愛媛・香川旅行15 高松城 | 旅中毒

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バックパックと少しのお金とパスポートがあればいい。行けば行くほど行きたい場所が増え、人生狂って後悔なし!

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朝、少しばかり体調不良でした。そりゃ仕方ない。前夜の痛飲が祟っておりました。吐いたり頭痛がしたりってのはありませんでしたよ。ま、いいお酒だったしね。でも、最終日は早起きして公園をハシゴしようと思っていたのに、ちょっと、無理でした。きれいな庭園がいくつかあるので楽しみにしてたんだけどね。

 

しかし、宿のチェックアウトの時間ぎりぎりまで寝ているという選択肢は、私にはありませんでした。と言いますのは、部屋が猛烈にヤニ臭かったから。時々窓の外に顔を突き出して外の空気を吸わないと死にそうになるほどの、凄まじい悪臭でした。禁煙の部屋がなくて喫煙の部屋にしていたので文句もつけられませんが、普通は喫煙の部屋でも多少タバコ臭いなと思う程度ですよ。前日にパイプを吸う人が泊まった部屋に滞在したこともある。でもいつも「煙の臭い」がしただけです。今回みたいな、ゲロりそうになるほどヤニ臭い部屋、後にも先にも知りません。前日にとまった人がヘビースモーカーだったとかじゃなくて、壁とか拭いたことがなくて長年のヤニがしみ込んでる感じの、まとわりつくような汚臭。

 

安いし場所もいいからと選びましたが、大失敗でしたね。寝ている間は意識不明なのでどうでも良かったけど、覚醒中に滞在できる部屋ではない。喫煙者であっても、あんな拷問部屋は嫌なんじゃないだろうか。それに、夜に受付にいた男性は感じが良かったけど、朝にいた男性はいちいちツンケンしてケンカ売ってるみたいな喋り方だったし、お金をもらっても二度と泊まりたくない。人生でワースト2位の宿。1位はグルジアでオーナーが部屋に忍び込もうとしてきた宿ですが、それはもう事件の範疇なので、通常営業で語るならここがワースト1位か。

 

 

さてさて、この日の観光は玉藻公園のみとなりました。高松城があった場所ね。JR高松駅から徒歩5分もかからない場所にお城があるなんて、すごいなあ。ここでも素晴らしい無料ガイドさんがついてくれて、入場料200円という激安で堪能してきました。駅に近いのは二の丸で、結局そこの門(があった場所)が現在ではメインの入り口になっている。

 

これは月見櫓。下にある水手御門は、お殿様が参覲交代に行く時などに船に乗るのに使った門です。お城の中でこの櫓と門の眺めが一番かっこいいと思う。

 

殿様はまずここから小舟に乗ってお濠を進み、海に出てから大きな船に乗り換えたのだ。


櫓の中の階段が幅広くて驚いたわ。こういうのって普通は一人分の幅か、2人分でもすれ違いが大変なくらいだと思うけど、ここなら詰めたら3人は通れるね。写真ではまったく伝わらんと思いますが。誰か人がいる時に撮れば良かった。

 

ここから海上を監視していたのね。遠くに山城が見えているのも教えてもらった。山城に上るルートも整備中だって。いつか行きたい。この写真の奥に写ってるお屋敷は、殿様のお住まいだったところ。大正時代に建て替えられたので比較的新しい。

 

櫓の中は博物館でもあるので、咸臨丸の模型や屋根瓦などの展示もあります。

 

ガイドさんがいなかったら見落としていたであろう、石垣の面白さ。左側の写真、上にある櫓が拡張されているのですが、その痕跡が石垣にも残っている。石の積み方が全然違うの、わかりますでしょ。そして右の写真のポイントは、石に穿たれた穴。石工は大きな石を割るために、ここならパキッと石が割れるであろうと当たりをつけてノミを打ち込むのですが、どうやらこれは失敗の跡らしい、と。


 

本丸跡と天守に行ってみましょう。お濠を超えていくのよ。昔は、本丸のある島を囲む内濠、お城の敷地を囲む中濠、城下町を囲む外濠の三重だったんだって。ああ、そのまま残ってたらどんなに…。

 

これは左右がつながっている写真ではありません。左は橋越しに天守を臨む一枚。右は二の丸の方角を撮っています。

 

左の写真に写ってるのがガイドさんです。頼まなきゃ損だよ、お城の歴史はもちろん、修復のこぼれ話とか本当に色んなことを教えてもらえる。自分だけで歩いていたら気づかなかった見どころも教えてもらえる。ところで、お濠は海と繋がってるのでチヌとかがいるの。ガイドさんがばらしたところによると、雰囲気作りのためにわざと海の魚をお濠に放っているそうですがw

 

天守は土台しかないんだけど、それでも上に上がると海や島が見える。三大水城の名にふさわしい、美しい眺め。

 

お堀の突き当り、ちょっと左側に黒く見えているのは水門です。水門っていいよね。ワクワクする。

 

さっき渡ってきた橋。屋根の付いた橋っていいよね! なんかときめくよね。あ、写真の奥左の方、お堀の向こうに見えているのは、ことでんの高松築港駅です。私が昨夜ビールを飲み始めた場所。

 

それにしてもお濠の水のきれいなこと。お天気が良かったせいもありましょうが、この澄んだ緑色の美しさよ…。言いたかないけど、大阪城のお濠なんてドロッとした色で気持ち悪いったら。高松城のお濠になら落ちてもいいけど、大阪城のお濠に落ちるのは嫌だわ。

 

高松城は1588年から数年で建てられたそうだから、松山城や今治城より少し古いのね。明治維新も関係なく無事に残りましたけど、例によってアホ明治政府が出しやがった廃城令により取り壊されました。まあね、全国を巻き込んだ内戦を経て政権交代したばかりで、国中に軍事拠点なんて置いておきたくないわよね。

 

 

頭ではわかっても心が納得せんわ!

くそおおおおおおおおおおおおおお

 

 

それでも天守は1884年(明治17年)までは残ってたそうですよ。老朽化を理由にぶっつぶした。んで、土台だけが残ってたんですが、2005年に海のかなたの英国はケンブリッジ大学の図書館で、1882年の高松城の写真が発見されたのだ! これを機に天守復元の運動が起きて、まずは2006年から発掘調査が始まり、ゆるみが生じていた土台の解体と再建が成りました。

 

天守の一階は土台の地中部分にあったの。礎石や柱穴の跡が発見されております。

 

今治城だと、今ある建物は検証をもとに推測した姿で建てられています。でも高松城が目指しているのは「復元」なんだって。在りし日の天守閣の真の姿を今によみがえらせたい。だから証拠が得られるまで再建に着手しないんだって。価値ある資料には懸賞金がかけられています。どんな小さな資料でもいいから、連絡してくださいって。どこかお金持ちの蔵の中にでも、お城の設計図が眠ってないかなあ…。高松市、頑張ってくれ!

 

 

 

さて、こちらは披雲閣といいまして、藩主の職場や住居。…があった場所。

 

江戸時代には今の倍の規模の建築群だったそうです。しかし明治時代に老朽化により取り壊し。

 

 

やたら壊すな!補修してくれえ!

むしろ放置してくれていた方が…!

 

 

そして大正3年に松平家の伯爵が昔の姿に倣って3年かけて再建しまして、別宅兼迎賓館として利用したのだそうです。今では国の重要文化財。でも気さくなことにレンタル可能ですので、私も貴方もここでパーリーできちゃうの。この日も公園に見学に来た人を相手にお茶席をやってましたよ。私も行きたかったけど、時間がなかったのでやめておいた。次に行ったらゆっくり披雲閣を見学して、お茶でもいただきましょう。

 

 

さて庭園と馬場を抜けて、ついに公園の反対側まで来ました。艮櫓です。

 

そして大手門。可愛らしいサイズね。ポイントは、橋がめっちゃ斜めにかけてあること。

 

本当は、艮櫓と大手門をお濠越しに眺める場所が一番の写真スポットなんですって。確かに、高松城っての写真といえばそれだわ。私も撮りたいのは撮りたかったんですが、とにかくね、もうバスの時間が迫ってましてね! 艮櫓の向こう側まで行く心の余裕が! 「どうせなら公園を抜けて戻っていきましょう。まだまだ説明することはいっぱいあるから」とガイドさんが言ってくれるので、速足で歩きつつ最後の最後まで色々と聞かせてもらった。

 

マジで、ガイドをお願いした方がいいよ! 絶対にお得だから!

 

ああ、高松城、1時間半じゃ全然足りなかったなあ。当たり前だけどさあ。3分の1も見れなかったよ。ま、高松なら近いからまたいつでも行ける。次に行ったら船でお堀をクルーズするのもやってみたいし、批雲閣でお茶もいただきたいわ。

 

 

というわけで、割と突然決めたゴールデンウィークの四国旅行が終了いたしました。夕方まで使って、夜遅くに自宅に戻るのでも良かったのですが、この日5月8日は、難波の紅鶴で「最狂超プロレスファン烈伝」の徳光康之先生のトークショーがあってね。それに間に合うように帰ってこないといけなかったから。

 

高知や徳島には昔家族で行ったことがあるし、金毘羅さんにも15年位前に同僚たちと行きましたが、なぜか瀬戸内海沿岸部は未知の土地でした。こっちのほうが近いのにね~。何といいますか、よく旅行好きが言うところの「行けば行くほど行きたいところが増える」の状態ですね。気に入った場所は再訪したいし、それまで知らなかったものを知ることになるので、興味を惹かれるものが見つかってしまうのだ。

 

せっかく近いんだから、夜行バスなども上手に使って、ちょくちょく行きたいものです。

 

お世話になりましたダニーさん、Nちゃん、本当にありがとう! 普段が一人旅ばかりなので、連れがいるとこんなに楽しいのかと開眼する思いでしたわw また行くのでよろしく!