アヘンは健康に良い??????(?_?) | 女子の為のの世界史講座

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面白いエピソードとともに比較文化論を交えながら、解説させていただきます。


リカーナのブログ
当時の英国の一般的なアヘンに対する見解はつぎのようなものであった。

「アヘンの吸引は、激しい労働をする中国人にとって禍の元ではなく、反対に慰めであり恵みでもあることが十分に明らかになってきた。モルト・ウィスキーが英国の労働者にとって、禍であり、煙草が、世界中の人々にとって禍であるのと同程度は、アヘンは禍であろう。しかし、乱用と消費は別である。少数の人々にとって、アヘンが破滅的な誘惑であることが明らかになったとしても、何万の人々にとっては、それは健康的な生活と生活の楽しみを生み出すものなのである。」アヘンは、酒や煙草と同じであり、「慰め」であり、「恵み」でもあるととらえていた。


開戦には反対していた英国首相グラッドストンさえ、英国人が酒を好むと同じく、中国人はアヘンを好む、同じではないかと述べている。罪悪感まるで無し、である。彼自身も、コーヒーにアヘンを入れて飲むのを習慣としていた。


バードウッド(インド省顧問)という人物は、「飲酒がもたらす暴力的な振る舞いを嫌い、秩序と礼節を重んじるアジアの人々にとって、アヘンは極めて適した嗜好品である。」「アヘンの飲食の場合、過度の摂取は危険性を持つが、程度な摂取はマラリア熱を予防し、アジアに多い菜食主義者の健康維持にてきしている」と臆面もなく主張していた。


また、彼は、科学的根拠が全くないにも拘わらず、「アヘン吸飲の場合、吸飲用に調整されるアヘンは加工過程において麻薬的要素を失う上に、アヘンをランプで熱して吸い込む揮発物にはアヘンのせいぶんは含まれておらず、湯を沸かして蒸気を吸いこむのとまったく同じである」


彼は、中国に拡がっているアヘンの吸飲は完全に無害であるばかりか、アヘン吸飲の拡大がアルコール中毒を防ぐことに貢献したという点でも極めて有益であると信じ切っていた。



なかには「健康によい!」と断言する議員まで・・・・・

失礼!並み議員ではなく、ソールズベリーは内閣総理大臣だった。



彼は、次のように述べた「インド政庁の管理のもとで、注意深く生産されたベンガル阿片は、純粋で健康に良い!」と。



「私の信ずるところによれば、中国のなかでもマラリアの病が広がっている広大な地域に於いては、阿片はマラリア熱を予防するために、特効薬とは言えないまでも、最も重要な薬である・・・」


そして、当方では、「アヘンは必需品である」と論じた。


元上海領事ウィンチェスターは、「私は医学を学んだ人間として、中国の人々の嗜好品は、その環境と一定程度の適合性があるという結論に至った。


彼らは、熱病や下痢に非常に苦しんでいる。多くの場合、阿片吸飲の習慣は元来はそのような病気に伴う身体的苦痛や不快感を緩和するために使われたことに由来する・・・私は、中国人がアヘンと言う嗜好品を決定的に偏愛する理由は、中国にマラリアが多いと言う特徴と、衛生上のとりきめが全く欠如していることとに帰することができると考える」この発言から、阿片は有益であると言う結論が、英国の国会内の特別委員会でなされた。


他の議員も援護射撃を行う。ジョージ・キャンベル議員は、「アヘンの毒と、酒の毒は全く同等であり、どちらが、一方がより悪いと言うことは、不可能である!」


ダメ押しに、中国駐在領事だったスペンスは、「私の個人的な経験から言うならば、英国の都会の方が、中国で最悪といわれたアヘン吸咽地帯で四か月見てきたよりも、もっと堕落した悲劇を目撃した」


そこに、のこのこ、元インド財務大臣トレヴァリアン現れる。

酒もアヘンも、どちらも神の恵みであり弊害なしに消費されるものである。アヘンは、中国の人々の性格に適してると言われ、彼らが、全く悪影響なしに大量のアヘンを摂取していることは確かである。」

其処に、野党議員が突っ込む「私は、以前完全にアヘンの虜となった人は、年に400ドルも吸飲するという推計をみたことがあるが本当か?」

大臣「そういうことも十分ある」

再び、野党議員「それならば、事実問題として、年に100ポンドでそのような贅沢に投資できるような人は、非常に限られた階級の人々ではないのか?」

大臣「そうだ!資産家あるいは退職した官僚や現役官僚だ!」


要するに、阿片は中国における非常に限られたお金持ちの嗜好品であり、普通の庶民には関係がないものであると説明されていた。実際、高級品のイメージがあった。



いわゆる、害のない貴重な慰めを焼却してしまう清国政府は、懲らしめなくてはならないという論法だ!英国が、それなりの正義感を持って、アヘン戦争を戦っていたのがわかる。




英国は、かかる正義感を持って、アヘン戦争に挑んだのだった。












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