クリム
5月8日に突然姿を見せた子です。
どう見てもおうち猫だった子です。
その証拠に首輪の跡がはっきり付いています。
雄か雌か確かめるとタマタマが小さい。
どうやら去勢済みのようなのです。
体の匂いを嗅いでみたらほんのりと良い匂いがします。
お家の中で大事に飼われていた子なのでしょうか。
でも、こんな可愛い人懐っこい子がどうしてここにいるのでしょう。
迷子猫かもしれないと、動物愛護センターに問い合わせてみました。
しかし、そういう連絡はないということでした。
では棄てられた子…?
こんなにきれいな可愛い子が…
それでもひとまず名前を決めなくてはなりません。
名前は何にする?と仲間に相談したらメイリンさんが
「色がクリーム色だからクリムは?」
と提案してくれたのでクリムになりました。
聞いただけで誰にも分かるぴったりの名前です。
今日の猫回りの最後に出会った時、お腹が空いていたのかたくさん入れたフードと缶詰をいっぱいたべました。
お皿が空になるほどに
小学生の二人の子がクリムの横で愛おしそうに体を撫でていました。
バイバイ、また明日ね
私もそう声を掛けて帰路につきました。
家に着いて、どのくらい時間が経ったでしょうか。
携帯に電話が
「もしもし、今電話していいですか。
今、クリムちゃんが亡くなりました。」
公園の管理人さんからでした、
その言葉に耳を疑いました。
え、どうしてですか?
さっきまで元気にご飯を食べていたのに!
何があったんですか?
悲鳴のように大声で聞き返しました。
クリムは
駐車場で車にはねられて亡くなったということでした。
クリムが、クリムが
ついさっきまであんなに元気にしていたのに。
クリムを可愛がっていた子供達に、お母さんがいいと言ったらもらってくれる?と聞いたばかりだったのに。
信じられません。
ここに来て今日でちょうど一週間。
少しずつここでの暮らしに慣れてきて、他の猫達とも一緒に居るところを見ることもあったのに。
それでもいつもいた所からずいぶん離れた所まで移動して来たのは、縄張り争いがあったのかもしれません。
お家の中にいた子ですから駐車場で車を避けることが出来なかったのでしょうか。
たった一週間しか一緒にいなかったのに、クリムは大きな印象を残して行きました。
先日書いた「いろいろありまして」の記事はクリムのことでもあったのです。
悲しくて辛くて悔しくて
どれだけ言葉を並べたら今の気持ちが表せるのか
クリムは逝ってしまいました。
仲間に連絡したらみんな驚き悲しみました。
たった一週間だったのにクリムを撮した写真をみんなからたくさん頂きました。
あなたを捨てた飼い主は、あなたが亡くなったことも知らずにいるのでしょう。
寂しくて不安で悲しくて
どれだけ一人ぼっちの夜が怖かったか、
棄てた飼い主には分からないのでしょう。
でも私たちはあなたのことを忘れないからね。
だからブログに残します。
クリムが生きた足跡を。
棄てないで下さい。
棄てないで下さい。
何回でも言います。
棄てないで下さい。
最後までお家の中で飼ってください。
お願いします。