恍惚


初めてこの言葉に出会ったのは高2、もしくは高3の国語の授業だった。


森鴎外が描いた舞姫を題材に授業は進められ、初めて出会ったその言葉の音域に不思議な気分になったのを覚えている。


「恍惚」


どうしても、この言葉の持つ意味が分からなくて、授業中、手を挙げて、わざわざ裕太郎(国担)に、言葉の意味を問いたあの瞬間を今でも鮮烈に覚えている。


裕太郎は、丁寧に言葉の意味を教えてくれたという記憶がある。

だけど、言ってる意味がさっぱり分からなかった。



それから私はずっと恍惚を探していた。

恍惚に出会いたかった。



確か、森鴎外舞姫曰く、主人公の男の子(森鴎外?)は舞姫だったかエリスだったかやらに出会い恍惚を味わったとか、なんとかだったんだけど。。。。


それがどうして恍惚なのかさっぱり分からなかったし、更に言ってみれば、私自身が恍惚なんて言う状態に出会った事がなかった。



辞書には単純に、

 物事に心を奪われてうっとりするさま。
 意識がはっきりしないさま。

とだけ書かれているけど、、、、


どうしても腑に落ちないというか、単純にその心理描写の奥行が自分にとって理解の境地を超えていた。



ずっと探してた。


どうしても知りたかったから、ずっと探してた。




そして、あの時から干支が一周する周期を経て、ようやく私は森鴎外が感じた恍惚という情景に出会った。




その時、「これが恍惚かもしれない。」とずっと溶けなかった謎が溶けたような気持ちになった。




30歳になってすぐ出会っしまった彼の事。

彼と出会って、恍惚の持つ意味をようやく体感した。




そして初めて、愛するという言葉の持つ意味をようやく実感した。



今は、実感を帯びた上で断言できる。

私は彼と出会った瞬間に恍惚の境地に達したと。





どんなに言葉を知っても、それを体感してみるまで、言葉の意味は分からないんだなぁって、思うんだ。


愛する、って当たり前に使われている言葉の意味だって、私は彼と出会う前までは知らなかった。


正確に言えば、「愛」なんて当たり前に知っているものだと思ってた。
でも彼に出会って、今まで私は「愛」を知らなかった事にようやく気がついたんだ。


初めて出会った愛だったから、すごく不器用な事になって、結果みっともなかった((笑)



でも、それでいいんだ。

知ったから、出会ったから、広がった世界が一杯あるから。




いっぱいいっぱい大好きで、いっぱいいっぱい恍惚味わって、いっぱいいっぱい愛するって事を教えてもらった。


タマヤンに会えたから、出会わせてもらえたから、私の世界が広がったんだ。


タマヤン!やっぱり、ありがとうね☆

私が知らなかった色んな感覚や感情を学ばせてくれてありがとうね☆

本当に感謝してるんだ。


沢山困らせたけど、、ありがとうね!




あの頃好きだった歌☆