「お前の部屋には猫でも来るのか」
寝ていた私に妻が話しかけてきた
元来ずぼらな私が枕元にいつも置いている
水のペットボトルを見て言っているのだ
その日はたまたま飲み終わったペットボトルと
合わせて3本枕元に並んでいた
「最近この辺も猫が増えてな」
寝起きで適当に答えると
「お前殺すぞ!!」
「うわーーーぁ殺人鬼や!!」
そう言いながら逃げるように床を離れると
「ペットボトル片付けろや!!」
こんなやり取りが我が家の日常だ
そんなある日、その日はクリスマスということで
外食でもしようかと妻に何が食べたいか聞くと
「しゃぶしゃぶがいい!!」 と言うので
「なんでクリスマスにしゃぶしゃぶなんだよ」
「普通洋食だろ、チキンとかケーキとか」
そう言い返すと
「皆、しゃぶしゃぶがいいよね」
「チキンもケーキも昨日食べたし」
前日にママ会でクリスマス会をやったらしい
「わーい!!!しゃぶしゃぶーー」
そう言って子供たちを丸めこみ始めたので
渋々「じゃあいいよ」としゃぶしゃぶに決定した
妻 「じゃあお店予約しないとね」
私 「クリスマスにしゃぶしゃぶに行く奴なんかいないよ」
妻 「そんなことないやろ」
私 「そのまま行けばいいよ」
そう言ってお店に出向くと
「すみません、ただいま満席でして・・・」
いんのかーーい!!!!
一人心の中でツッコんでいると
「さっきなんて言ってたけ?」
妻が勝ち誇った顔で言ってくるので
私 「俺が来るのがバレたんかな」
妻 「なんでやねん、殺すぞ!!」
私 「でた!!殺し屋」
そんなこんなで30分ほど待って
無事にしゃぶしゃぶを食べて帰ろうと
歩いているとコンビニを発見
クリスマスだしケーキくらい食べたいと
悶々としていた私はコンビニに向かった
中に入ると時間帯もあって
クリスマスケーキ半額と書いてあった
嬉しくなってレンガほどの大きさの
ショートケーキを2つ買い家路についた
一つは私と娘で、もう一つは妻と息子でと
分けて食べ始めると
「ママ、コーヒー入れるから半分とっといてね」
そう息子に言ってキッチンに向かった
しばらくして戻ってきた妻が
「なんやねんこれ!!」とケーキを見ながら
怒っている
4歳の息子は訳が分からずキョトンとしている
そこには奇麗に上半分を食べられた
ケーキが残っていた
「スポンジしかないやないか」
思わず笑っていると
「お前気づいてたやろ!!」矛先が私に変わった
「ちゃんと半分とってあるもんね、間違ってない」
そう息子に話しかけると
妻 「お前、死ねや!!」
私 「生きる!!」
妻 「何やねん生きるって気持ち悪いな」
私 「殺すって言うと思ったのに準備不足や」
妻 「なんやねんそれ、生きるなや」
私 「生きる!!」
こうしてクリスマスの夜は更けていった