今回はA級順位戦9回戦、渡辺明竜王ー行方尚史八段の一戦を紹介します
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順位戦の最終戦といいますと、昇級と降級が関わる対局が多いですが、本局は関係のない勝負
しかし、そんな対局なほど熱戦になることが多いんですよねぇ~


戦型は角換わりに

この早い桂跳ねは先手後手問わず流行してますね
相手の陣形に不備があれば、すぐにでも△65桂と仕掛けようという意味です


そして、△62金も流行りの手です

バランスを重視した戦いかたで、次に△81飛と引けば隙のない布陣となります


しかし、行方八段は飛車を引かずに仕掛けていきました

意欲的な指し方で、▲71角の筋などを気にしながら指さなければなりません
ただ、上手く指せば8筋の歩を交換しつつ飛車を引くことができます


▲68銀は好き勝手にはさせませんよという手ですね
次に▲66歩の狙いがあるので、後手はゆっくり出来ません

△44角▲77桂△同桂成▲同銀
△75歩
と進み、激しい展開となりました


▲45歩は攻めの催促
△77角成▲同金上△76桂▲同金
△66歩
と厳しい攻めが続きますが…


この▲74桂が金取りかつ飛車のラインを止めた好着

以下
△73金▲66金△77金▲69王
△35歩
と進んで下図


後手は左右から攻めて挟撃体勢を敷きました
これは諸刃の剣で、囲いの屋根を自ら崩しているので反撃を覚悟しなければいけません

実戦も
▲25桂△36歩▲33桂成△同金
▲34歩△32金
と攻めあいになりました


▲59角は左右の守りに効かした好手に見えますが、△68歩があるので優劣はつけ難いです


前手△35桂では46銀が優りました

しかし▲46桂もあまり良い手ではありませんでした
△45銀がピッタリで、先手困っています

代えて▲33歩成△同桂▲22角なら、▲31角打ちなどを見て先手有望のようです


ギリギリ凌いで上図

ここで△69歩成▲同玉△63飛(下図)
としたのですが、受けなしの好手順のように見えてこれが失策


どういうことかと言えば、▲42銀打ちからバラして△33へ玉を誘い込み、▲55角が王手しつつ金にヒモをつけています

そして…


後手は玉を引く一手

先手はそこで▲47歩と銀を拾えるのが大きい
これが詰めろ逃れの詰めろとなっており勝負あり


105手まで渡辺竜王の勝ちとなりました

最初から最後まで見所満載の好局でした


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