会社が大きいことが自慢であった時代は確かにありました。
しかし今日、商業の世界ではもう何の価値もありません。
会社員として成功する人材と商人として適正な人材は、まったく違う素養を必要とします。
ところが大企業は、会社員として適正な人材を集めていることが多いようです。
ペーパーテストをして成績の良い順に採用されたり、大卒が中心であったり、スーツにネクタイの似合う社員が多くなるごとに商人に適正な人材ではなくなるのです。
ウォルマートが西友に出資し始めたとき、アメリカからスタッフがきて、西友のバイヤーのネクタイをハサミで切って回ったと聞いたことがあります。
サラリーマンはハードウエアで店を作るのは上手だけど、心のこもった店にはならないことを示した逸話です。
最近の成功している専門店の店員を見ていると、サラリーマンなら絶対に許されないような髪やアクセサリー、服装が実に似合った人が多くなってきました。
多分会社員としてなら絶対に採用されない、その独特のライフスタイルにマッチした人、これこそ商人なのです。
たとえば、名古屋・大須の個性際立つデザインで人気の眼鏡店、モンキーフリップ。
店主はじめスタッフそれぞれが個性的でやんちゃです。
そのスタイルは商品、販促、売場づくり、そしてブランディングまで一貫しており、そこにしかない世界をつくり出しています。
「店」よりも本部で会社員として仕事する大会社よりも、「店」がすべてで商人が伸び伸びとして仕事する体制をつくりましょう。
そうすることで圧倒的な大企業に勝てる店はつくることができるのです。