アイリーン・ペパーバーグ博士のモデル/ライバル法・デモンストレーションを見学。
第2回ABiCo~Asia Birds Convention~で講演をするため、
ヨウムのアレックスで有名なアイリーン・ペパーバーグ博士が来日され、
TSUBASA「とり村」にいらっしゃいました。
そして、アレックスが学んだ手法「モデル/ライバル法」
のデモンストレーションを実演してくださることになり、そのデモに参加させていただきました。
TSUBASAの鳥から一羽代表してもらって、ペパーバーグ博士の手ほどきを受けました。
[アレックス関連サイト]
書籍/アレックスと私
ナショナルジオグラフィックス/特集/動物の知力
WIRED.jp Archives/ゼロの概念を習得した「天才」オウム
●モデル/ライバル法とは?
ペパーバーグ博士は、アレックスを訓練する際に、
M/R法(モデル/ライバル法)の改良版を用いました。
実験者は、メインのトレーナーの人と、モデルかつライバルとなる人の2人が必要です。
まず、ヨウムの好きそうなものを用意します。
それの名前だったり(「何がある?」)、色だったり(「どんな色?」)、
形だったり(「どんな形?」)、個数だったり(「何個ある?)を答えさせるわけです。
トレーナーの人は、ヨウムのモデルとなる人に、上で述べたような質問をおこないます。
正解すれば、褒めて、それをあげます。
このモデルの人は、オウムにとっては、反応のモデルであると同時に、
トレーナーの注意を自分から奪うライバルでもあります。
モデルの人は、時々間違えるようにします。
なるべくヨウムの間違いに似た発声をおこないます。
モデルが間違っていることをヨウムにわからせるため、
トレーナーはモデルの間違いに対して、叱ったり、
その物を取り上げたりすることをします。
それと同時に「惜しい」「がんばって」などのように励まし、
モデルが修正しようとしているところをヨウムに見せます。
このトレーナーとモデルは、つねに固定しているのではなく、交替を繰り返します。
あるときはトレーナーだった人が、次の瞬間にはモデルの役を引き受けるわけです。
そして、そのやりとりのなかに、ヨウムを巻きこんでいきます。
つまり、2人の人間のどちらかがトレーナーで、
ヨウムが回答者となる状況を、ときどき入れていくということです。
トレーナーは、人間のモデルにしたのと同じように、ヨウムに質問し、
褒めて物をあげたり、叱ってとりあげたり、励ましたりすることになります。
下の本の第2章 "Can we really communicate with a bird?" に、詳細が書かれています。
興味ある方は是非ご一読を。
The Alex Studies: Cognitive and Communicative Abilities of Grey Parrots
邦訳版
アレックス・スタディ―オウムは人間の言葉を理解するか
今回、TSUBASAの鳥から選ばれたのは、ヨウムの空(くう)ちゃん。
当初はTSUBASAスタッフが、大勢の人の前や初めての人の前でも平気な、
アオメキバタンのシロちゃんにお相手を務めてもらおうと思っていたそうですが、
あまり反応が期待できなのではないかと思われた空ちゃんを
敢えて、ペパーバーグ博士は選びました。
トレーナー役はペパーバーグ博士。
モデル役は通訳の石綿さん。
後に交互に役割を交代します。
まずは、空ちゃんとペパーバーグ博士のご挨拶。
今回のデモンストレーションでは、
モデルライバル法の基本編で、「物」にはそれぞれ「名前」があることを教えます。
空ちゃんの好きな物、「かみ」と「たね(ひまわり)」、
それを利用して教えていきます。
「かみ」or「たね」の言葉を、お互いに言い合い、
その単語が発音できたら、ご褒美に「かみ」or「たね」をあげます。
その流れは、ひとつの単純な単語で繰り返されます。(P=ペパーバーグ博士/I=石綿さん)
P:「かみ」
I:「かみ?」
P:「かみ」
I:「かみ?」
合間に、空ちゃんの近くに「かみ」を持って行ってみせたり、
渡そうとしたりしながら、このやり取りを繰り返します。
P:「かみ」
I:「oh~~かみ!」
P:「かみ」を渡す。
I:「かみ」をちぎって遊ぶ。
となります。
このやり取りを満面の笑みを浮かべて、楽しそうに何度も繰り返し行ないます。
時々「かみ」を楽しくちぎって遊ぶ様子を見せます。
ちょっとでも発音しそうなそぶりや音を発した時点で、即褒美をあげます。
通訳の石綿さんも空ちゃんに「かみ」をあげます。
「かみ」をちぎってご満悦の空ちゃん。
「かみ」を右足にしっかり持ったまま、のび~をしてリラックス。
「かみ」ちぎりにかなりご執心な空ちゃん。
スタッフも予想外だったのは、
普段あまり「かみ」をちぎって遊ばない空ちゃんが、
二人のやりとりをみて、興味を示し、楽しそうに「かみ」をちぎって遊び始めたこと。
遊んだ時間は過去最長だそうです。
木製の「くぎ」を見せたりもしてみました。
「たね」を与えてみます。でも食べて直ぐになくなってしまいます。
空ちゃんには「かみ」の方が訓練に適しているみたいです。
実験を続けること1時間ほど。
ついに、空ちゃんが言葉を発しました!
「かみ」
これにはペパーバーグ博士もびっくり!
こんな短時間に成功することはあまりないそうです。
場内に驚きと喜びの声が上がりました。
すごいね!空ちゃん!
ちょっと得意顔の空ちゃん?ペパーバーグ博士も誇らしげ。
空ちゃん、お疲れ様でした。
実験大成功!でした。
空ちゃん、訓練が終わった後も、一人でこっそり
「かみ」「かみ」「かみ」・・・・・
って練習してたりして(笑)
どうでしたでしょうか?少しは参考になりましたでしょうか?
みなさんも試しにご自分の愛鳥にモデルライバル法を試してみてはいかがでしょう?
次回は、デモンストレーション前に訪れた、
TSUBASAとり村バードランで出会ったかわいい鳥さん達をご紹介しますね。
いつもご訪問ありがとうございます。
ランキングに参加しています。応援宜しくお願い致します!(^Θ^)
![にほんブログ村 鳥ブログ コザクラインコへ](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwhistler.storm.co.jp%2Fkozakura88_31_femgreen_1.gif)
ヨウムのアレックスで有名なアイリーン・ペパーバーグ博士が来日され、
TSUBASA「とり村」にいらっしゃいました。
そして、アレックスが学んだ手法「モデル/ライバル法」
のデモンストレーションを実演してくださることになり、そのデモに参加させていただきました。
TSUBASAの鳥から一羽代表してもらって、ペパーバーグ博士の手ほどきを受けました。
[アレックス関連サイト]
書籍/アレックスと私
ナショナルジオグラフィックス/特集/動物の知力
WIRED.jp Archives/ゼロの概念を習得した「天才」オウム
●モデル/ライバル法とは?
ペパーバーグ博士は、アレックスを訓練する際に、
M/R法(モデル/ライバル法)の改良版を用いました。
実験者は、メインのトレーナーの人と、モデルかつライバルとなる人の2人が必要です。
まず、ヨウムの好きそうなものを用意します。
それの名前だったり(「何がある?」)、色だったり(「どんな色?」)、
形だったり(「どんな形?」)、個数だったり(「何個ある?)を答えさせるわけです。
トレーナーの人は、ヨウムのモデルとなる人に、上で述べたような質問をおこないます。
正解すれば、褒めて、それをあげます。
このモデルの人は、オウムにとっては、反応のモデルであると同時に、
トレーナーの注意を自分から奪うライバルでもあります。
モデルの人は、時々間違えるようにします。
なるべくヨウムの間違いに似た発声をおこないます。
モデルが間違っていることをヨウムにわからせるため、
トレーナーはモデルの間違いに対して、叱ったり、
その物を取り上げたりすることをします。
それと同時に「惜しい」「がんばって」などのように励まし、
モデルが修正しようとしているところをヨウムに見せます。
このトレーナーとモデルは、つねに固定しているのではなく、交替を繰り返します。
あるときはトレーナーだった人が、次の瞬間にはモデルの役を引き受けるわけです。
そして、そのやりとりのなかに、ヨウムを巻きこんでいきます。
つまり、2人の人間のどちらかがトレーナーで、
ヨウムが回答者となる状況を、ときどき入れていくということです。
トレーナーは、人間のモデルにしたのと同じように、ヨウムに質問し、
褒めて物をあげたり、叱ってとりあげたり、励ましたりすることになります。
下の本の第2章 "Can we really communicate with a bird?" に、詳細が書かれています。
興味ある方は是非ご一読を。
The Alex Studies: Cognitive and Communicative Abilities of Grey Parrots
邦訳版
アレックス・スタディ―オウムは人間の言葉を理解するか
今回、TSUBASAの鳥から選ばれたのは、ヨウムの空(くう)ちゃん。
当初はTSUBASAスタッフが、大勢の人の前や初めての人の前でも平気な、
アオメキバタンのシロちゃんにお相手を務めてもらおうと思っていたそうですが、
あまり反応が期待できなのではないかと思われた空ちゃんを
敢えて、ペパーバーグ博士は選びました。
トレーナー役はペパーバーグ博士。
モデル役は通訳の石綿さん。
後に交互に役割を交代します。
まずは、空ちゃんとペパーバーグ博士のご挨拶。
今回のデモンストレーションでは、
モデルライバル法の基本編で、「物」にはそれぞれ「名前」があることを教えます。
空ちゃんの好きな物、「かみ」と「たね(ひまわり)」、
それを利用して教えていきます。
「かみ」or「たね」の言葉を、お互いに言い合い、
その単語が発音できたら、ご褒美に「かみ」or「たね」をあげます。
その流れは、ひとつの単純な単語で繰り返されます。(P=ペパーバーグ博士/I=石綿さん)
P:「かみ」
I:「かみ?」
P:「かみ」
I:「かみ?」
合間に、空ちゃんの近くに「かみ」を持って行ってみせたり、
渡そうとしたりしながら、このやり取りを繰り返します。
P:「かみ」
I:「oh~~かみ!」
P:「かみ」を渡す。
I:「かみ」をちぎって遊ぶ。
となります。
このやり取りを満面の笑みを浮かべて、楽しそうに何度も繰り返し行ないます。
時々「かみ」を楽しくちぎって遊ぶ様子を見せます。
ちょっとでも発音しそうなそぶりや音を発した時点で、即褒美をあげます。
通訳の石綿さんも空ちゃんに「かみ」をあげます。
「かみ」をちぎってご満悦の空ちゃん。
「かみ」を右足にしっかり持ったまま、のび~をしてリラックス。
「かみ」ちぎりにかなりご執心な空ちゃん。
スタッフも予想外だったのは、
普段あまり「かみ」をちぎって遊ばない空ちゃんが、
二人のやりとりをみて、興味を示し、楽しそうに「かみ」をちぎって遊び始めたこと。
遊んだ時間は過去最長だそうです。
木製の「くぎ」を見せたりもしてみました。
「たね」を与えてみます。でも食べて直ぐになくなってしまいます。
空ちゃんには「かみ」の方が訓練に適しているみたいです。
実験を続けること1時間ほど。
ついに、空ちゃんが言葉を発しました!
「かみ」
これにはペパーバーグ博士もびっくり!
こんな短時間に成功することはあまりないそうです。
場内に驚きと喜びの声が上がりました。
すごいね!空ちゃん!
ちょっと得意顔の空ちゃん?ペパーバーグ博士も誇らしげ。
空ちゃん、お疲れ様でした。
実験大成功!でした。
空ちゃん、訓練が終わった後も、一人でこっそり
「かみ」「かみ」「かみ」・・・・・
って練習してたりして(笑)
どうでしたでしょうか?少しは参考になりましたでしょうか?
みなさんも試しにご自分の愛鳥にモデルライバル法を試してみてはいかがでしょう?
次回は、デモンストレーション前に訪れた、
TSUBASAとり村バードランで出会ったかわいい鳥さん達をご紹介しますね。
いつもご訪問ありがとうございます。
ランキングに参加しています。応援宜しくお願い致します!(^Θ^)
![にほんブログ村 鳥ブログ コザクラインコへ](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwhistler.storm.co.jp%2Fkozakura88_31_femgreen_1.gif)