◎前回のお話




機械に向かって必要な項目を入力する。

支払いを考えたらまとめて借りて一括にしたい。


そう思ったが、借りれた額は10万円だった。

ATMがお札が出てくる。


【借りちゃった…】


絶対に手を出したくなかったものに手を出してしまった罪悪感と不安感。

月々の返済は数千円からでOKだった。


今は利息しか払えなくても、子育てが終わったらちゃんと返せる…
それまで頑張らなきゃ…

そのお金を封筒に入れ大切に持ち帰った。

息子が寝た後に集金袋に入れたり生活費に分けたりした。

一時的ではあるが心が落ち着いた。

キチンと払ってあげられる…

テーブルに集金袋と生活費用の袋を並べこれからの事を考えた。


きっとこれからもっとお金がかかるだろう。


学資保険はとうに元旦那に解約された。

物入りな時の為にもっと働かなければ…


しかしそんな頃、職場の賃金の査定方法が変わるとの話が出た。


今以上に給料が下がってしまったらどう生活して行ったら良いのだろう…

ある日の勤務後施設側からの説明会があった。


その説明だけではよく分からず、私は直接施設長に

『資格を取るまでどんな賃金でも頑張ると約束しました。
でもこの査定方法だともう私の年齢じゃお給料も上がらないんでしょうか?

…これからお金がかかるんです。
どうしたらいいんですか?』

説明の書かれた紙を持ちながら手が震えていた。


『これはお給料あげないための新ルールじゃないんだよ。
ちゃんと働いてる人にあげるためのルールなの。』


『そうなんですか?』


『そうだよー。ももちゃんももうすぐ資格取れるから、その時にちゃんと支払われるように考えてるから安心して?』


『…はい。』


自分1人の収入で息子を育てなければいけない。


せめて自分の資格は一発合格して取得しなければ…。


私は職場の友だちに声をかけ介護福祉士のテキストを貸してもらい試験勉強の準備を始めた。