トヨタのリコールが、全世界で400万台にも及ぶという。確か全生産台数が700-800万台(グループ生産台数。トヨタ単体では630万台)だから半数以上に上ると言う。せっかく業績が上向こうと言う時に、トヨタにすれば大変なことになってしまった。

 今から5年ほど前、トヨタの技術関係の役員と話した時に、さる自動車・オートバイのメーカーに勤めていた友人の話をした。それは、ちょっと高めの価格のオートバイの原材料の方が安全性に優れていると思ったので、彼がそれを調達しようとしたところ、上司が「そんな高いものは調達しなくていい。どうせ10年も乗らないんだから」と言って、調達はずっと価格の低いものになったという。

 自動車を10年以上乗っている人も結構いるので、その話をしたところ、トヨタの役員氏は、「そんなに原材料費に使えないんですよ。まあ10年間、10万キロは保証しますが」とか言っていた。

 むこうは、それぐらいもてば勘弁してよ、ということで言ったと思う。日本人同士なら、それは、ぎりぎりのところでいい原材料を使えよーという意味だと解釈するが、外国人だとどうか。適当な原材料でいいと解釈するのではないか。

 トヨタは米国工場で作られた車に欠陥車が出ている。品質に厳しいと定評のあったトヨタだが、その評価は海外展開の拡大とともに急激に低下している。

 また、最近のトヨタの社員には、おごり高ぶったものが多いとも聞いた。横柄だと言うのだ。昔の人も当りは良くなかったが、それは三河武士のようなところがあり、決しておごったところはなかった。それが最近の社員は人をこ馬鹿にするようなところもあると聞いた。

 最近、トヨタの社長は、より低価格の調達を行うよう指示を出したという。低価格はいいのだが、あまりやりすぎると下請けも調達の品質を落としてくる。その辺をどう考えているのか。

 先にあげたトヨタの最近の傾向が、大凋落に繋がらないように、意識改革が必要だと思う。