麻雀団体の理念と公益の違い2 | 無気力無関心(仮)

麻雀団体の理念と公益の違い2

それでは『麻雀団体の理念と公益の違い』の続きで『公益』に関してです。



公益』とは団体外の利益に対して奉仕することであり、団体それ自体の利益を追求する『私益(非公益)』と対比されます。


ただ、公益という言葉自体は曖昧な為、『麻雀団体における公益』というものに限定して挙げると、以下になります。


(a)その団体が日本の代表的な団体であること。そして一般で行われているルールも、その団体のルールが標準的であること


(b)麻雀に関して積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とすること


(c)麻雀という競技自体がギャンブルとの関係を絶つこと



(a)は、ゲーム関係の団体が公益法人になるのに重視される項目らしいです。


日本の代表的な団体』ということは、その業界の団体で活動が公益的だったら何でも良いという訳ではないようです。


麻雀業界には多くの団体がありますので、何をもって代表的ということを示すのでしょうか?


例えば、連合や機構では一般会員を募集していますが、おそらくこの会員の数を理由にするものと推測されます。


だとすれば、賞金1000万の大会で注目を集め、その参加資格として入会を求めるのにも非常に納得がいきます。(連合の場合は会員ポイントでシード権)


これは非常に上手いやり方だと思います。


また、連合が『麻雀』を『麻将』と呼ぶのも、もしかしたら『麻雀とは違う競技』ということをアピールして(違う競技の)代表的な団体であることを示そうとしたのかもしれません。


一般で行われているルールも、その団体のルールが標準的であること』ということは、ルール統一の為の活動が必要となってきます。


これに関して、連合は新報知ルール を(様々な著名人と連名)で発表して広めようとしましたが、一般には浸透していないのでこれに関しては不十分であると言えます。


また、機構はこれに関しては(現時点で)ノータッチです。



(b)は、『団体内でなく団体外の、特に麻雀を知らない人たちにも積極的に奉仕する』ということです。


基本的に麻雀団体の活動というのは、『麻雀を知っている』『麻雀に興味がある』という人に限定されますし、積極性にも欠けています。


これに関しては、連合は健康麻将として(厳密には連合と健康麻将はイコールではないですが)『教室開催支援』『サークル支援』『指導員の育成』を行なっています。(健康麻将全国会はNPO法人格を取得している。日本健康麻将協会は不明)


他にはネットゲームとの提携やTV出演によるアピールくらいでしょうか。


また、機構は大会参加費の一部を寄付することで福祉へのアピールをしてますが、それ以外は連合とほとんど同じになると推測されます。


しかし、これで十分と言えるのでしょうか?


むしろ、『麻雀を知らない人が麻雀に興味を持つ』『麻雀に興味がある人が麻雀を覚えられる』というのが重要なのではないでしょうか。


ということは、それを妨げる要因となる『麻雀の煩雑なルールの問題』『麻雀の(ギャンブル等の)イメージの問題』『麻雀を打てる場所の問題』『無数に存在する規格の問題』など、これら麻雀自体の問題を麻雀界全体で解決するという必要が出てきます。


しかし、両団体の活動規模は団体内にとどまっていて、とても公益的というレベルには達していません。(自分の所以外は知らないという考え方は通用しない。)



(c)は、『道徳上の問題』です。


一般の人の麻雀に対するイメージとは、ほとんどがギャンブルです。


ギャンブルではない麻雀も存在しますが、それをどれくらいの人が知っているのでしょうか?(当然、麻雀を知らない人も含めて)


そう考えれば、いくら自分の団体の競技性を語ろうとも道徳面はクリアーできません。


ということは当然賭け麻雀は排斥することになります。(または公営ギャンブルを目指すか?麻雀のゲーム性からするとほぼ不可能と思いますが…)


これに関しては、連合は『賭けない麻雀=麻将』ということで活動し、機構は専属選手は禁止という態度を取っています。


しかし、それ以外の賭け麻雀は全て黙認している状態です。


このままでは賭け麻雀は半永遠的になくなりそうにありません。



以上の理由で麻雀団体が公益法人になることは現時点では不可能です。


※ゲーム関係でも、ものすごくマイナーな競技の公益法人というのがいくつか存在しますが、これはマイナーであるがゆえに逆に(a)・(b)・(c)の条件を満たしやすいということがあります。(麻雀はメジャーでかつゲーム自体に問題が多い)



では、どうすれば公益法人になれるのでしょうか?


それは(a)・(b)・(c)の条件を全て満たせば良いだけです。


逆に言えば、現状の理念を実行するだけでは(連合がなれないのだから)機構は公益法人にはなれません。


これは、『理念が公益の域まで達していない』ということも理由として挙げられます。



それと、もしかしたら「本当は公益法人なんて目指してない」なんて後から言い出すかもしれませんが、それは『公益的な活動をしない(できない)』ということを暗に認めることになります。


せっかくスポンサーもついたんだから、あくまで理想は高く持って欲しいものです。



それとスポンサーということでもう1つ。


超法規的手段としては、もしスポンサーのコネが政治家にあったら、それで強引にねじ込んでもらうというのも1つの手です。


かなり非現実的な話ですが、毎年何億も払い続けるスポンサーというのも十分に非現実的です。


おそらく、正攻法で公益法人を目指すよりはよっぽど説得力があるやり方だと思います。




まあ、このコラムの本質は『公益法人になれるかどうか』ではなくて、『理念と公益の違いをきちんと理解して、それをどう実行するつもりなのか?』ということなんですけどね。


指摘されなければ、永遠にほったらかしですし…


ということで、公益法人関係は終わりですが、『麻雀団体の理念と公益の違い』はもうちょっと続きます。