あなたの右手でアンドロイドの頭を
ゆっくり3回撫でてください。
たったそれだけで
貴方の生涯のパートナーが
目覚めます。





うううう!泣けたーーーー!!!
泣けましたよ~~!!
泣く

久しぶりに漫画で泣いたような気がする。
小説では結構泣けるものは読んでいるんですけどね。

恋人が事故死してしまい失意の中にいた寅雄はビルの上から飛び降りてしまった。
しかし寅雄が目覚めた時、そこにあったのは250年後の未来の世界。
そして寅雄の目の前には死んだはずの恋人に似ているアンドロイドが・・・・


アンドロイドっていったら普通人間よりも出来がいいわけじゃないですか。
機械ですからね。
なのにこのアンドロイドはモデルとなった人間よりも3割減という残念さ!
しかしそれがなんともいえない魅力になっているんですよ!!!

とにかく泣きたい方、超オススメしたいです!!


山中 ヒコ著コミック「500年の営み」
500年の営み (Feelコミックス オンブルー)/祥伝社
¥650 Amazon.co.jp
「あんまり似てなくてごめんね
ーーーーー好きだよ」
亡くした恋人を追って自/殺したはずが、250年の冷凍保存の末、未来世界で目覚めた山田寅雄。世話係として起動したアンドロイドは優しく親身になってくれるものの、亡くした恋人の〝3割減〟の残念ロボットでーーー?いじっぱりな青年が愛を受け入れ、希望を求めて歩き出す、痛切な未来ラブストーリー。描き下ろし「250年の営み」収録。



3割減アンドロイド×意地っぱり青年

昔っから意地っぱりだった寅雄が、ずっと思いを伝えられずにいた幼馴染の光と相思相愛になって、幸せな日々を送っていた。ところがそんな幸せ絶頂の最中、光は事故で亡くなってしまう。
そして寅雄は光のいない世界に耐えられず身を投げてしまうのだ。
ところが寅雄が目覚めてみるとそこにいたのは光だった。
でもよく見てみると光ではない。それもそのはず彼は光をモデルに作られたアンドロイドだったのだ。

寅雄は身を投げて瀕死の重傷を負い植物人間状態になってしまった。
そこで寅雄の両親は彼を冷凍保存することで未来の医療技術に賭けたのだ。
そして寅雄が目覚めた時には恋人の光そっくりなアンドロイドを用意しておくように、と全財産を投じた。

光と似ているそのアンドロイドはヒカル=B=JW2260MCHINA。
しかしどうにもこうにもこのアンドロイドのヒカルBは不器用で人間の光の方が出来がいい!!
おまけに光に似せて作っているのにその似具合もビミョウだったり・・・。
こんな3割減のアンドロイドってどうなのよ!?

って寅雄も思うんだけど、この3割減な駄目さ加減が
アンドロイドヒカルBの個性であり魅力であるんですねー!!

光は優しくて器用だったし頭も良かった。
それに比べヒカルBは林檎の皮むきもできないし、道に迷うし、エアカーは運転できないし、
家事をやっていてもすぐにコップを割ってしまう。
だけど寅雄に優しいのはヒカルBも同じ。
一生懸命寅雄に尽くし、寅雄に好きだよ、とささやき続けるヒカルB。
林檎の皮むきも必死に練習しているんですよ。も~、健気!
寅雄もどんどん惹かれていっているのに、やっぱり素直にはなれないのだ。
だって自分が好きなのは光であってアンドロイドじゃないって気持ちがあるからね。

でもそんな寅雄の気持ちがはっきりとする出来事が起きる。
ある朝寅雄が目覚めるとヒカルBはいなくなっていた。
そして入れ替わるようにやってきたのは、それこそ恋人の光と完璧に似せて作ったヒカルAだったのだ。
実はヒカルBはヒカルAのプロトタイプだったのだ。
ヒカルAこそが本来寅雄の元にやってくるはずだったのだが、寅雄の目覚めの時に間に合わず
変わりに寄越されたのがヒカルB、つまりヒカルBはヒカルAの代用品だった。

もうヒカルBが寅雄の前に現れることは二度とない。
その事実に直面した時、寅雄はヒカルBに恋をしていたことに気付くーーー。

ヒカルAがやってきて、寅雄はいつの間にかヒカルBは自分にとって光の代用品じゃなくなっていたことがわかるんですよ。
光への気持ちは光へのものであり、ヒカルBはヒカルBだからこそ寅雄は好きになった。
言わば2度目の恋なんですよね。光がいいのであれば光に寸分違わず似ているヒカルAを受け入れるわけだし。
(でも寅雄のために作られたヒカルAがその後どうなったのか・・・・ちょっと可哀相ではある)

寅雄は人間には危険区域であり立ち入り禁止となっている場所で働くヒカルBを見つけ出す。
ヒカルBは寅雄が来てくれて嬉しいもののなぜ来たのかがわからない。
だから寅雄ははっきりと告白をするんですよ。好きなんだって。

もうここだけでも泣けちゃいます!
だけど再度寅雄の恋に障害が訪れる。二人が心を通い合わせた直後廃虚ビルが崩れ落ち
その下敷きに・・・・・
腕をケガした寅雄が両足を失ってしまったヒカルBを必死に背負って
約束の地を目指そうとするんですね。

約束の地・・・・
これ、まだヒカルBを受け入れられずにいた時に
寅雄が光と生前一緒に旅行に行った尾瀬がすごく綺麗だった、それを忘れたのか!?って
怒るシーンがあるんですよ。
光と尾瀬には実際に行ったわけではなく、行きたいなっていう旅行計画だけだったんだけど、
あの時の寅雄はヒカルBを拒絶するのに思わず言ったことなんですね。
でもそれがいつの間にか二人の間で、じゃあ今度連れてってよ、一緒に行こうよ、っていう
約束事のようになっていたんです。
それが最後の最後まで一つのキーワードになっていました!

でも結局、ケガをした寅雄がヒカルBを背負って尾瀬に歩いていけるわけもなく・・・・
力尽きて倒れてしまい、そして寅雄が目覚めた時にはまた250年経っていた・・・。

最初なんでタイトルが500年なんだろう?って思っていたんですよ。
そしたらそういうわけだったんですね!
ヒカルBと出会うまで250年、そして再び目覚めるまで250年・・・・

寅雄が目覚めた時、ヒカルBはどうなったのか、誰も知る人はいなかった。
だから今度は寅雄は一縷の望みを賭けてヒカルBを再び探す旅に出る。
そう、今度こそ尾瀬へいると思いながら・・・・

光を失った時、自ら死を選ぶことしかできなかった寅雄だけど、
ヒカルBを失った時、今度はちゃんと探し出そう、そう決意する。

とにかくラストにも涙・涙でした!!

アンドロイドのヒカルBは寅雄への気持ちは色あせることないし、
寅雄も実に一途に思い続けるんですよね。

500年の奇跡に思わず何度も目頭が熱くなって、
間違いなく今年読んだBLでは上位にくる傑作です!!!



H度ドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月満月

ペタしてね

にほんブログ村 漫画ブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ BL小説読書感想へ
にほんブログ村   ←参加しています。よろしくねラブラブ
にほんブログ村 アニメブログ BLCDへ
にほんブログ村