三遊亭ありがとう | 古今亭志ん輔 日々是凡日

三遊亭ありがとう

sinsukeのブログ

 
小学生の少年は図書館で借りた三代目金馬のCDに感激した。落語の虜になった少年は次々とCDを借り続けた「ないのもあったでしょ」「ええ、取り寄せをお願いしました」文楽、志ん生をはじめありとあらゆる噺を聞きまくった。「圓生百席」も全て聞いた。「小学校で噺家になりたかったんですが親が許してくれませんでした。せめて高校までは行きなさいって」当り前の時間が流れていたが少年は当り前に飽き足らなくなっていた「高校中退しちゃいました、早くなりたくって」6年生で長唄の稽古もを始めていた。ただのわがままな少年ではない。親からの仕送りは3万円、4万5千円の家賃には足りなかった「定給がありますから」二ッ目以上は歩合制だが前座はお客様の入りに関係なく給金がもらえる。とはいっても「私は1日千円ですから」30日で3万円。差し引き1万5千円で食費、光熱費、その他すべてを賄わなければならない。「でも好きなんです」その表情に「苦労している」影はない。桜満開現在17歳、ありがとうの目が光っていた。