美しい街並みをコースに仕立てたこのサーキットは1周3.340km、決勝レースはカレンダーでも最
多の78周で行われる。DRSゾーンはメインストレートの1カ所に設定された。今週末はピレリのスー
パーソフトコンパウンドが今季初登場。プライムのソフトコンパウンドと合わせ、2種類のドライタイヤ
が用意されている。レース開始時の天候は晴れ、気温22度、路面温度35度のドライコンディショ
ン。モナコ上空には青空が広がっていたものの、レース中に降雨との予報が出ていた。
予選9番手につけたバルセロナのウイナー、パストール・マルドナド(ウィリアムズ)は、土曜フリ
ー走行でのセルジオ・ペレス(ザウバー)との接触で科された10グリッドペナルティに加え、ギアボ
ックス交換によりさらに5グリッド降格されて24番グリッドに後退。予選でクラッシュを喫してタイム
アタックを行えずに23番グリッドについたペレスもギアボックス交換している。
1周のフォーメーションラップの後にシグナルが消えると、ウェバーを先頭にロズベルグ、ルイス・
ハミルトン(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ、フェリペ・マッサ(共にフェラーリ)の順でターン1
を通過していく。 4番手スタートだったロータスのロマン・グロージャンは開始直後のポジション争
いの中でシューマッハと接触してスピンを喫し、11番手からスタートした小林可夢偉(ザウバー)も
これに巻き込まれた。 可夢偉はそのまま走行を続けたものの、グロージャンはコース上でストップ
し、同じく混乱に巻き込まれたマルドナドも左フロントをバリアに接触してマシンを止める。これによ
り、2周目にして早くもセーフティカーが導入され、3周目の終わりに戻っていった。 隊列はウェバ
ー、ロズベルグ、ハミルトン、アロンソ、マッサ、ベッテル、キミ・ライコネン(ロータス)、シューマッ
ハ、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)、ブルーノ・セナ(ウィリアムズ)というオーダーと
なり、緊急ピットインを行った可夢偉は20番手。そのままレースを続けていた可夢偉だが、7周目
にマシンを頭からガレージに入れてリタイアしている。 可夢偉の以前にはデ・ラ・ロサもピットでリ
タイアを喫しており、さらに17周目にはヴィタリー・ペトロフ(ケータハム)が一足先にレースを終え
た。 コース上では6番手ライコネンのペースが伸びず、後ろに6人がぴったりと迫った状態となる。
雨の気配が近づく中、上位勢では2番手ロズベルグが28周目にプライムへ交換したのを皮切り
に、ライバルたちも続々とピットへ向かった。 アロンソはピット作業でハミルトンの前へ。ベッテル
はタイヤ交換のタイミングを遅らせてラップリーダーとなり、その後方ではシューマッハも粘ったも
のの35周目にピットイン。これでベッテル、ウェバー、ロズベルグ、アロンソ、ハミルトンのトップ5と
なった。 39周目にはピットに入る際にライコネンを妨害したとしてペレスにドライブスルーペナルテ
ィが科され、ペレスは続く40周目にペナルティを消化。 同じ頃、雨が来るとのチームからの無線を
受けた8番手バトンが1回目のピットストップを行い、スーパーソフトに履き替えて15番手でコースに
復帰した。 しかし、なかなか雨は降らない。ベッテル、ウェバー、ロズベルグ、アロンソ、ハミルト
ン、マッサ、シューマッハ、ジャン-エリック・ベルヌ(トロ・ロッソ)、ポール・ディ・レスタ(フォース・イ
ンディア)がポイント圏内を走っている形でレースは進み、唯一タイヤ交換をしていなかったトップの
ベッテルは46周目にピットへ。スーパーソフトでハミルトンのすぐ前の位置に戻り、4番手となって
いる。 オーバーテイクが難しいことで知られるコースでは大きなアクションは見られず、オーダーに
変化がないままレースは進行。55周目にはスイミングプール周辺でデブリが落ちているために一
時イエローフラッグが振られた。 60周目、7番手を走っていたシューマッハが無線で問題が起きた
と訴える。シューマッハのペースは周囲より5秒ほど遅く、コース上でベルヌにかわされた末にピッ
トに戻ってリタイアした。シューマッハのマシンでは燃圧が低下していた模様だ。 このリタイアを前
にぽつぽつと降り始めた雨は次第に勢いを強めていく。コースサイドでは傘の花が咲き始め、全
体のペースが目に見えて落ちる中、トップのウェバーからロズベルグ、アロンソ、ベッテル、ハミル
トン、マッサまではそれぞれ1秒以内のわずかな差を維持したまま周回を続けた。 67周目にはマ
ルシャのシャルル・ピックがコース上でストップし、一時的にイエローフラッグが掲示された。続く68
周目にはダニエル・リカルド(トロ・ロッソ)がピットでリタイアしている。 71周目には7番手を走って
いたベルヌがインターミディエイトに切り替えるという賭けに出た。しかし、強まるかに見えていた
雨脚は逆に弱まり、ポイント圏外に落ちたベルヌは雨用タイヤでペース不足に苦しむことに。 ま
た、12番手ヘイキ・コバライネン(ケータハム)を抜きあぐねていたバトンは72周目で痛恨のミス。コ
バライネンをパスしようとしてスピンし、パンクしてしまったために、終盤にしてマシンを降りてしまっ
た。 一方で上位には動きがないままにレースは終わりを迎え、軽い雨の下でウェバーがトップチェ
ッカーを受けている。今季6戦目にして6人目の勝者が誕生し、レッドブルがバーレーンGPに加え
て複数回優勝した唯一のチームとなった。 2位ロズベルグと3位アロンソがウェバーと共に表彰台
に上っている。4位ベッテル以降は、ハミルトン、マッサ、ディ・レスタ、ヒュルケンベルグ、ライコネ
ン、ブルーノまでがポイントを獲得。 11位のペレスからベルヌ、コバライネン、グロック、カーティケ
ヤンまでが完走。バトンは16位完走扱いとなっている。