NO.93 香り (東京ブラン店主の部屋) | 東京ブランのブログ

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東京の新中野にある「東京ブラン」というダイニングバーの店主の
こんな大人ですが、なんとかやってます。
 というなんとなくな日々のブログです。

香りによって思い出す記憶というものがある
クッキーの焼ける匂いで思い出す母の笑顔
畳の香りで思い出す祖母の家

人それぞれに香りによる記憶があると思う
そんななかベリーの香りで思い出す
友人K君の話をしよう

K君は小学生のころ
ベリーの香りのシャンプーが好きだった
大好きだった
毎日毎日そのシャンプーで頭を洗っていた

そんなある日、体育の授業中
校庭でマラソンをしていると
小雨が降り始めた

雨が小雨だったことと
授業時間が終わりまじかだったことから
そのままマラソンは続けられた

すると誰かが
「K君・・?」

また誰かが
「K、、K君・・・・・・?」
一部の生徒がどよめきはじめた

「せ、先生K君が・・・」

「K君が!!!」
「先生ーー!!!!」

クラス全体がざわめき始めた

「先生!!!K君の頭が泡立ってます!!!」

「わー蟹だーー」
「蟹男だ!!!」

皆がパニック状態となる

そうK君はあのシャンプーが好きすぎたのだ
そして考えた
ずっとこの匂いでいるためには
どうするべきか

どうすればこの匂いを嗅ぎ続けられるのか

そうだ洗い流さなければいい
このまま乾かせばこの香りのままで
いられるのではないか

そう思ったK君は実行に移したのだ

まさか雨に濡れると泡立つとは
思わずに


安心して下さい、今は立派な大人です