◆越境チベット人中国へ送還 |  ヌーhiron

◆越境チベット人中国へ送還

越境チベット人3人送還 中国の圧力受けネパール

2010.7.31 http://sankei.jp.msn.com/world/china/100731/chn1007310032000-n1.htm


在ネパールの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)報道官は30日、共同通信に対し、ネパール政府が6月、中国から国境を越え、ネパールに不法入国したチベット人3人を強制送還したことを明らかにした。


ネパール政府はこれまで、越境チベット人を中国に強制送還せず、UNHCRを通じチベット亡命政府があるインド北部ダラムサラへ移送していた。大口援助国である中国の圧力で方針を転換、取り締まりを厳格化したとみられる。


報道官によると、UNHCRはネパール外務省などに強い懸念を伝えた。ネパール移民局当局者は同日「強制送還した事実はない」と否定した。


報道官や人権団体によると、3人は20歳と21歳の男性僧侶と22歳の女性公務員で、中国との国境に近いネパール北部フムラ地区で警察に拘束された。(共同)




A Tibetan in-exile (C) breaks into tears following her release from a jail in Kathmandu in March, 2010.
Nepal has forcibly repatriated three Tibetan refugees, the United Nations said on Wednesday, adding it was
"extremely concerned" by the move. (AFP/File/Prakash Mathema)




閉ざされつつある「亡命への道」


中国政府の圧政下にあるチベットでは、教育や宗教の自由を求め、年平均2,500人がネパール経由で亡命をしてきた。目的地はダライラマ法王のお膝元、北インド・ダラムサラ。しかし直接インドに入らずネパールに入る。


それはなぜか?チベットと、ネパール・インドの間には世界の屋根ヒマラヤ山脈が横たわり、標高の高すぎるインド・ルートよりも、多少なりとも条件の緩やかなネパール・ルートが選ばれる。


1989年、ネパール政府は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と「チベット難民に第3国への中継地としての通過を認める」紳士協定を結んだが、2005年には、中国政府の圧力に屈し、それまでカトマンズにあったチベット難民福祉事務所とダライ・ラマ代理事務所を閉鎖。


2008年4月、チベット動乱の最中、ネパール政府は中国の一国政策(チベット、台湾を含む)支持と北京五輪の支持を声明。3月には、中国の新華通信カトマンズ支社付近で抗議行動をしたチベット人84人を逮捕。殴打、拘束だけでなく、中国への送還を警告した。


ヒューマン・ライツ・ウォッチ は、「中国は、政治犯に対する非人道的な扱いが問題になっている国。中国支配に抗議したチベット人を中国へ送還することは、重大な国際人権条約違反に当たる」と主張。


中国への送還は、2003年に子どもを含む18人のチベット人がネパール警察により中国側に引き渡されて以来初めてだとういう。


UNHCRは「亡命を求める誰もが、その意思についての調査を受ける権利ある」としている。今回のネパール政府のチベット難民送還はUNHCRとの取り決めにも反したものだが、ネパール当局は「強制送還した事実はない」と否定している。


小国ネパールでは、中国政府の影響力がどんどん増加している。さらに、2008年のチベット動乱以降、中国政府の国境監視が強化され、ヒマラヤを越えてくる人の数はかつての1/5程度に減っている。(難民支援NGO"Dream for Children"代表、亀田浩史 さんのお話)



どんどん狭くなる、チベット人の亡命への道。

中国政府にお灸をすえる方法はないのでしょうか?