局部チョン切り!!((>д<))ヒョエ~~


いきなりすみません。。。。
しかし、私も長いことBLを読んでますが、
まさか本人が自分のナニをちょん切っちゃう話を読んだのは
これが初めてでございます。。。。

でも、こんないきなりな設定であっても
話自体面白くて、
ぐいぐい惹きつけられていくし、
主人公のこの行動もわからなくはないのね。

とにかく精神的に追い詰められていた感がぐいぐい伝わってくるし。

美鈴さんのブログでこの作品を知って
とにかく読んでみたくて
探して読んだんですが
一気に読めました!!

主人公の和彰はコンプレックスの塊で
結構卑屈で疑り深い性格でもあるんだけど、
私こういう性格、嫌いじゃないのよね~。
それは多分、和彰の気持ちにシンクロしやすく書かれているからかな。。。

初めて読んだ作家さん(2冊しか出ていないようですが)なんだけど
文章も読みやすかったです。


毬谷 まり著「この夜の果て」
この夜の果て (シャレード文庫)/毬谷 まり
¥580
Amazon.co.jp

元華族の家柄の和彰は、結婚して事務機器販売会社「オムラ」へ婿養子に入り、社長として仕事に励んでいた。しかし、会社でも家庭でも自分に求められているのは華族というブランドだけだと思い知らされる!そして、己の存在意義がわからなくなってしまった和彰は、我を失いなんと自らの手で自分の局部を切断…。 そんな心身ともに傷ついた和彰に救いの手を差し伸べたのは、秘書の長瀬だった。退院後、長瀬の誘いで彼の家で同居することになった和彰。だが、傷が治って も、局部を切断したため、自慰も満足にできず性/欲を持てあまし、苦しみ悶える。そしてそのことを長瀬に知られてしまい、不本意ながらも彼と肉体/関係を結ぶことに—。秘書×社長のセンシティブラブ。



和彰の家は元華族という家柄。
しかし家柄だけは良くても内情はかなり逼迫していた。
そこで華族という血筋目当てに事務機器販売会社「オムラ」を経営する小村家が
和彰の実家を援助するかわりに和彰を娘の婿として迎えたのだ。

でもそこから、和彰の苦悩が始まる。
オムラの社長として就任した和彰だけど彼なりに企画をプレゼンしたり
商品開発を試みたり・・・・
必死に経営を勉強し会社のためにやっているのだが、
先代からいる重役たちはみな、和彰の話には耳を傾けず
和彰の秘書の長瀬ばかりを頼りにし彼の話だけをきくのだ。

会社で無用扱いされている和彰。
秘書である長瀬も重役たちも和彰を冷ややかに見ている・・・
そんな気持ちで毎日仕事をしていたのだ。
その上、家へ帰ると更に追い討ちをかけるように
オムラの会長である義母と妻の美香に毎日のように責め立てられる。

義母も美香も見栄と世間体ばかり気にし、
子供を早く、とせっつくのだけど、
結婚して3年、心身ともに疲弊している和彰は不能になってしまっていた。

仕事で疲れ、家では責められ、しかも和彰は結婚後、自分の実家からはとある事情で縁切りされている。
どこにも癒しを求められない和彰は出生の秘密もあって
精神的に追い詰められて、ある日とうとう自分の手で局部を切り落としてしまうのだ!

うう、、、、イタイ・・・・・
読みながら思わず前かがみになってしまう。。。

そして傷も癒え、退院した和彰を迎えたのは小村の家ではなく
秘書の長瀬だったのだ。
長瀬は和彰を自分の実家へ連れていき、ここで養生して欲しいと言うのだ。
和彰には長瀬の本心とは到底思えず、
お荷物の面倒を押し付けられて大変だな、
なんてかなり卑屈な事を言っちゃうのだ。

和彰ってばかなり根が暗くて疑り深いww
長瀬の献身にも「本心では笑っているんだろう」とか
「無能な僕を見下していたんだろう」って言うんだよね。

あんまりそんなことばかり言う和彰についカっとなって
長瀬も本心を言うんだけど、それは本当に必死に仕事をする和彰のことを
支えたくて心配している言葉なのだ。

和彰はずっと透明人間のように扱われて育ってきたので
自分の存在価値なんて無にも等しいように感じているのね。
ほんと筋金入りのマイナス志向!!
だから長瀬の言葉をも信じられなくなってしまっている。

おまけに局部を切断した途端、あんなに萎えていた性/欲が
逆にムクムクと芽生えてきて
でも一人慰めようにももうそこにアレはなし。。。。
そんな時に自分のコンプレックスを刺激するような長瀬が
その和彰に気付いて一人Hのお手伝いをしちゃうんだから!
こんなに恥ずかしく情けないことはない。。。。


とにかくコンプレックスの塊である和彰と
そんな和彰を心配し寄りそう長瀬が
段々と互いの本心をさらけ出すうちに和彰は長瀬に心を開いていくのよね。
もともと長瀬の仕事っぷりには信頼はしていたんだけど。。。

しかし、こう、一度山を越えてこのまま上手くいくかと思ったら・・・
実は自分の妻である美香と長瀬が通じていたのではないか、という疑惑が生じてしまうのだ。
そして決定的な事がおきてしまう。


コンプレックスの塊でアレも自分でちょん切っちゃうような人だけど、
頑張り屋で、仕事に対しては前向きに考える姿があるから
この主人公のことはついつい応援したくなっちゃうのね。
単にイジイジしているだけなら嫌なんだけど、
決してそうではない前向きさが好感が持てるのよね。
不器用な生真面目さというのかな。

でも、アレを切断しても自分の命を捨てるようなことはしなかった和彰が
最後の最後に選択した道が
もう彼のどうにもならない辛さを物語っていました。
だって今までだって散々な目に遭ってきていたのに
涙一つ見せなかった和彰の
長瀬に裏切られたと思った時のあの涙にはこちらも辛くなってしまったよ。。。しょぼん

全編を通して和彰目線で語られているけど、
長瀬がこんなに和彰のことを思っているのに
その想いが届かないどころか誤解されるって悲しいよな・・
と、長瀬の気持ちにも同情しちゃいます。


なんかねー、こうやって書くと
かなり重たい話なんじゃないかと思っちゃうけど、
なぜかあまりどんよりとはしないんです。
軽い作りじゃないし、笑いももちろんあるわけじゃないんだけど、
不思議と重くて引き摺る・・ってことはないんですよ。

あの切断シーンも猟奇的に書かれているわけじゃないので
イタイのが苦手な人でも読めてしまうと思いますね。

面白かったですよ!
なかなかの傑作だったと思います!!!

H度ドキドキドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月半月

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