自分はダメな子なんだと思ったFさん | お母さんも子供も笑顔になる「子育て応援クラブ」

自分はダメな子なんだと思ったFさん

【自分はダメな人間なんだ】


子どもは学習します。

といっても、学校などの勉強のことではありません。

自分の経験から学習するということです。

経験したことから「こうなんだ」と記憶されるものがあります。


こうすれば褒められるんだ。

こうすると怒られるんだ。

こうすれば喜んでもらえる。

こうすればガッカリされる。


子どもは自分が経験したことから学びます。

その吸収力は大人とは比べものになりません。


園や学校生活で楽しい経験をする。

すると、園や学校を「楽しかったところ」として学習します。

だから、園や学校に積極的に行きたくなります。


しかし、辛かったり、悲しかったり、怖い経験をしたとします。

そうなると、園や学校は「行きたくないところ」になります。


失敗するとすぐに怒られることが多い。

すると、その子にとって失敗は
「許されないもの」と学習されます。

その結果、何事にも消極的になりがちです。


数年前にカウンセリングに通っていた、
小学4年生の女の子、Fさん。


Fさんは、いつも自己否定感をもって学校生活をしていました。

「自分はダメな人間だ」「どうせ自分は嫌われる」

Fさんは心の中で、いつも自分をそんな風に思っていました。


当然、勉強、友達づきあいなど、学校生活は消極的でした。

一人でいることも少なくありませんでした。


私はなぜ、彼女がそこまで
自己否定感をもっているのか疑問でした。

しかし、カウンセリングしていくうちに、
その答えがわかりました。


Fさんはカウンセリングの中で、あることを思い出しました。

それは2~3歳の頃、
両親が猛烈な夫婦ゲンカを何度もしたこと。

その記憶が映像と共によみがえってきたのです。

そのケンカは、自分のある障害が原因だったのです。


Fさんの両親はその後、離婚しました。


実は離婚の原因は、Fさんの障害とは関係ありませんでした。

ご両親の夫婦の問題だったのですが、
Fさんはそのことを知りませんでした。

親もいちいち、自分たちの離婚の原因を
小学生に言いませんからね。

だからFさんは、自分のせいで
両親が離婚したと思っていたのです。


自分の障害が両親を不幸にした。

幼い頃にFさんは、そう学習してしまったのです。


そのため、Fさんは自分を
「ダメな人間だ」と思っていたんですね。

根深い自己否定感はそこにあったというわけです。


もちろん、学習したこと(されてしまったこと)は、
再学習することで解消できます。

自分はダメだと学習したなら、
ダメじゃないんだと再学習すればいいわけです。

ダメじゃないんだと本人が思える経験を
また重ねていけばいいということです。


もし、お子さんに心配なことがあるとします。

そんなとき、この子は何か学習してしまったのではないか?

そういう風に捉えなおしてみると、
何か見えてくるかもしれません。


そしてもし、何をどう学習したかがわかったら、
そこから再学習をスタートさせます。

それも粘り強く、根気よく続けていくのがポイントです。


Fさんも再学習を半年ほど続けた結果、
自己否定感は弱まりました。

そして少しずつ自己肯定感を実感できる
学校生活になっていったのでした。


人生もそうですが、子育ても同様で、
スタートはいつでも切れます。

スタートラインは、いつも目の前にあるものだからです。


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