ちょっと意外だった魔道士です。こんにちは。

開発者が、FF14は 「ハイファンタジー」 であると説明してきましたが、今一つ理解出来ていませんでした。ようやくですが、重い腰を上げて(笑) 少し調べて始めて見えてくるのは、「ハイファンタジー」 という分類は、”舞台となる場所” がどこにあるかを元にした分け方 を指すようです。諸説あるようですが、上記の意味で取り上げているものが多いようです。


■言葉の定義(Wiki)
ハイ・ファンタジー

  ”異世界” を設定し、そこで展開する物語。
ロー・ファンタジー
  ”現実世界” を舞台にし、そこに魔法や妖精などが介入してくる物語。
※Wikiによる定義(こちら

そしてさらにWikiでは、ハイ・ファンタジーには次のような典型的特徴がみられるとしています。
1.架空の伝説的な種族・民族(例えばエルフやドワーフ)
2.魔法と魔法使い
3.独自に考案された言語
4.恋愛や性、結婚などの成人向けのテーマ
5.数冊におよぶ長大な物語


FF14の舞台は ”異世界” ですから、本来はそれだけで、ハイファンタジー と呼んでも問題ないということのようです。そして、上の条件は、FF14では恋愛の味付けは薄いと思われますが、恐らくその通りででしょう。

この定義に従えば、FF、ドラクエ、ゼルダといった作品は ハイ・ファンタジー であり、借りぐらしのアリエッティ、ペルソナ、女神転生、ナイトウィザード、といった作品は ロー・ファンタジー となります。

ハリー・ポッターは、定義に従えば ハイファンタジーと呼ぶべきですが、現実世界と接点があり影響を受けているという点で、ローファンタジーとも呼ぶケースもあるようです。


■インタビューに登場する、ハイファンタジー(1)
ハイファンタジー」 といっても、そこいら中にあるものだということが分かりました。そうしますと、FF14ならではの特徴は何処にあるのかという疑問がもたげてきます。先日の田中Pのインタビュー (インテルゲーミング特設サイト ) を眺めて、疑問が解けました。


FINAL FANTASY® XIV を開発していくにあたり、世界観のモチーフや参考にしたものはあったのでしょうか。

おそらく、開発の各担当者が参考にしたものはあるかと思います。ですが、全体的な世界観としては、FINAL FANTASY® XIV はファンタジーの王道、"ハイ・ファンタジー" を目指して作っています。ですが、その中に科学や機械文明など、異質なものも混じっているのが FINAL FANTASY® シリーズの魅力だと思っています。いずれにしても、世界観を統一することを心掛けています。


その "ハイ・ファンタジー" を実現するために苦労したことはありますか。

先ほども挙げましたが、異質なものをどう組み込んでいくかに一番苦労しましたね。たとえば中世ヨーロッパのような一つの世界観だけでゲームを作るのは、おもしろいかどうかは別にして、さほど難しくありません。ですが、FINAL FANTASY® シリーズではそこに異質な文明や文化が介入することが一つのおもしろさだと思っています。ですから、その苦労は大きいですね。


つまりFF14ならではの特徴というのは、ファンタジーの世界に、科学や機械文明などの異質なものをも調和させている ということ、でした。先ほどのインタビューの中でも、「異質なものをどう組み込んでいくかに一番苦労」 したと語っていますが、通常は混入しない ”異質なもの” こそがFF14ならではの味付け、であるという説明です。


■インタビューに登場する、ハイファンタジー(2)
田中: デザイナーがアートワークの方向性で考えているのは、最初にそのハイファンタジーを目指そうというのは根底にあったんです。いわゆる中世ファンタジーではない、もう少しモダンな感じのものにはなると思います。
2009年9月6日合同インタビュー(GameWatch より)

この発言は、先ほどのハイ・ファンタジーの定義を念頭に置いて眺めるならば、単なる ”時代的なくくり方” というよりも、中世風の剣と魔法だけの世界だけではなく、”中世の中に異質な (モダン風の) ものを加えたい” という風にも捉えることができそうです。


■コメント
振り返って見れば、FFの伝統といえば、古来のファンタジーに別の味付け (機械が登場するなど) がされているとしても差し支えないかも知れません。その1つの傍証として、剣と魔法の世界なのに、技術者 シド が、ほぼ全てのシリーズに登場していました (用語辞典 )。

個人的に忘れられないのは、FF11では 重厚な物語 と共に 映像の表現力 を合わせたものであったいう点です。こちらは、FFならではの、もう一つの特徴であるのかもしれません。

今回はちょっとかじっただけですが、ハイ・ファンタジー が何を意味するのか、知ることが出来ました。不思議なもので、言葉の意味を知ることで、インタビューなどの持つ意味に厚みが出てきたようにも感じます。