作者は作品世界を作っている、いわば神(創造主)。
だから高い所にいて欲しい。
読んでいる人は、作者の存在を気にすることなく楽しんで欲しい。
という訳で、作者の気配を押さえるのが、基本。
作者自身が出て来る作品もあるが、例外でしょう。
作者がモデルであっても、作品の中では、ひとりのキャラに過ぎません。
作者は作品をコントロールしているのに、目立たなくというのは矛盾のようです。
実際は、いくら気配を殺しても、作者の個性が、にじみ出てくるのでご安心を。
キャラクターをとんでもない目に遭わせたり、意地悪したり、創造主は、けっこうエグイです。
まあ、作品を面白くするためですから。
たとえ作者が世を去っても、作品は半永久に残りますから、作品やキャラクターと一緒に生き続けるんだと思います。
すごいですね。
若い作者にはピンとこないかも知れませんが、作品の寿命は長いんです。
キャラクターの寿命も。
年も取らないし。
著作権は延びてるし。
ヒットすると、いつまでもお金を稼いでくれるし。
大変な孝行息子(娘)なんです。
そんな美味しい世界にいるんですよ。
がんばり甲斐があるというものです。
目の前のネームの進み具合が悩ましいのは分かりますが、ヒットした暁には大変なご褒美が待ってる。
遠くを、未来を見ましょう。
一生懸命描いたキャラは残りますが、作者は、だんだん世間から忘れ去られていく。
それでもいいじゃないですか。
作品が残れば。
作者が生きた証です。
長くこの業界にいるので、作家の誕生から死までを見てきました。
死の直前まで描いていた作家もいますが、例外です。
たいていは、途中で描けなくなってきます。
いま、悩んでいる人、若いから悩めるんですよ。
体力が落ちて来ると、悩むことすらできなくなります。
残念ですが。
「いのち短し 恋せよ少女」。
夏の盛りに鳴いているセミと同じ。
秋が来る前に、作品を作りましょう。
悩んでるうちが花ですよ。