平清盛 第四回『殿上の闇討ち』を観る | (不肖)大河ドラマ批評家「一大河」の批評レポート

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平清盛 第四回『殿上の闇討ち』

$(自称)大河ドラマ批評家「一大河」の批評レポート

平等院




◎『平清盛』登場人物/キャスト


「わしは、王家の犬では終わりたくはないのだ」
(平忠盛)



【あらすじ】
北面の武士となった清盛。
「もののふの華」といわれる北面の武士であるが、
清盛は女房たちに色目を使う他の男たちに苛立ちをおぼえる。


父・忠盛は、武士としては破格の昇進を果たし、
殿上人※となった。
清盛は父の昇進を喜びながらも、虚しさを感じていた。

※天皇の住まいである清涼殿の殿上上の間に昇殿することを許された人


一方、源氏の棟梁である源為義は、昇格していく忠盛を
妬み、酒をあおっていた。
義朝はそのような父に怒りをあらわにし、弓を向ける。


反発する義朝に、乳母の鎌田通清が止めに入り、
諫言するが、為義は通清を制止し、自分の不甲斐なさを
認める。


不甲斐ない父に失望した義朝は、弓を下ろして
館を出ていった。


殿上人となった忠盛を祝う宴が藤原家成の
館で催され、清盛も忠盛の嫡男として招かれる。
そこには、同じ北面の武士である佐藤義清もいた。


武士の殿上を快く思わない藤原忠実とその息子
忠通は、散々に嫌味を言った挙句、忠盛に舞を
披露せよと言う。


侮辱される忠盛の姿に憤りを隠せない清盛で
あったが、忠盛は忠実に言われたとおり、
堂々と舞を披露する。


しかし、忠実の差し金で拍子を狂わされ、
見物していた貴族たちに水をかけられ、
忠盛は足を滑らせて転んでしまう。


貴族たちに笑いものにされた忠盛であったが、
終始冷静に立ち振る舞う。


不当な辱めを与える貴族に我慢ならない清盛で
あったが、義清はこれはただの宴ではなく政だと
清盛に説く。


忠盛が昇殿する日がやってきた。
清盛は護身にと己の宋剣を忠盛に渡そうとするが、
殿上での帯刀は禁じられていると、忠盛は断る。


清盛は、忠盛を筋金入りの朝廷の犬と吐き捨て、
出て行ってしまう。


河原でふてくされている清盛のもとに、義朝が
やってくる。
北面の武士の仲間たちを非難し、殿上人となった
父をも非難する清盛に、義朝は怒りをぶつける。


そこに、通清が駆け込んでくる。
為義がひとりで内裏に行き、忠盛の闇討ちを
企んでいるとのことであった。



【レビュー】
大河ドラマ『平忠盛』とも言うべき第四回の
放送でした。


序盤でいきなり藤木直人兄貴演ずる佐藤義清の
イケメン補正&キラキラBGMも面白かったのですが、
今回は何と言ってもおっ△(おっさんかっけー)の回。


中井貴一氏演じる平忠盛はさることながら、
不甲斐ないが誰よりも息子を思う源為義にも
注目すべき回でしたね。


回を追うごとに本作のひとつめの山場となるであろう、
保元の乱への伏線がそこかしこに張られている
のも特徴的でした。


さて、まずは何と言っても平忠盛。
貴族の執拗な苛めをものともせず、気丈に
舞って見せたシーンから今回の忠盛無双は始まります。


内裏に殿上した忠盛を闇討ちせんとする
為義に対し、禁じられている本身(マジモンの刀)で
応戦する忠盛。


実はこれ、ミキプルーンの苗木木太刀に
銀箔を貼ったニセモノの刀。


自分の不甲斐なさ故に不遇な扱いを受ける
息子・義朝を思い、闇討ちを企てた為義の
愛情もさることながら、それに対する忠盛の
切り返しもよかったですね。

「源氏と平氏どちらが強いか、それはまた先にとっておくことはできぬか」
「その勝負は、武士が朝廷に対し十分な力を得てからでもよいのではないか」


武士で初めての殿上人となった忠盛の、
先見性と革新性が凝縮された言葉ですね。


のちに、我が息子が太政大臣という武士の頂点に
立つ人物になることを予見するような台詞にも
取れます。


そのために、次に控える清盛に地盤を作って
あげるために、「王家の犬では終わらぬ」と
言ってのけたのではないでしょうか。


後に忠盛が清盛に説いた「揺らぐことなき軸」とは
まさに、清盛を武士の頂点へと押し上げるための
道を作ることだと感じました。


この「一本の軸」は、初回にも舟に乗るときの
体の軸という忠盛の台詞で登場しましたが、何か
平家一門を表すキーワードとして扱われているようです。


一方、闇討ちに失敗した為義に、自分はもっと強くなると
決心した義朝。


保元の乱では敵味方に分かれて戦う源氏の親子の、
温かいやりとりに心が痛みます。


明暗のはっきりした源平両家の父子でしたが、
両者のやり取りが、今回のメインテーマである
親子の絆という点で一致しているところを
うまく描いた場面でした。


そして、今回も「鳥羽院」は見所満載でしたね。


タフマン白河法皇の亡霊に翻弄されるシーンから、
忠盛が建設した観音堂に恍惚とするシーンまで
幅広く演じきる三上博史氏。


このとき流れていた「今様」と読経の声が
混じり合ったBGMが、鳥羽院の切なさと
狂気を表しているよう
で鳥肌が立ちました。
まさに、本作にこれ以上の良キャスティングはない!


もとは善人のはずなのに、特異な環境であるがゆえに
どんどん心の闇に引きずり込まれていく。
回を増すごとに注目度アップです。


次回は、美福門院得子の入内という、鳥羽院に
とっても朝廷にとっても大きな転換期が訪れます。
乞うご期待!



為義「それは本身ではないか!?」
忠盛「何だと思う?これ、ミキプルーンの苗木」



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