京王多摩川駅近くにある喫茶みよし。
とても良い鯛焼き屋でした。

「たいやき」の暖簾をくぐると店には誰も居ない。。。
「こんにちは~~~」と声をかけると中から人の良さそうな
可愛いおばあちゃんが出てきました。
「8個下さい」というと「時間かかるけど、大丈夫?」とのこと。
注文を貰ってから作るらしいです。スローライフです。

そういうわけで、甘味処になっている店内に腰掛けて
おばあさんが型をひっくり返す
かったん かったん という音を聞きながら待つことにしました。

型が変わっています。天然物でも養殖物でもない。
天然物のように両側から挟み、回転させながら日に当てるのですが
一匹ずつ独立しておらず、1つの鉄板で3匹焼けるようになっています。
「38年前に店を始めたときから使ってるのよぅ」とおばあちゃん。
多分今ではもう作られていない型なのでしょう。

型からはみ出た皮をちぎり、何をするかと思ったら店の外にばらまき始めました。
「そぉっと見てらっしゃい。」
息を潜めているとどこに隠れていたのか、すずめが集まり皮をついばみ始めました。
「うちの皮は美味しいからすずめが覚えて待ってるのよぅ」おばあちゃんはそういってちぎった皮を私にもくれました。

うん、美味しい!さくさくして、甘い!
「あんこは麻布の『浪花家』を目指して作ってるけど、あそこの皮は粉と水だけの、白っぽいのでしょう?皮も甘いほうが美味しいから、うちは卵と砂糖を入れてるの」

お話しているうちに鯛焼きが焼きあがったようです。
天然物(一匹焼き)と遜色ない薄型ボディ。
ほんのり甘いさくさくの皮の中には甘さ控えめのあんこ。
良い材料を使っているようです。確かに浪花家に似ています。
違いは皮。「皮はあんこを楽しむため」に殆ど味の無い浪花家に対しこちらのみよしは「皮も美味しいほうが良い」というスタンス。
どちらが好きかは好みですが、都内の鯛焼き有名店とも張り合える、
高レベルな鯛焼きであることは私が保証いたします。
もっと場所が良かったら、そしておあばあちゃんに商売っ気があったら
行列してもおかしくないのになぁ。

ネットで調べても殆ど情報が無いみたい。
何とか見つけたページを貼っときますのでお近くの人は是非行ってみてください。
http://www.diaclub.jp/townguide/tokyo/nishicyohu/01/index.html
http://www.182ch.net/reports/report008/182walk8.htm

「次は花火大会の日に来るからね!」
そう約束して私は暖簾をくぐりました。


調布市多摩川5-6-4 

Tel 0424-82-3448