4月3日、双葉町に帰ってきました。
あらかじめ現地に行っていた専門家の方が、
実家の近くで放射線濃度を測っていてくれました。
一年間の許容範囲が
1000マイクロシーベルト(1ミリシーベルト)。
原発5km圏内の私の家で50~100マイクロシーベルト程度。
なので私は被曝しませんでした。
専門家の方と話し合って、
数時間なら大丈夫だと判断しました。
(崩れていない道も電話でちゃんと教えてくれた。)
288号線は、車がギリギリ1台通れるくらいで陥没が凄かった。
数センチ間違ったらタイヤが落ちる。
電柱が倒れているし、ガラスや石もたくさん散っていました。
踏んだらタイヤがパンクするから慎重に進んだ。
玉の湯を過ぎたあたりから地割れが酷くて、厚生病院の方に着くまで一時間以上かかった。
私の運転技術のせいかもしれないけれど。
やっと町に入ったら、犬の大きな鳴き声が聞こえた。
ビックリして食べ物と水を持って、声の方に走った。
前田川沿いの家からだった。(ブックランドに抜ける橋の所)
ラブラドールみたいな黒い大型犬が鎖で繋がれたまま私を見て叫んでる。
ガッチリしたクサリだ。(光善寺近くの林さん宅)
『なんでみんな居ないの!?』
って言われた気がして、ぐちゃぐちゃに転びながら抱きついた。
ネコ用のカリカリを紙皿に入れてあげたら、
慌てて右前足ではじいちゃって、
全部地面に散ってしまった。
早く食べたいだろうに3回もお皿がひっくり返った。
4回目でやっと食べたと思ったら一瞬で無くなった。
正直、トランクにあるエサは数が足りない。
そのお宅の裏口にあったリンゴ、山芋、乾燥モチ、カブ、味噌汁にいれる葉っぱ等が目に入ったので、
全部その犬にあげました。
飼い主の方(林さん)、勝手にやってしまって迷惑だったらごめんなさい。
蛇口もひねりました、ごめんなさい。
水が出なかったから、ペットボトルの水をお皿にあけてきました。
鎖は外しました。
家の周りをウロウロしてますが、ちゃんと食べ物あります。
もし、これを読んで心当たりがある人は、飼い主の林さんに犬が生きてることを伝えて下さい。
多分加須市にいると思うから私も行って聞いてみます。
改めて、3週間何も食べてなかったのを想像したらゾッとした。
更にこの犬は、水も飲めてないのに生きてた。
希望が湧いてきて、少しだけ泣いた。本当に少し。
その犬と30分くらい一緒に過ごして実家に向かった。
双葉町体育館を過ぎたあたりで心臓がバクバクしてきた。
さっきは大型犬だから生きてたんだ。
ネコは無理かも。
って思ってしまったから。
実家の庭に入った瞬間、目をつむった。
恐る恐る目を開けたら、
白いネコが玄関から隣の家にダッシュする瞬間だった。
生きてた。。。
ニワトリも生きてた。
だけど、産まれたばかりの小さなニワトリは丸くなって死んでいた。
母ニワトリは、気付かないのか、子供にくっついている。
ごめんね。。。
何が起きたかわからないよね。。。
町中の犬に餌やってきた。
じいちゃんの位牌とか写真、現金、パソコン、テレビ、その他もろもろ+ネコ3匹連れてきた。
隣のガソリンスタンドのお兄ちゃんが、私に気付いて車で実家の庭に来てくれました。
(作業着の左胸にマジックでフルネームが書いてあった)
ガソリンスタンドをいわきに移転するために、毎日いわき~双葉町を往復してるそうです。
みんなの家もまわってきた。
羽鳥の方(友達の家)は、道路陥没と線路ガチャガチャで道路通るの厳しいけど、家は平気っぽかった。
犬がいっぱいいたから餌あげた。
海側(郡山)はさすがに行けなかったけど、
浪江にも双葉にもまだ人が住んでた。
サンプラザのガラス割れてて、
商品が無くなってた。
あと山田で牛の大群に追いかけられてビックリした。
新潟から毎日原発に通ってるって知り合いにバトンを渡してきたから、
4日からはその人たちが動物の餌やりに行ってくれてるよ。
ペット置いてきた人、
みんな生きてるから大丈夫だよ。
また第二段レポート書きます。