“マーク・ロスコ 瞑想する絵画”に行ってきた。 | ゼロファーストデザイン スタッフブログ

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千葉の佐倉市にある私立美術館“川村美術館”で開催されている“マーク・ロスコ 瞑想する絵画”に行ってきました。

高速道路がすいていたこともあり1時間足らずで到着。

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川村記念美術館は、DIC株式会社(旧:大日本インキ化学工業株式会社)の創業者・川村喜十郎をはじめとする川村家3代の収集品を公開するため、1990年(平成2年)に開館しました。

入り口券売機でチケットを買い、木々が茂る小道を抜けると広がる芝生と噴水のある池。広さ30万平方メートルのDIC株式会社総合研究所の敷地内に建つ美術館はヨーロッパの古城を彷彿とさせる外観です。

ちょうどお昼時だったので隣接するレストランで昼食。

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少し込んでいるものの、待ち時間の間は目の前のしだれ桜が満開で陽気も良くて最高。
それと、たぶん定年を迎えて趣味のカメラに没頭して木々を写真にとりまくってるのであろうおじさん達を観察。いったい幾らそのカメラに注いだのか、想像つかいなようなごっついカメラと真剣に向き合うその姿に「趣味があるって素敵だね、老後の趣味は やっぱりカメラかな。」なんて話をしているうちに席を案内されました。

ココのレストランを利用する時は一番奥の部屋の方が景色がよくておススメなのだけど今回は手前の部屋でランチ。それでも窓から桜吹雪が見えて綺麗でもうランチだけでも満足なくらい。。


館内へ入る直前、巨大なオブジェが出迎えてくれます。
アメリカの作家フランク・ステラ。川村美術館はフランク・ステラの作品を数多くコレクションしていることでも有名です。2次元では納まりきらない創造力は三次元へと膨らみ、それでも壁に設置するものは全て絵画として様々なシリーズを生み出したステラの作品の数々が館内でも見られます。

館内に入るとまず音声ガイドを500円でレンタル。静かに自分のペースで見たいという人には不要なものですが、作家の背景などその場で詳しく聞けてなかなかいい。ボタン操作で聞くので聞きたくない時は止めればいい。それと、川村美術館は毎日14:00から無料でガイドツアーをしているらしいのでそれに参加するのもいいかも。

目当てはロスコなのですが、川村美術館のコレクションはかなり充実していて各部屋毎のテーマが明快で見ることに没頭できる。モネ、ボナール、ピカソ、ルノワール、シャガール、レンブラント、横山大観、エルンスト、マン・レイ、ジョセフ・コーネル、、、ここまででも見応え十分です。

でもここから。

細長い通路の先に見える窓。窓の奥には林が広がっていてまるでそれ自体が作品のよう。細長い通路を突き当たり横の階段を上ると鮮明な色が徐々に全貌を表しはじめる。

そして、階段を上りきると目の前に広がる赤。

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“ニューマン・ルーム”と名付けられたその部屋はバーネット・ニューマンの“アンナの光”を展示するためだけの部屋。もう圧巻です。

高さ2.8m、横幅6.1mの巨大な絵。

両サイドの大きな窓からは程よい光が刺し外の緑がうっすらと見えてニューマンの赤をさらに引き立てています。見るだけで感じられる。ここに住みたい。ひたすらそう思いながら後ろ髪をひかれるように次の部屋へ。


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ジャン・ポロックの緑、黒、黄褐色のコンポジジョン。これが好き、しばらく見る。

ここに展示されている“第二次世界大戦以降のアメリカの抽象画”のコレクションは色彩の表現の仕方が斬新。
地のままのキャンバスに滲むように描かれたモーリス・ルイスの作品はこれをどう描いたんだろうと首を傾げます。
そしてフランク・ステラ。絵を描くのは四角い枠といった概念にはとらわれない作品達。



ついにマーク・ロスコへ。

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ロンドンのテートモダンとワシントンナショナルギャラリー、川村記念美術館が所蔵するロスコがここに集まっています。

ロスコは他の作家の作品とは一緒にされず自分の作品だけが飾られる「自分の絵画空間」をもつことにこだわりました。
今回のロスコ・ルームもまたその意思を大切に展示がされています。
少し高い位置にグッと隣接されて展示された深い赤茶色、オレンジと黒を基調に描かれた“シーグラム壁画”は見る者に何かを感じさせます。マークロスコは「精神性の高い絵画」といわれますが、このシーグラム壁画をまえにして感じることは、その絵に対する感情なのか、それとも色彩から受ける自己の感情なのか。考えるのか感じるのか。。。

ロスコは当初、黄色やオレンジなど鮮やかな色づかいで「色彩の画家」として評価されます。しかしロスコはこの評価を嫌うようになり次第に赤や黒など深く重い作品を描くようになります。

そして別の部屋には黒に黒を重ねた絵が4枚飾られた部屋が。


そしてロスコ最後の作品。
白い縁取りに灰、黒。

ロスコは70歳で自ら腕を切り自殺します。

この展示では本邦初公開となるロスコの書簡16通の展示もあり、翻訳も分かり易くならべられそのやり取りの背景も分かり易く説明されています。

あまり上手には伝えられませんがすばらしい展示です。

またロスコはクラシック音楽をこよなく愛していたとか。
ロスコの部屋では音声ガイドから流れるモーツァルトを聞くのもまた一興でした。

館内の撮影が不可の為写真は一部川村記念美術館のHPより。

外に出てからは自然散策路へ、

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“マーク・ロスコ 瞑想する絵画”は6月7日(日曜日)まで、
是非、佐倉の川村記念美術館に行ってみて下さい。

行けない人はAmazonで書籍が買えますよ。

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MARK ROTHKO/川村記念美術館

今回の展示会を記念して刊行された一冊。
¥2,940
Amazon.co.jp



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