西岡利晃について(その4)~世界に通用するチャンピオン~ | 10papaのボクシングブログ

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趣味で(月1回程度)書いております。

今週、西岡選手の状況に大きな進展がありました(^o^)/
話を急がねばなりません。



前回は、西岡利晃選手が5回目の挑戦にて悲願の世界チャンピオンに就くまでのお話でした。
今回は、その後の西岡選手の活躍について説明します。



さて西岡選手、念願の世界チャンピオンとなり、その喜びは計り知れません。
そしてこれほどの苦難を乗り越えての世界王座奪取、次の目標をどこに置くのでしょうか?

既に32歳のオールドチャンピオン、世界王座に就いただけで十分満足なんじゃないかと、当時の私は思ってしまいました。



しかし、取材やインタビューで次の目標を聞かれた時、西岡選手はよくこのような発言をしていました。



「ただの日本人世界チャンピオンではなく、ニシオカという固有名詞で世界に通用するチャンピオンになりたい。そしていつかラスベガスでビックファイトをやれる選手になりたい。」




んっ…?




「ただの世界チャンピオンと世界に通用するチャンピオン?
そもそも世界チャンピオンって世界一なんだから、世界に通用してるんじゃないの??
ラスベガスで試合ってどうゆう事???」



な~んても思ってくれる方がいたら説明のし甲斐があるのですが(^^)


ではここで西岡選手が言っている「ただの世界チャンピオン」と「世界に通用するチャンピオン」の違いについて、あくまで私の個人的見解ですが、説明しましょう。





今から50年前の1962年、のちに世界ボクシングの殿堂入りを果たすファイティング原田さんが世界チャンピオンに輝いた時代、世界のボクシングは団体がWBAの1団体のみ、階級も8階級しかなく、その中で君臨する世界チャンピオンは、唯一無二の圧倒的なステータスを持っていました。


そして現在のボクシング界はどうなっているかというと、ボクシングの主要団体が4団体、階級も17階級に分かれており、単純計算でも4×17=68人。これにスーパーチェンピオンや暫定チャンピオンも含めると、実に80人以上の世界チャンピオンがいることになります。
おかしな話ですが、この50年間で、世界チャンピオンが10倍に増えたことになります。


そんな状況ですから、ひとえに世界チャンピオンといっても、ボクシング関係者なら誰でも知っている存在ばかりではなく、チャンピオンの母国の人々や一部のボクシング通しか知らないようなチェンピオンが沢山いる訳です。

もちろん、それでも世界チャンピオンになるのは、並大抵の事ではないのですが、このような大勢いるチャンピオンの1人1人をここでは「ただの世界チャンピオン」とします。


ではその中から「世界に通用するチャンピオン」となるにはどうしたらよいか?

それはやはり強い相手と戦い、防衛回数を重ねる事、複数団体の統一チャンピオンになる事、複数の階級でチャンピオンになる事などが必要になります。そしてただ勝つだけではなく、試合でファンを魅了し人気を獲得する事が必要です。
そうすることで、ボクシングファンなら誰もが知っている「(固有名詞だけで)世界に通用するチャンピオン」となれるのです。


そしてそれらスター選手を見ることが出来るのが、ボクシングの本場と言われるアメリカのリングなのです。
国籍によらず、ボクシングにおけるスター選手の多くが、ラスベガスなどアメリカのリングで試合をしています。


なぜかと言うと、アメリカはボクシングの人気が非常に高く、需要がある分、広告やテレビ放送などで集められる資金が、他国と比べ圧倒的に大きいのです。
そのため世界トップクラスの選手たちの多くは、アメリカのプロモーション会社とプロモート契約を結び、アメリカで試合をすることで多額のファイトマネーを得る事ができるのです。


マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーのような、1試合数十億円といったファイトマネーは、アメリカのリング以外では不可能なのです。



日本人世界チャンピオンの多くは、ほとんど日本人にしか知られていませんし、試合も日本と相手国くらいしか放送しません。いわゆる「ただの世界チャンピオン」の試合です。
しかしアメリカでの試合、特にメインイベントとしてアメリカでテレビ放送されるような試合は、世界数十カ国のボクシングファンに配信するメジャーリーガー(世界に通用するチャンピオン)達の試合なのです。




西岡選手の言っている「世界に通用するチャンピオン」や「ラスベガスでの試合」の意味が伝わりましたでしょうか?
それは、このような世界のボクシング事情を加味しての発言だったのです。



しかし、当時の私はこの発言に少々違和感を感じていました。


たしかに西岡選手が5度目の挑戦で世界チャンピオンに輝いた点は評価に値しますが、ちょっとそれ以上の活躍は無理なんじゃないかと…。


チャンピオンとなった試合は良い試合でした。ただそれは良いチャンスを上手く生かしたという側面もあり、試合の動き自体、私の目には若い頃の西岡選手のスピードや切れが感じられませんでした。

ですからチャンピオンとして運よく2~3度防衛できても、1~2年以内にはチャンピオンから陥落して引退するんじゃないかと。。。




しかし、西岡選手がチャンピオンに輝いてから4年近くが経過した今考えると、どうやら私のあの時の考えは間違いだったようです。


とはいえ、いったいどれだけのボクシングファンが、現在の西岡選手のこれほどまでの活躍を想像できたでしょうか?



それはどんな活躍か?

冒頭「その後の西岡選手の活躍について説明する」と言って、前置きがすっかり長くなってしまいました。

次回から、具体的に説明します。



(つづく)



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