどころちょっと我に返って気になってしまうところもあるんだけどww
ファンタジーだから‥‥‥とあえて、そこは気にしないように
スルーして読み続けました。
そういうところを差し引いても面白かったと思います!
夏乃さん、初めてでしたが、とても読みやすかったし
一気読みしてしまうくらい話に惹き込まれました。


今回は初回限定のペーパーつき。
このペーパーもまた本編のあとのほんわかした気持ちを持続させてくれる
可愛らしいお話でしたよ~ニコニコ


夏乃 穂足著「くろねこのなみだ」
くろねこのなみだ (ショコラ文庫)/心交社
¥690 Amazon.co.jp
人間不信の黒猫は、ケガをしたところを獣医の犬飼克己に保護され、クロと名づけられる。人には無愛想だが動物には優しい克己のそばは心地良く、このまま一緒に暮らすのも悪くない—そう思った矢先、散歩中に猫殺しに襲われ瀕死の状態に。なんとか克己の元に帰りたいと願いながらも意識を失ったクロが次に目覚めた時、その心は見知らぬ青年の体の中に入っていた…。人間に恋した黒猫のピュアラブストーリー。



猫は9回生まれ変わるーーーー。
クロは今生で8度目の生を受け、本当ならばこれまでの生まれ変わる前のことなどは覚えていないはずなのに、クロにはその過去を覚えているというちょっと変わった猫だった。
それゆえ、人間に対する警戒心は人一倍。
8度も生死を繰り返していれば、それなりに人間への不信感は積もっていても不思議ではない。

野良猫のクロは空腹のあまり民家のごみ箱を漁っていた。
しかしそこを人間にみつかり物を投げられケガをしてしまい動けないところを
獣医である克己に保護されるのだ。
最初は克己に捕まったと思い暴れていたクロも
克己の飼い犬である老犬ブチにより徐々に心を開いていくのだ。


この老犬ブチとクロのやりとりがまた泣かせるんですよ~!
人間を警戒していたクロをなだめ、そして克己を置いて死にゆくことを察しているブチ。
ブチは自分が死ねば克己が独りぼっちになってしまう、と自分の亡き後克己のことをクロに委ねるのよね。
まだ話の冒頭部分でしかないのに、このブチと克己の絆、ブチとクロの友情に
ぐぐっと心を持っていかれちゃいます。


ブチに最期のお願いをされたクロは一人残された克己のために克己のところに留まる決意をする。
克己に寄り添いなぐさめ、心の支えとなっていくクロ。
クロも克己に甘え共にいることが幸せとなっていくのだけれど・・・・・
そんなある日事件が起きてしまう。
野良子猫が最近近所で起きている動物虐待の事件に巻き込まれそうになっていたのを目撃したクロは、
子猫を助けようと逆に自分がケガをしてしまい、瀕死の重傷を負ってしまう。
そして時を同じくして別の事件に巻き込まれこれまた瀕死の重傷で道端に投げ捨てられた青年がいた。
クロは生きたい、克己の元に帰りたいと必死に願い、
青年は今度生まれ変わったら猫がいい・・・と願いながら意識を失う・・
次に目が覚めた時、クロはあの青年に、青年はクロの身体に違いに心を入れ替えてしまっていた。


これまで読んだケモミミものって、もともとが猫や犬、はたまた狐や狼が人間になるってものだった。
でも今回は化けるんじゃなくって、心が入れ替わってしまうってやつ。
なので人間の克己にとっては人間になってしまったクロはあくまで人間で
青年の心が入ってしまったクロが自分の飼い猫のクロなのだ、と思っている(そりゃ当然)。
どんなにクロが自分がクロだよ、猫と心が入れ替わったんだよ、と言っても
「猫になりたいって思うくらい辛い目に遭っていたのか・・・」と同情される始末だし。


この人間になってしまったクロのカワイイこと!
とにかく中身は猫なので克己に会ったら万事全て解決すると思っていたのに
今までみたいに抱っこもしてくれないし、一緒に眠ってもくれないし、
お風呂に入れる時だって一緒だったのに急に一人で入れって言われて
クロは戸惑い淋しくなっちゃうんですよ。
克己にしてみれば、見ず知らずの青年からいきなり懐かれて膝の上に乗っかられたら
そらーーーー驚くのも無理はないww
身元不明でなぜか克己にだけは懐くこの青年を病院から引き取ることにする克己。
最初は仕方ない・・・と思っていただけなんだけど、
こんなに無条件に懐かれちゃったら情だって湧いちゃうよね。

ここからは人間になったクロの魅力が爆発しますww
人間になったクロは毎日が驚きの連続。その度に目をまんまるくしてびっくりする様は微笑ましい。
シャボン玉に無邪気に喜び、回転寿司で大興奮し、青い猫型ロボットのアニメを見て
こんな猫はいない、と納得いかなかったり。

読んでいてもこちらも自然と微笑みが出ちゃうくらいなんですよ~。

だけどそういうほのぼの路線だけで終わる話ではないです。
クロと心を入れ替えた青年は当然猫のまま。
そしてその青年が実は克己と何か関係がありそうなんですよ。

もちろん克己とクロの関係も単にほのぼのとして終わるわけじゃないですしね(一応BLなので)。
人間となったクロは克己を恋の相手として意識しちゃうし、
でも克己はなんだかよそよそしくなり、しかも動物病院で働く助手君の家に預けるようにして
自分から遠ざけようとするんですよ。

クロの心が入ってしまった青年ミズキの素性やクロと克己の関係がどうなっていくのか、
気になって一気に読んでしまいました。

クロが自分の命に替えても克己の幸せを祈るところはキュンとしてしまった。

冒頭の老犬ブチとの交流や
ミズキやのちに出てくるミズキの友人倖生のことなど
切なくなるエピソードもあったり
はたまた克己の昔からの友人のせいで克己との間に誤解が生じたり・・で
ほのぼのと切なさとキュンとくるストーリー展開となっています。


特典のペーパーは幸せ気分にさせてくれますよー。
クロのビックリおめめもカワイイし、
秘密のプリンも全然秘密になってないし、
そこらへんは本編に引き続きクロの微笑ましいエピですかねー。
ペーパーではその後入籍までしていることが発覚。
互いに本当に必要な人として支え合って過ごしていくんだろうなって思わせてくれます。



H度ドキドキドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月三日月


ペタしてね



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