岩ガキ ハモ。釈明。 | 酒菜・和食 下北沢「金兵」(キンペイ)

岩ガキ ハモ。釈明。

170629_165248.jpg
170629_165312.jpg
京都の岩ガキ。
けっこう大振りです。
最近は夏場も真ガキが出回っておりますが、この時期のカキといえばやはり岩ガキでしょう。

それと、淡路のハモ。
湯引きが定番ですが、個人的には天ぷらも好きです。ホクホクした白身と皮のコラーゲン質のゼラチン化によるもっちりした食感が良いですね。笹掻きゴボウと一緒に卵で閉じた柳川も。こちらは実山椒をアクセントに。


加計学園の問題で、安倍政権側が無茶苦茶な釈明をしているようです。
曰く「元々は全国的な規制緩和のはずだったのが、獣医師会が一校だけにしろと言ったから加計学園だけになった、加計学園だけが選ばれたのは獣医師会の圧力のせいで、元々は加計学園以外も認めるはずだったのだから、自分たちが加計学園ありきで事を進めたのではない」とのこと。

1・特区を使った獣医学部設置規制の全国的な緩和

2・反発(不要論・慎重論)

3・一校だけの開設で妥結

4・開設許可基準の調整

5・ 加計学園に許可

という流れであり、「獣医師会による2の反発が無ければ一校だけに許可を与えるものではなかった、つまり元々は加計学園だけに許可を与えるものではなかった、だから加計学園ありきではない」という主張をしているわけです。

でもコレ何か論理がおかしくないでしょうか?
そもそも「一校だけに許可を与えるかどうか」と、「加計学園への許可ありきの規制緩和だったかどうか」はまず別の話です。
別に加計学園としては自分のところだけに一本化されなくても、ただ規制緩和で許可が貰えればいい話で、一校だけと決まったから許可が欲しくなったわけではない。
単に獣医学部を新設したかったというだけで、一校だけに限定されるかどうかに関係なく許可が欲しかった、というだけの話。
別に他の候補ともども許可を貰えれば、それで加計学園の要望は通ったことになるのです。

要するに、加計学園の要望ありきの規制緩和だったかどうかは、「加計学園だけが許可されるはずだったかどうか」という問題には還元されないはずです。
加計学園側の要望に基づいて総理が獣医学部設置の規制を緩和するために働きかけたのであれば、一校かどうかに関係なく、その時点でこの規制緩和は「加計学園への許可ありき」ということになるわけです。
ですから本来の論点は「獣医学部新設についての規制緩和が本当に必要な政策だったのか、それとも本当は不要であるが加計学園の要望に基づいて緩和されることになったのか」になるはずです。
「一校だけの開設と決まったのは加計学園が許可を要求した後の話だ」とか、「それは反論や慎重論があったからだ」とか、それらは「加計学園ありきかどうか」とはまるで関係ない議論のはずです。

さて、以上のように総理サイドの反論は議論のすり替えで、反論になっていないことがわかるわけですが、もうひとつ。
総理サイドが反論の材料にした「反対論や慎重論が出る前から加計学園が許可を申請していたこと」や、「反対論や慎重論が出たから加計学園に一本化されたのだということ」という同じ事実は、取り方によってはまるで違う解釈を生むことも可能です。
すなわち「一校だけに限定される前から加計学園の要望に従って規制緩和が検討され、さらに一校だけに限定された後には加計学園への優遇措置が取られた」という解釈が矛盾なく成り立つわけで、この通りであればそれは議論の余地なく「加計学園ありきだった」ということになるはずです。
総理サイドが反論の材料にした事実からは正しい反論は成立していませんし、しかも同じ材料が「加計学園ありきだった」ことを示唆している、とも見えるわけです。

実際のところ、加計学園は事の発端から獣医学部開設を要望していたのですし、皆さんもご存知のように、獣医師をめぐる様々な状況からこの問題について新設不要論や慎重論などの規制緩和への反対論が出たため、全国的な規制緩和は取り止めにして一校だけの新設という形で妥結に至ったわけです。
そこで、複数の候補から一校だけに絞り込むための選定をすることになるわけですが、もしここでその絞り込みの条件を作るにあたって、加計学園を優遇するための何らかの措置があったなら、それは少なくともこの時点で「加計学園への許可ありき」だったということになりますし、そうでなくともそもそもの発端から加計学園の獣医学部開設ありきで規制緩和が進められた可能性は払拭できません。
これについて実際にどうだったのかは、既に出ている文科省の内部文書を始めできるだけ多くの証拠や証言から総合的に判断すべきでしょう。

そういうわけで、安倍総理は説明責任を果たすべきですし、そのためには当然自発的かつ積極的に関係証拠の調査や関係者の証言を求めるべきである…はずですが、一向にその気配が無いというのが、どうにも国民や民主主義を馬鹿にしているとしか思えないのであります。


下北沢、和食・酒菜・キンペイ。