晴天の下で実施された初日最初のセッションではレッドブルのセバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバ


ーが1-2態勢を築き、マクラーレンのルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンが3番手と4番手に続く。ベッ


テルがマークした最速タイムは1分12秒328だった。 一方、上位につけた2チーム4名とタイトルを争うチ


ャンピオンシップリーダーのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は13番手に沈み、母国での活躍でチーム


メイトをサポートしたいフェリペ・マッサもそれに次ぐ14番手。共にトップからは約1.9秒離された。さらに、


セッション終了直前にはアロンソのエンジンがパワーダウン、コース脇でマシンを止めるアクシデントにも


見舞われている。とはいえ、すでに使用済みだったエンジンの寿命が尽きただけとのことで、フェラーリ


はフリー走行2回目に向けてエンジンを載せ替える予定だったと認め、エンジンの状況は「計画通りに進


んでいる」と説明した。


 現地時間の午後になって2回目のフリー走行が始まると、山本左近に代わりHRTのステアリングを握


るクリスチャン・クリエンを先頭に各車がコースイン。早速、タイム計測が始まった。次々とタイムが記録


されていく中、ランキング上位勢で最初に動いたのはマクラーレン。ハミルトンとバトンが1分13秒台でタ


イムシートの最上部を独占する。 ルノーのロバート・クビサとメルセデスGPのミハエル・シューマッハが


マクラーレン勢に割って入る形で上位に飛び込んだところで、フェラーリの2台とウェバーも始動した。1分


12秒台をたたき出したウェバーがトップに踊り出て、マッサとアロンソが3番手と4番手につける。間もなく


してガレージを後にしたベッテルも好タイムをマークし、開始から20分でウェバー、ベッテル、ハミルトン、


マッサ、アロンソのトップ5をはじめ全車のタイムが出揃った。


オーダーに大きな変化が見られないまま90分のセッションは後半へ。トロ・ロッソのハイメ・アルグエルス


アリがいち早くソフト側のタイヤに履き替えたのを皮切りに、下位から中堅チームを中心にオプションタイ


ヤを選ぶマシンが増え始める。 残り35分を切り、BMWザウバーのニック・ハイドフェルドがオプションタイ


ヤで5番手にジャンプアップした。トップチームの中では最初に柔らかい方のスーパーソフトコンパウンド


を試したマッサが自己ベストタイムを3番手に押し上げたものの、マシントラブルによりスローダウン。マッ


サはマシンを止め、コックピットを後にした。 タイトルコンテンダーたちもオプションタイヤを装着してプログ


ラムを再開。それぞれに自己ベストを塗り替える中でこの日初めて1分11秒台を刻んだのはベッテルだ


った。残り15分の時点でタイムシートの上位はベッテル、ウェバー、アロンソ、ハミルトン、そしてストップ


してしまったマッサの順に変わっている。


その後はセッション終了まで常にほとんどのマシンがコース上で作業に取り組む状態が続き、最終的


に、ただ一人1分12秒台の壁を破ったベッテルが1回目のセッションに続いてフリー走行2回目も制した。


タイムは1分11秒968を記録している。2番手にウェバーが入り、レッドブルコンビが初日の両セッションで


1-2を決めた。 アロンソが3番手につけ、ハミルトン、マッサ、クビサ、バトン、ハイドフェルド、ニコ・ロズベ


ルグ(メルセデスGP)がトップ10入り。 BMWザウバーの小林可夢偉は12番手だった。