亀田興毅について(その7)~トラブルメーカー~ | 10papaのボクシングブログ

10papaのボクシングブログ

初心者にも分かるボクシングネタを
趣味で(月1回程度)書いております。

大晦日のボクシングはよい試合が多く、盛り上がりましたね。
日本人選手、頑張っています。



前回は亀田兄弟の長男、亀田興毅選手について、最近の状況を説明しました。


今回は、次男大毅選手に関わる状況を中心に説明します。
前回の大毅選手の試合では大きな騒動がありましたので、察しの付く方もいらっしゃると思いますが、私の見解も含め記載していきます。




亀田大毅。


アマチュア経験を経て2006年2月にデビュー。現在までWBC世界フライ級、IBF世界スーパーフライ級の2階級を制しています。
戦績は33戦29勝4負と、すでに4敗しています。
これは他の兄弟と比べると対戦相手に強豪をぶつけられる傾向があることの結果であり、ガチンコ勝負で負けていることは決して恥ずべきことではなく、その点については一定の
評価ができるでしょう。


大毅選手と言えば、2007年10月の内藤大助戦での反則行為で1年間のボクサーライセンス停止処分を受けたり、自動車の追突事故を起こしたりと、当時の言動には数々の問題がありました。
ただ、近年はだいぶ落ち着いてきた印象があり、「3兄弟の中では自分が一番弱い」といった発言など、比較的謙虚な姿勢も見受けられます。



そんな大毅選手の最近の試合ですが、2013年9月3日IBF世界スーパーフライ級王座決定戦にてロドリゴ・ゲレロと対戦し、3-0の判定勝ちで2階級制覇を達成しました。


この試合の際にも、亀田陣営は当日計量の時間を日本ボクシングコミッション(以下、JBC)に通知せずJBC不在のまま挙行したり、使用するグローブに関するJBC職員への恫喝騒動があったりと、いろいろな問題が発生しましたが、もう細かい問題は説明を省きます。


話を大問題となった次戦2013年12月のWBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦へ進めます。



2階級制覇を達成した大毅選手の最初の防衛戦は、2013年12月3日、WBAスーパーフライ級チャンピオンのリボリオ・ソリス選手との王座統一戦になりました。
IBFチャンピオンの大毅選手とWBAチャンピオンのソリス選手、チャンピオン同士の戦いです。
チャンピオン同士が試合をする場合、当然ながら勝った選手が2本のベルトを保持し、負けた選手が無冠となります。


しかし、試合前日の計量でWBA王者のリボリオ・ソリス選手が体重超過で失格。王座はく奪となったことから騒動が始まります。


このような例外的な状況の場合、試合の行方、ベルトの行方はどうなるか?
これは事前のルールミーティングで確認を行っており、それは以下の内容だったと伝えられています。


「試合は予定通り実施。
 大毅選手が勝てばWBA/IBFの王座統一、ソリスが勝てばWBAもIBFも王座は空位になる。」


つまり計量をパスした大毅選手は勝てばベルトが2本、負ければベルトは0本。
計量失格のソリス選手は勝っても負けてもベルトは0本です。


この条件は、当日のTBSのボクシング中継でも何度も説明され、このような特殊な状況下でWBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦が行われました。



試合のほうは、大毅選手が善戦したものの、2-1の僅差判定勝ちでリボリオ・ソリス選手の勝利となりました。
テレビ中継でもソリス選手の勝利のアナウンスが伝えられ、「なお、ソリス選手が勝ったため、IBFとWBAの王座はいずれも空位となります。」との補足も伝えられテレビ中継は終
わります。


この時点で、テレビの視聴者はもちろん、会場に詰めかけた観客、そしてボクシング関係者の誰もが大毅の王座陥落を疑うことはありませんでした。



ところが、この後から大騒動が始まります。


この試合の後、王座を管理するIBF立会人のリンゼイ・タッカー氏が亀田側の控室に入って、10分ほどで出てきた途端、いきなり記者会見を開いて「IBFにとっては挑戦者であるソリスが、昨日の計量に失敗した時点でIBFの王座は大毅のままとする。試合は負けだが、防衛回数にもカウントされる。」と発表したのです。
試合が終わってわずか30分後で、状況が一変したわけです。


つまり「大毅選手は試合に負けたのに王座は防衛」という事になり、一般の人達にはまったく理解の苦しむ結果に変わったわけです。



TBSもボクシング中継の中で「IBFとWBAの王座はいずれも空位」と放送しているため、その後のニュース番組で内容を撤回、大毅選手の王座防衛を報道しましたが、すでに面目丸つぶれ。当然、抗議の電話も殺到しました。


しかし、この大混乱を招く会見を開いたリンゼイ・タッカー氏は、報道陣からの「亀田が負けた場合は IBF王座は空位になると説明していたはずでは?」という問いかけに対して、「そう言った記憶はない。もし言ったとしたら、それはミステーク(誤り)だ」とシラを切るような言い方をします。


JBCも、亀田大が王座にとどまることについて「IBFが認めるなら、JBCは従うしかない」と一旦は「容認やむなし」の姿勢を示しました。



ここまでならIBFの不可解な行動という問題にとどまったのですが、さらに混乱を招いたのは、亀田ジム側が「負けても王座防衛となる話を試合前から知っていた」と主張し始めたことです。
そして「このような混乱を招いたのはJCBの確認不足、管理不足が原因」として、亀田ジムの嶋マネジャー、父の亀田史朗氏、長男亀田興毅らが一斉にJBCを激しく批判し始めたの
です。



さすがのJBCも、試合前日のルールミーティングで確認をとっていただけに、これには怒りを露わにしました。


亀田ジムに対し「虚偽を並べ事実を湾曲しようとしていると人物がいる」と事情聴取を開始、場合によっては厳しい処分を辞さない姿勢を示すと、亀田ジム側も弁護士を立てるなどして、全面対決の様相です。
両者の主張は平行線のまま、まだまだ決着が付くのは先になりそうです。




さて、この亀田大毅選手のIBF王座防衛問題について、ここまでの経緯は一部表現を見直してはいるものの、ほとんどはネットなどのスポーツニュース情報から引用したものです。

これだけでもやはり普通の感覚で聞くと、IBFの対応、亀田側の主張に不自然さは否めません。
仮にIBFおよび亀田側の主張(当初から「負けても防衛」は決まっていた/知っていた)が本当だったとしても、以下のような疑問や矛盾点が残ります。




(1)ブログでは「負ければ空位」と記載


「負けても王座防衛をなる話を試合前から知っていた」と主張する亀田陣営。しかし試合前日、①亀田ジムのスタッフブログ、②亀田興毅のブログ、③亀田大毅のブログではいずれも
「明日の試合は大毅が勝った場合は統一チャンピオン、ソリス選手が勝った場合は両方の王座が空位になる。」という内容の記載しています。


「混乱の原因はJBCの確認不足」と言い張る亀田側にいるはずの①亀田ジムスタッフ、②亀田プロモーション社長である亀田興毅、③試合を行う亀田大毅本人が揃いも揃って誤った認識の内容をブログに記載していたことになります。

おまけに一部のブログは、試合後騒動が起きてから、ブログの記載を削除しているというお粗末さ。
怪しいこと、この上なしです。



(2)知っていたなら、なぜもっと早く伝えないのか


亀田ジム曰く、「負けても防衛」ということは前日のルールミーティングで口頭で確認し、知っていたそうです。
では、なぜ、そのルールミーティングの後、すべての報道機関が「負けたら空位」と伝えているのに、亀田陣営は「負けても防衛」だということをファンや関係者に報告をせず、
試合が終わってから「(実は)知っていた」となるのでしょうか。


知っていたのに言わなかった…。これは王座統一戦を楽しみにしていたファン、お金を払って会場に足を運んだファンを裏切る行為であり、そのことに対してファンへの謝罪の言
葉はありません。



(3)IBFは失格した選手との試合をなぜタイトルマッチとし防衛回数に数えたのか


体重超過で失格となった選手と試合をして負けたからといって、ベルトが異動しないという理論は分かります。しかし、なぜその試合を防衛回数に数えるのでしょうか?
本来このようなケースは、試合を中止にするか、試合をしたとしてもノンタイトル戦(ベルトのかからない試合)として実施するべきです。


ボクシングのタイトルマッチは試合当日にコミッショナー宣言というものを行い、正式な世界タイトルマッチであることを宣言(認定)します。
IBFも試合当日はコミッショナー宣言をしており、大毅選手が負けたからといって、後から「あればノンタイトル戦です」なんてことは当然言えません。
「負けたけどタイトルマッチなので防衛回数に数える」という不自然な対応となったのは、予想外に大毅選手が負けてしまったことによる、IBFの苦肉の策なのではないでしょうか




やはり、これらを考えても、「負けても防衛は決まっていた/知っていた」ではなく「負けたら空位だったのに、それを何者かが後から覆した」としか思えません。
そこに何か負の力が働いていたとしか思えません。
みなさんは、どう思いますか?




それにしても、ボクシング界のトラブルと聞くと、必ずと言っていいほど亀田一家が絡んできます。
何かあるごとに「また亀田か…」というような状況です。



これまでも以下のような数々のトラブルがありました。



・内藤大助戦における亀田大毅の反則行為による1年間のボクサーライセンス停止
 およびセコンドについた父史朗・長男興毅が反則指示をしたという件
・疑惑の判定の数々(視聴者からTBSへの苦情が殺到したという意味で)
・父史朗の対戦相手やテレビコメンテーターなどへの数々の暴言
・父史朗の観客への暴行未遂騒動
・父史朗のレフェリーに対する暴言騒動でJBCからの厳重注意
・父史朗のJBC関係者への恫喝騒動に対し、ボクシングライセンス取り消し処分
 (事実上の日本ボクシング界永久追放)
・個人所得の税金申告漏れ
・清水智信選手への休養王者問題
・当日計量をJBCに通知せず挙行
・亀田三兄弟のJBC職員への恫喝騒動


おそらく表にでない問題、騒動はもっとたくさんあるのでしょう。
まさにボクシング界のトラブルメーカーというわけです。



そして、これら問題のほとんどは、亀田陣営から公の場で十分な説明をすることもなく、もちろん謝罪することもなく、そもそも一部の大問題を除いては、テレビや新聞などのメディアで大きく取り上げられることもありません。



ただ、ひとつ言えるのは、いくらチャンピオンとして生き長らえても、ファンに良い試合を提供せず、数々の問題を引き起こし、不十分な説明と対応を続けていては、ファンは離れていくばかり、アンチファンはますます増え、世の中の亀田家に対する需要も減っていくだけだと言うことです。




しかし、この一家に限って、どうしてこうも沢山の問題が起きるのでしょうか?


ただの偶然? いやいや、そんな訳ないですよね。



そこら辺の要因をひも解いていくため、もう少しだけ彼らの話を続けていきましょう。




(つづく)




↓楽しんで戴けた方はワンクリックご協力願います。

にほんブログ村 格闘技ブログ ボクシングへ