NO.99(東京ブラン店主の部屋)ケーキ | 東京ブランのブログ

東京ブランのブログ

東京の新中野にある「東京ブラン」というダイニングバーの店主の
こんな大人ですが、なんとかやってます。
 というなんとなくな日々のブログです。

「お前の部屋には猫でも来るのか」

寝ていた私に妻が話しかけてきた

元来ずぼらな私が枕元にいつも置いている

水のペットボトルを見て言っているのだ

 

その日はたまたま飲み終わったペットボトルと

合わせて3本枕元に並んでいた

 

「最近この辺も猫が増えてな」

寝起きで適当に答えると

「お前殺すぞ!!」

 

「うわーーーぁ殺人鬼や!!」

そう言いながら逃げるように床を離れると

「ペットボトル片付けろや!!」

こんなやり取りが我が家の日常だ

 

そんなある日、その日はクリスマスということで

外食でもしようかと妻に何が食べたいか聞くと

「しゃぶしゃぶがいい!!」 と言うので

 

「なんでクリスマスにしゃぶしゃぶなんだよ」

「普通洋食だろ、チキンとかケーキとか」

そう言い返すと

「皆、しゃぶしゃぶがいいよね」

「チキンもケーキも昨日食べたし」

前日にママ会でクリスマス会をやったらしい

 

「わーい!!!しゃぶしゃぶーー」

そう言って子供たちを丸めこみ始めたので

 

渋々「じゃあいいよ」としゃぶしゃぶに決定した

 

妻 「じゃあお店予約しないとね」

私 「クリスマスにしゃぶしゃぶに行く奴なんかいないよ」

妻 「そんなことないやろ」

私 「そのまま行けばいいよ」

 

そう言ってお店に出向くと

「すみません、ただいま満席でして・・・」

いんのかーーい!!!!

一人心の中でツッコんでいると

 

「さっきなんて言ってたけ?」

妻が勝ち誇った顔で言ってくるので

 

私 「俺が来るのがバレたんかな」

妻 「なんでやねん、殺すぞ!!」

私 「でた!!殺し屋」

 

そんなこんなで30分ほど待って

無事にしゃぶしゃぶを食べて帰ろうと

歩いているとコンビニを発見

 

クリスマスだしケーキくらい食べたいと

悶々としていた私はコンビニに向かった

 

中に入ると時間帯もあって

クリスマスケーキ半額と書いてあった

嬉しくなってレンガほどの大きさの

ショートケーキを2つ買い家路についた

 

一つは私と娘で、もう一つは妻と息子でと

分けて食べ始めると

「ママ、コーヒー入れるから半分とっといてね」

そう息子に言ってキッチンに向かった

 

しばらくして戻ってきた妻が

「なんやねんこれ!!」とケーキを見ながら

怒っている

 

4歳の息子は訳が分からずキョトンとしている

そこには奇麗に上半分を食べられた

ケーキが残っていた

 

「スポンジしかないやないか」

 

思わず笑っていると

「お前気づいてたやろ!!」矛先が私に変わった

 

「ちゃんと半分とってあるもんね、間違ってない」

そう息子に話しかけると

 

妻 「お前、死ねや!!」

私 「生きる!!」

妻 「何やねん生きるって気持ち悪いな」

私 「殺すって言うと思ったのに準備不足や」

妻 「なんやねんそれ、生きるなや」

私 「生きる!!」

 

こうしてクリスマスの夜は更けていった